初配信だよ!
転生してから数日がたった夕方。俺は完成した配信部屋をみて満足気に笑みを浮かべていた。
「うん、めちゃくちゃ良い」
機材は欲しいのが手に入ったし、美少女らしい可愛い部屋もつくれた。我ながらいい仕事をした。
未来のことを知ってしまっているのでpcのスペックなどには物足りなさを感じなくもないが、それはいつか時間が解決してくれるだろうから待つしかない。がんばれ開発者。
「すぐにでも配信は始められるが、どうしようか」
今の段階ではまだYouTubeに生配信機能がないので、配信をするならニコニコということになる。YouTubeにも2年ほど経てば生配信機能が追加されるので、それまではYouTubeにはニコニコの配信を録画したものを軽く編集して投稿、という感じでいこう。
YouTubeで生配信できるようになればそっちをメインに移行かな。ニコニコもいいけど、ユーザー数がやはりYouTubeの方が多いから移行は必要だろう。
「とりあえずやってみるか。自己紹介メインで、あとはコメントがあれば拾う感じで」
この頃のニコニコの人口はまだまだ少ない。そもそもまだスマホが普及する前なので、配信を見るならパソコンしかない。
ノーパソを持っていないと外で見ることができないし、後にニコニコを見るような層はまだパソコンを持っていない人も多いので、人口が少ないのも当然といえる。
俺は現状での最高スペックを誇るパソコンを起動し配信準備をする。だいたい準備が終わったら、YouTube用の画面録画や、配信画面に余計なものが映り込んでいないかをしっかり確認した。
「よし、準備OK。んんっ、あ〜、あ〜。うん、声も大丈夫だね」
見た目美少女な俺は声も美少女だ。まだ試していないが歌なんか歌ってもいいかもしれない。
「よし、配信開始!」
俺の初配信が始まった。
◇
配信を開始してしばらく、まだ見に来てくれた人はいないようだ。
まあ、この時期はこんなもんだ。既にファンがいるならまだしも、俺は初配信だからな。
俺は画面に映る自分の姿を見る。
うん、やっぱり有り得ないくらいに可愛い。見た目年齢は17歳といったところか。笑顔のときなら15と言われても信じるかもしれない。
そんなことを考えていると、画面にコメントがひとつ流れた。
あっ、初コメントきた!
・なにこの美少女…
「あっ!コメントありがとうございます!あなたが私の配信にコメントしてくれた最初の人です!」
俺は美少女パワー全開で初めてのコメントにお礼をする。
「誰も見に来てくれないかと思って不安になってたところだったんです。あ、またコメント!みなさん見に来てくれてありがとうございます!」
・かわいい
・お名前なんていうの?
・初配信?
「ふふふ、ありがとうございます。えと、名前は七海七瀬と言います!7が2つも入ってて何だか縁起がいいと思いませんか?ちなみに誕生日も7月7日ですよ!あ、そうです、これが初配信です!」
ちなみに七海七瀬という名前は俺が転生する前に神と考えた名前だ。今言ったそのまま、7が2つ入っててなんか良さそうじゃんという理由でこの名前になった。同じ理由で誕生日は7月7日だ。神につくってもらった戸籍もこの名前と誕生日になっている。
お、どんどんコメントが増えてきたな。
・いい名前だね
・かわいい〜
・えげつない美少女きた、何者?
「わあ、フォロワー10超えた!やった!コメントもありがとうございます!えっと、何者と言われましても普通の一般人としかいえません!笑」
・こんな可愛い一般人いてたまるかww
・笑顔さいこうです
・清楚系美少女いいわ〜
こうして俺の初配信は順調にリスナーを集めていく。