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放課後カミカクシ  作者: 雨音静香
第拾玖章 救出作戦
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拾玖之参拾 エネルギー球

 具現化するものをどうするかという問題に、私は二台目のドローンを選択した。

 数を増やしてほしいという要望がそもそもあったし、動力も必要なので、エネルギー源を神世界から引っ張り出す機能を付与できるかも試せる。

 具現化の経験が多い人形やヴァイアを増やす選択肢もあったけど、直前に聞いたリンリン様の新たな魂を生み出したという言葉が気になってしまって、選ぼうという気にはならなかった。

 純粋な命とは違うかもしれないけど、むやみやたらと、魂のある存在を増やしてはいけないと考えたのだけど、皆に言ったら今更と言われるかもしれない。

 それでも思い浮かんだ以上、止めた方が良いと思った自分の感覚に従うことにした。


 これまでは向き合わせた両手の間にエネルギーを集めて具現化したわけだけど、今は林田先生に手を握って貰っているので、そこから変える必要があった。

 掌と掌を合わせることは出来ないけど、両手が重なっているわけではないのでその間に出現させられないだろうかと考えてみる。

 直後、手を繋いだ私と林田先生の間、腕で作った円の中心手付近にエネルギーの光球が出現した。

 すると、動揺した声で「う、卯木さん。なんだか力が抜ける感じがあります」と林田先生が声を上げる。

「立っていられなくなる程ですか?」

 努めて冷静な声でそう問い掛けると、林田先生も落ち着きを取り戻したようで「そこまで急激なものではない……ようです」と返してきた。

 私は林田先生に「続けられそうですか?」と聞いてみた。

 言葉を選んでいるのか、考えを巡らせているのか、林田先生からは答えが返ってこない。

「無理はしないでください。駄目なら、駄目だったが実験結果になるので……」

 私がそう言い加えると、林田先生は「少し待ってください」と返してきた。

 林田先生の希望に従う形で少し待っていると「……なんとなくといった感覚なので、確かでは無いですが、今のこの調子なら問題ないと思います」と言う回答が示される。

 私は頷いてから「今から具現化するのに必要なエネルギーを集めていきます。その途中で、もし苦痛や疲労、脱力など身体に強い違和感があったら教えてください」と告げた。

「わかりました。続けてください」

 林田先生の了承を得たので、実験を再開することにする。

 ただ、私なら多少の痛みは我慢するなという自覚というか、記憶があるので、頭の中でリンリン様に『もしも、林田先生が我慢しているようだったら教えてほしい』と念じた。

 すぐに了承を示すのであろうリンリン様の右前足が、ポンポンと私の頭を二回叩く。

 心の中でリンリン様に感謝して、エネルギーが集まるイメージを頭に浮かべた。


 エネルギー源が林田先生になったことを示すように、私との間に出現した小さな光球は、先生の全身から飛び出した無数の光……恐らく小さなエネルギー球を集め取り込み吸収素売ることであっという間にそのサイズを大きくしていった。

 なるべく身体に負荷を掛けないようにエネルギーの集まる速度は抑えているけど、それでも集まってくる鳥井紗奈エネルギーの速度は目で追うのが大変なくらいに早い。

 視点を遠ざけてようやく把握出来るといった感じで、例えばそのうちの一つに集中したらすぐに見失ってしまうはずだ。

 私だったならば、この速度で身体を流れて言っていたら苦痛がとんでもないことになると思う。

 けど、私がエネルギーを集める方法とは見るからに違う林田先生をエネルギー源にした場合は、身体に負荷が掛かっていないようだ。

 頭の中のイメージの表情が崩れないからと言って現実もそうだとは言えないけど、様子を見てくれているリンリン様が動かないので、多分大丈夫なのでは無いかと思う。

 そんな考察を巡らせながら、エネルギーを集めていた私の頭に、具現化に必要な分のエネルギーが集まったというイメージが浮かんだ。


「林田先生。身体に異変は無いですか?」

 私がそう問い掛けると、林田先生は「今のところ、さっきの力が抜ける感覚が続いていて……いや、今は止まったかな」という答えが返ってきた。

「具現化に必要なエネルギーが集まったので、林田先生からのエネルギー供給が止まったからだと思います」

 林田先生は「なるほど」と口にしてから「頭の中の映像で、僕の身体から出ている光の球が、出なくなったのがそれを示しているのかな?」と尋ねてくる。

 改めて、同じ映像を共有しているんだなと思いつつ、私は「あってると思います。私の方のイメージでも同じように変わりました」と返した。

 ここまでは順調であり、問題もな……林田先生の負担がどの程度かがわからないという点を除けば、問題はなさそうなので、次ぐに進む。

「それじゃあ、これからエネルギーを物質に変えます」

 私の宣言に、林田先生は『わかりました」と返してきた。

 同意を得た私はエネルギー体へ二台目のドローンへの変化を命じる。

 命令を出した直後、エネルギー球は光を放ったまま、ドローンの形へと変質を開始した。

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