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8、死への遊戯

私は翌日の朝早くに起き上がってから...お兄ちゃんの部屋に行く。

それからお兄ちゃんの部屋に忍び込む。

そして私はお兄ちゃんを覗き込む。

何をしているのだろうか私は。

男の人の部屋に勝手に忍び込むなんて変態だ。


「ふふ。可愛い」


寝ているお兄ちゃんの顔を覗き込み私はくすくす笑う。

それから私は幸せそうな顔を見ながら頬に触れる。

しかしこの程度では起きなかった。

では...どうすれば起きるのか。


「...」


私は幸せそうなその顔の笑みを見て静かに怒りを灯す。

絶対に私はお兄ちゃんを裏切ったあの女を。

瀬本由香を許さない。

そして一宮勇人も。


「...お兄ちゃん。私はお兄ちゃんが幸せになるなら何でもするから」


そんな事を言いながら私はハイライトが薄れる。

意識が薄れる。

なんだか心の中の思いがチェンジした気がした。

そうだ。

私は何をためらっているのだろうか。

2人をぶちのめすなら...容赦は無くなっても構わない。


「あはは」


私は薄ら笑いを浮かべながらお兄ちゃんの頬を撫でる。

それから私はお兄ちゃんの部屋を後にした。

決めた。

奴らを地獄に落としてやる。



「おはようさん」

「おはよ。お兄ちゃん。朝食出来てるよ」

「ああ。いつもありがとうな」

「ねえ。お兄ちゃん」

「...ん?どした」

「私、心が軽くなったよ」

「は?」

「...いや。こんなに簡単な事に気が付かなかったのがね」


な、なんだ。

八鹿の瞳孔が開いている様な感じなんだが。

恐ろしく怖いんだが?

そう思いながら「よ、八鹿?」と聞く。

すると八鹿は「あ、ごめん」と言いながら柔和になる。

なんだ今の寒気は。


「今日は朝食はご飯だから」

「そ、そうか。なあ。八鹿」

「ん?」

「なんかお前、変わったか」

「変わったっていうのは?」

「いや。なにか気持ちに変化でも...」

「無いよ」

「...そ、そうか」


何だったんだ今の寒気は。

そう考えながら俺は朝食を食べる。

それから俺は汗を浮かべつつご飯を食べる。

そして俺は学校に登校する為に外に出る。


で、事件は...起こった。



(お兄ちゃん)

(ああ。どうした?)

(私は瀬本由香を許せないんだよね)

(そ、そうか)

(退学に追い込むべきだと思う)

(いや待て。...色々といきなりぶっ飛びすぎだろ)


俺は汗をかく。

そしてスマホを見ていると(お兄ちゃんは甘いんだよね。今日の放課後に是非ともお会いしようって思うんだけど。瀬本に)と言う八鹿。

待てコイツ何かおかしい。


(オイ。それは良いけど...お前やっぱり何かおかしい)

(何が?)

(恐怖を感じる)

(私はいつも通りだよ)


そう言いながら八鹿は笑みを浮かべる様なスタンプを送る。

俺は汗をかきながらチャイムの音を聞く。

それから体育の授業の為。

表に出た。



放課後になってから俺は公園に集合した。

ここが集合場所になっている。

七瀬も参加していた。

そして2人がやって来る。


「...瀬本」

「仁。ようやっと話をしてくれるんだね」

「...呼んだのは俺じゃない」

「え?」

「...」


俺は背後を見る。

そこに八鹿が冷えた顔で立っていた。

それからいきなり瀬本を突き飛ばした。

そして八鹿が見下す。


「よ、八鹿ちゃん...」

「お久しぶりですね。瀬本お姉ちゃん」

「...な、何か様子が...」


するといきなり八鹿は飲料水を瀬本にぶっかけた。

それから胸ぐらを掴んで立たせる。

俺は唖然としながら「八鹿!」と止めるが八鹿は「甘いよ。お兄ちゃん」と言いながら瀬本を見下す。


「反省して下さい」


そして八鹿は瀬本にビンタした。

それも歯が折れそうな重たいビンタ。

1発ではなく3発を一気に。

俺は「待て!八鹿!!!」と止める。

八鹿を見るとまるでダメージの無い冷めた顔をしていた。

冷酷な顔だ。


「い、嫌...」

「ちょっと待て!八鹿!やりすぎだ」

「だけどお兄ちゃん。コイツは裏切った。私達をね」

「分かるけど!」


俺は止める。

すると「あーあ。やり過ぎですね」と声がした。

その声に俺達は背後を見る。

一宮勇人が立っていた。

そして「...瀬本さん。口割りました?」と聞く。


「どういう事だ...」

「いやはや。まあ...瀬本さんはセフレです」

「は?」

「セフレです。...まあその。性欲を発散する為の女子です」

「...」


なんつったコイツ。

そう思いながら俺は「...お前」と絶句しながら一宮勇人を見る。

すると一宮は「まあその。瀬本さんが居なくなっても構いませんけど...せっかく仲良くなりましたから死んでもらっては困ります」と一宮は笑みを浮かべる。

七瀬が「どういう事...」と言う。


「瀬本さんが悪いです。でも瀬本さんだけじゃなくて社会もそれなりに悪いんですよ。ね?瀬本さん」

「...」


瀬本は俯いてから反応が無くなる。

俺は「...何がどうなっている」と一宮に聞く。

すると一宮は「彼女はお金を求めています」と答えた。

は?は?


「つまりを言うと瀬本さんはお金も欲しくて僕と取引したのもあります」

「トレード...!?」

「そうです。まあ端的に言えば...何に使う為のお金なのかは分かりませんけど」

「そんな捨て駒の様な...」

「言いましたけど僕は瀬本さん以上それ以下でもないです」

「...」


じゃあ誰が悪いんだ。

瀬本...コイツじゃないのか。

という事は一宮が悪なのか?!

俺は絶句しながら「一宮!お前のせいもあって関係性が崩れていっているんだぞ!!!」と大声を上げてから一宮を睨む。

そして俺は一宮の胸ぐらを掴んでビンタを食らわせた。


「痛いですね。暴力じゃ何も解決しませんよ」

「...お前マジ殺すぞ」

「殺せますか?殺せば捕まりますよ?」


そして瀬本を見る一宮。

何なんだこの男。

マジになんなんだ。

俺が...これだけ信じていたのに。


「お前。どれだけ俺がお前の事を気にかけて...」

「僕は初めからこのパターンを考えていました。愛なんてないです」


すると一宮の頭に思いっきり石が飛んだ。

それから一宮は頭を切った様で思いっきり出血する。

俺は背後を見る。

そこに「殺す!!!」と言ってから牙をむき出しにして襲い掛かる八鹿が。


「八鹿ちゃん駄目!」

「コイツのせいで何もかもが!」

「全く2度目ですけど暴力は嫌いです」


そう言いながら一宮はハンカチで頭を拭う。

それからニコッとした。

このクソ悪魔。

考えながら居ると七瀬が「いったん撤退しよ」と言い出した。

俺達はそのままその場から八鹿を引き連れて撤退した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 題名と内容の一致。おらぁって感じがします。
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