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4、秘めた想い

瀬本も一宮もこの世界の中で最も最低すぎる。

いずれにせよ...心底裏切られた気分だった。

俺は窓に手を触れ外を見る。

それから考え込む。


「...いずれにせよ別れは告げた。もうこれで関わる事はないだろう」


深夜...窓から外には街灯が見える。

少しの明かりも見える。

俺は呟きながら俺は窓のカーテンを閉じる。

それから横になってから布団を被る。

そして目を閉じた。



翌日になってから俺は八鹿の作った朝食を食べた。

そして学校に行く為にドアを開けた。

八鹿は少しだけ家事をしてから出るらしく残った。

そして前を見る。

するとそこに...何故か七瀬が居た。


「七瀬?」

「あ、先輩。おはようございます」

「何をしているんだ?」

「いえ。...先輩と登校したいなって」

「そうか...え?珍しいな」

「いえいえ」


それから俺達は歩き出す。

すると数歩だけ歩いた時に七瀬がこう切り出した。

「先輩はこれからどうするんですか?」という感じで、だ。

俺は足を止める。


「どうするってのは?」

「いえ。その。...復讐もするとは思います。その。彼女を作るっていう気はない...ですか?」

「ああ。いや。彼女はもう作らない。俺は生涯独身で居るつもりだ。裏切りはこりごりだしな」

「そ、そうなんですね」

「ああ...でもなんでそんな事を聞くんだ?」

「いえ」


それから七瀬は公園を見る。

そして「先輩。まだ学校まで時間あるしブランコ乗りませんか?」と言ってくる。

俺は「?」を浮かべながら七瀬に付いて行く。

七瀬は勢いよくブランコに乗った。

勢いよく前後に動かす。


「えへへ」

「オイオイ。七瀬は子供かよ」

「良いじゃないですかぁ」


七瀬は笑顔を見せながら漕ぐ。

俺はその姿に苦笑しながら横にあるブランコに腰かける。

それから空を見上げた。

すると七瀬は漕ぐのを止めてから俺を見る。

そして「先輩は魅力的な男性です。だから彼女を作らないのは勿体ないですよ」と笑みを浮かべて俺に言った。


「...確かに俺は魅力はあるんだがな。多分だけど。...でももういいや。彼女は作るのがめんどいし...それに裏切られたら怖い」

「まあそういう人生も良いかもですね」

「だろ?っていうかそういうお前は作らないのか。彼氏」

「私ですか?...私は...」

「それこそお前の方が魅力があるぞ」

「えへへ。先輩ありがとう」


それから七瀬はまたゆっくりブランコを漕ぎ始める。

俺はその姿を見つつ空をまた見上げる。

すると七瀬が「私は好きな人が居ます」と言った。

顔を七瀬に向ける。


「そうなのか」

「はい。でもその人は天空に居ます。天の神様みたいな人です」

「?...随分と広大な人なんだな」

「いえいえ」


七瀬は飛び立った。

それから地面にひらりと着地する。

そして俺を見てきた。

俺は苦笑しながらその顔を見る。


「...私、その人に将来的には告白するまでは死ねないって思っています」

「そうか。応援しているけどな」

「はい。是非とも応援して下さいね」

「...」


俺は腕時計を見る。

それから立ち上がってから「そろそろ行かないか」と七瀬を見る。

七瀬は「はい。ですね」と笑顔になる。

そして歩き出した時。

七瀬が背後から俺に抱き着いて来た。


「お、おい?」

「先輩。負けないで下さいね」

「...え?」

「いや。あんな女に負けないで下さいね」

「あ、ああ。負ける気は無いけど」

「ですね」


そして七瀬は俺から離れる。

それからニコニコしながら歩き出した。

俺は「?」を浮かべながらその顔を見てから同じ様に歩き出した。



私の名前は七瀬奏と言います。

私はギャルみたいな感じの姿だけど根っからは真面目です。

成績優秀だし容姿も磨いています。

そんな私は憧れの先輩が居ます。

それは...長谷仁先輩です。


私はそんな先輩を憧れの眼差しで見ながらいつも癒されます。

家庭環境の事を忘れてしまうぐらい。

あの毒親に汚染されるのが浄化されるぐらい幸せです。

私の親は親ではない。


「...」


目の前を歩いている長谷先輩を見ながら出会った時の。

不良に襲われていた私を救ってくれた時の先輩を思い出します。

先輩はなにがどうあっても正義で助けてくれます。

私はいつしかそんな先輩が。


「よし。じゃあ別れようか」


長谷先輩と高校に登校したらあっという間に着いちゃった。

私は残念に思いながら横に居て私を見る長谷先輩の顔を見ます。

そんな長谷先輩の手を握りました。

それから私は動揺している先輩に「じゃあまた」と言ってから手を離します。


「あ、ああ」


私は動揺している長谷先輩を見つつ昇降口に向かいます。

振り返って先輩に大きく手を振りながらです。

それから私は昇降口に入ります。

そして気が付かれない場所で胸に手を添えました。


「...」


そう。

私が好きな相手は先輩です。

長谷仁先輩が大好き。

この世で最も好きな人です。

私は赤面しながら心臓をどきどき鼓動させます。


「ふふ」


私はそう言いながら赤くなったままはにかみ。

そのまま下駄箱から靴を取り出して履き替えました。

だけどまあ今はこの想いは叶わない願いです。

何故なら私は鳥籠に入った鳥の様な感じだからです。

でも好きで居るだけでも悪い事はない筈です。

だから。

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― 新着の感想 ―
[一言] 浮気衆から接触無いの?にしても、手を打たんと変な噂流されとかされかねない気も。 浮気したのは主人公の方とか。
[一言] ホワイトデーの日に待ち合わせ場所の通りにあるラブホから出てきたってもう隠す気ないですよね? 相手から連絡が来たって描写もないですしあえて見せつけたのかな?幼馴染もそうだけど後輩も噂が広まる…
[一言] まる1日、彼女という幼馴染と関わりがないのですけれど、 まさか、 彼女だと思い込んでいただけ、とか そういうオチは、ありえるのかな?
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