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23/27

23、行く道は、晴れ

.....。

俺と親父と八鹿。

それから七瀬と柳、智和がこの場に居る。

何でこんな構図になってしまったのやら.....?

思いながら俺は親父に、何か食うか?、と聞いてみる。

カメラを回しっぱなしの親父に。


「ふむ。ではパンケーキをもらおう」


「そうだね。お父さん。じゃあみんなも?」


「あ、私は仕事があります」


「私は大丈夫。食べる」


「ああ。俺も仕事があるから」


そして残されたのは柳だった。

コイツ何だか苦手なんだよな.....。

思いながら柳を見る。

すると柳は俺を真顔のまま見てきてから、先輩、と聞いてくる。

俺は、はい?、と返事をすると。


「.....私と奏。どっちが好きですか」


「.....それはお前.....究極だな。.....俺は恋はしないって決めているんだ。すまない」


「そうなんですか?じゃあ私は今から貴方を惚れさせる為に動き出します」


「.....あのな.....恥ずかしいセリフばかり言うなよ」


「私はあくまで貴方が好きです。だから恥ずかしい事も全部全部したいです」


あのクソバカ殺す、と言う視線を感じる。

クラスの男子とキャーキャー言っている女子。

貸切状態の教室。

全く.....困ったもんだな、と思っていると。


「なあなぁ」


「.....うん?どうした。椿」


「お前の親父さんってスゲェ厳ついけど面白いな」


「まあな。これが俺の親父だから」


「それからさ。柳って子は何者だ?」


「ああ。七瀬の親戚らしいんだが.....知り合ったばかりで俺も詳しくはしらん」


「そうなんだな」


そして柳を見る。

柳はメニュー表と睨めっこしていた。

俺はその姿を見てから親父を見る。

親父は、所で、と.....切り出してきた。

?、を浮かべて親父を見る。


「.....常盤の母親と会ったそうだな」


「.....ああ。その事ならな。会ったよ」


「そうなのか。何か言っていたか」


「そうだな.....まあその。常盤の事に関して反省していた」


「.....そうか......」


「娘は本当に反省しています、だそうだ」


深刻そうな顔をする親父。

そして顎に手を添える。

俺はそんな親父を見てから八鹿を見る。

親父はお前が連れて来たのか、と聞くと。

うん、と答えた。


「.....何だか来たいからって言ってて聞かなかったの」


「成程な。まあ親父だしな。それはしゃーない」


「.....そだね。ゴメンね。突然の訪問で」


「いや。構わない。こういう事もあるとは思ったからな」


「でも良かった」


「.....何が?」


「お兄ちゃんの楽しそうな姿を見れて。.....あんな事もあったしね」


それは確かにな。

俺は思いながら考える。

それから居ると親父が、常盤さんには会えないのか、と切り出してくる。

俺は首を振ってから回答した。

会えないよ。少年鑑別所に居るみたいだしな、と。


「彼女は何らかの.....反省をしているなら会ってみたらどうだ」


「.....まあそのうちな。会えたら会うよ」


「私は忙しいのもある。会う事が出来ない。その代わりにお前に会って欲しい。宜しく頼む」


「.....本当アンタは他人任せだよな。.....まあ頑張ってくれているしな。分かった。タイミングがあったらどうにかする」


すると視線を感じた。

顔を上げるとそこに真剣な顔の柳が。

俺は、どした、と聞くと。

常盤さんって捕まった人ですよね、と聞いてくる。


「まあ確かにな。事件を起こした野郎だ」


「.....先輩。行く気なんですか?その人の所に」


「行く気は無いけどでもいつか話は聞きたい」


「許すんですか?先輩は」


「.....そんなつもりも無い。.....だが.....救いようはあったと思う」


だからこそ俺は行動しないといけないと思っている。

俺は常盤に会いたいって思うよ、と切り出すと。

柳は、変わらずですね。仁先輩は、と柔和になる。

その言葉に、まあ優し過ぎるのかもしれないけどな、と複雑になる。


「それは優しいんじゃ無いです。.....過保護すぎます」


「はっはっは。それは当たっているかもしれないな」


「お兄ちゃんはいつもそんな感じだしね」


「.....失礼だな。俺だって考えているぞ」


するとパンケーキを智和と横須賀が持って来た。

それから目の前に置かれる。

親父はそのパンケーキと俺と八鹿と柳を撮る。

しっかり撮りながら笑みを浮かべていた。


「.....親父。冷えるぞ」


「そうだな。じゃあ温かいうちにお前のオススメを食べてみよう。このメイド喫茶の監督だろう。お前は」


「何で知ってんだよ気持ちが悪い」


「酷いな。私の情報網を舐めないでくれたまえ」


「.....はぁ.....」


気持ち悪いが。

まあでもこう言う所が親父だよな。

そう思いながら俺は親父を見る。

親父はグラサンを変えた。

そして手を合わせて、いただきます、と言って食べ始める。


「柳も美味いか」


「はい。美味しいです」


「.....八鹿は」


「美味しいけどお兄ちゃん素材はどうしたの?」


「地元の商店街と交渉した。それで今に至る」


「.....全く。無駄に人との関わりが得意なんだから」


無駄とは失敬だな。

俺は思いながら苦笑いを浮かべる。

それからみんなを見る。

みんな笑っている。


「.....仁先輩ってそういうの得意なんですね」


「それはまあな」


「.....そうだよ。柳さん。お兄ちゃんの会話術って言ったら誰でも寄せ付けるんだから」


「そのお陰でクソ野郎も生まれてしまったけどな」


「そうだね。でもこれからだよ。お兄ちゃん。みんなで磔にしてボコボコにしよう。一宮は絶対に許せない」


「一宮は何処にいるか知らないが......まだ攻撃はしてくるだろうな」


そうだ、と佐藤が声を発した。

それから背後で男子達が俺を見てくる。

その時は一緒に戦うぜ、と笑顔になってみせる。

俺はその事に、犯罪だけは起こすなよ、と苦笑した。

そして俺は嬉しさと恥ずかしさに頬を掻いた


「長谷は仲間だからな」


「だな。俺達クラスメイトの」


そんな会話を見ていると親父が涙を浮かべて拭っていた。

幸せな世界だな、と呟きながら。

俺は、親父.....、と見る。

やっと手に入れたんだな。お前は居場所を、と言ってくる。


「やっと、だな。確かにな」


「散々あったしね。お兄ちゃん」


「.....だな」


それから俺は苦笑しながら周りに来るクラスメイトを見る。

そして盛大に溜息を吐いてから窓から外を見る。

こういう幸せが.....本当に。

願わくばずっと続いて欲しいもんだな。

そう思いながら祈った。

.....。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんかやたら文章がおかしくて読みにくい、、 『洗脳?そんな事していません。あくまで洗脳しただけです』とか その他もろもろ
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