追放
俺は、生まれた時から運命が決まっていた。
そう。
国からの追放だ。
この世界には【ジョブ】というものがある。
貴族では、一般的に上級商人や騎士などの金になるジョブを選ぶことができる。
しかし、俺は貴族にも関わらず“テイマー”だった。
それからというもの、貴族内では雑用係。外に出れば、いじめられた。
今年で、18歳。
遂に、この国から追放される。
なんで、追放で嬉しいのか?
この窮屈な国から出られるからだ。
「おい、水蓮。お前は自由だ。だが、この国に入ることを禁ずるからな!」
「はいはい。じゃぁな。糞親父」
「...」
「...」
うん。我ながら良い別れだと思う。
こんな国、二度と来てやるかっつの!
こっちから、お断りじゃい。
う~ん、でもどうしようか。
ここから近くとも、3日はかかるしなぁ。
う~ん、どうしたものか。
“テイマー”だしな。
テイマーって、魔物を味方にするジョブー
「グガァァァァ」
「おいおい、初日から熱熊は、だめだろッ!」
うぉ、危ね。
熱熊、名前の通りだな。
ここは、逃げないとな。
◇◇◇
はぁっ、ふーっ、はぁっ、ふーっ、、、
ここまで、来たら、大丈夫、だー
「グガァァァァァァァ」
「噓だろ、、、、、俺こんなところで死ぬのか?」
「グガァァァァッ!!!」
「終わっー『ザクッ』」
ドサッ
「...死んだ...」
「あ、あの、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ、お陰で助かったよ」
「貴方の名前聞いても?」
「あぁ、俺は、水蓮。こう見えてもガナイル国の貴族だ。今日、追放されちまったが...」
「え、えぇ!?き、貴族なのですかー!?」
「しーっ!でかい、声が...」
「あ、すみません。因みにジョブ聞いても?」
「“テイマー”だ」
「...」
「まぁ、そうなるわな」
「...はい」
「君の名前は?」
「言っていませんでしたね。私は、麻優。ジョブは剣士」
「へぇ~」
「水蓮は、これからどうするの?」
「う~ん、もう、移動するのめんどくさいし、国作ろうかな?」
「...は!?く、国!?」
「一応、貴族だし、金もあるし。麻優も来る?」
「................................................うん」
沈黙長ぇ。
お金は、爺がくれたお金だ。
爺だけは、分かってくれた。
爺だけは、死なないでほしかった...。
まぁ、こんな愚直言ってたら進まないし、いいや。
因みに手持ちのお金は金貨50枚程度。
貯めていた甲斐があったわ。
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