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放課後カミカクシ  作者: 雨音静香
第拾玖章 救出作戦
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拾玖之拾肆 電池回収

 私の思いが伝わったのか、那美ちゃんは大きく溜め息を吐き出すと「わかったわ」と言ってくれた。

「確かに、感情のままツッコむのは、リンちゃんが言うとおり、危険だわ」

 那美ちゃんが納得してくれたことに、ホッとした私も溜め息を吐き出す。

 その後で、改めて「ありがとう、わかってくれて」と伝えると、那美ちゃんは「別に、確実な方法を選んだだけよ」と言って視線を逸らしてしまった。


「リンちゃん、いろいろ考えた結果、大変だとは思うんだけど、もう一機ドローンを作れないかな?」

、志緒ちゃんの問い掛けに、私は少し考えてから「作るのは出来ると思うんですけど……」と残りのカード枚数を確認してみた。

 ドローン分はありそうだけど、その先を考えると少し心許ないなと思った私の考えを読んでいたのであろう那美ちゃんが「それなら、電池と合流したらいいんじゃ無い?」と素っ気なく言い放つ。

「電池って……」

 私が首を傾げると、横から結花ちゃんが「流石に担任を電池呼ばわりはどうかと思うわ」と眉を寄せた。

「あー、林田先生……って、そう言えば、今どういう状況なんだっけ!?」

 話の途中で自分の半身なのに、すっかり存在を忘れていた事に気付いて、私の中で急に不安が増加してきて、声を荒げてしまう。

 そんな私の肩を叩きながら「大丈夫。雪ちゃんと月子先生のコンビが合流したって」と志緒ちゃんが教えてくれた。

「あー、えーと、それじゃあ……どうしたら良いかな?」

 頭の中では林田先生と合流しなければいけないというのはなんとなくイメージできているのだけど、具体的な手順となると、上手く思い浮かばない。

 那美ちゃんがそんな私に呆れた顔を向けながら「アンタ達の作った仕組みで合流すれば良いでしょ?」と溜め息交じりに言い放った。

 そこは私だって思い付いているので「でも、林田先生の身体を桃源郷……白い鳥居の世界に入れても大丈夫なのかな?」と提案を踏み止まった理由を口にしてみる。

「確かに、大人の身体を神世界に入れるのは、危険かもしれないね」

 私と那美ちゃんの会話に志緒ちゃんが参加してきたところで、那美ちゃんは呼び方を改めながら「アン……リンちゃん自身の身体を入れてみたら向こうに行けるんじゃ無いの?」と言ってきた。

 言われたところで、私自身の身体では試していなかったことを思い浮かべると、那美ちゃんは「とりあえずぅ、試してみたら良いんじゃないかしらぁ」ときっちり先回りした提案をしてくる。

 試してみても良いだろうかと目で訴えながら、他の皆に視線を向けてみた。


「まずは白い鳥居から続く神世界に移動してみて」

 志緒ちゃんの指示に「うん」と頷いてから、私は車椅子に深く座り直してから肘掛けに手を置いて目を閉じた。

 身体から球魂が抜け出るイメージを浮かべると、急に視界が明るくなる。

 それが身体から『球魂』が抜け出て、周囲の様子が感じ取れるようになった合図だった。

 ふわふわと、空中を浮かんでいるという感覚がしていて、暑さや寒さ、匂いなどは感じ取れないように思う。

 身体事態の認識も無く、一方で視界は自在に変えることが出来た。

 地面と水平に回転して周りを見渡すことも、本来はあり得ない垂直方向に回転した光景を感じ取ることが出来る。

 その途中で目を閉じて車椅子に座る私の身体も見ることも出来た。

 改めて、球魂状態で宙を舞っているのだと実感を得た私は、いつまでも試している場合じゃ無いと思い直し、白い鳥居へと向かう。

 白い鳥居の柱と、地面、貫で構成される四角形は、四季の箸で作り出したゲートとは違い、黒一色に塗りつぶされたりはしていなく、ちゃんと後ろの風景が顔を覗かせていた。

 けど、球魂の状態で見ると、空間の歪みというか、陽炎のような揺らぎがあるように感じられる。

 既に那美ちゃんを含めた全員が行き来しているので、何も起こらないとは思うのだけど、ほんの少し、ちょっとだけ躊躇いがあった。

 そんな私に、足下……下の方から『主様』と声が掛けられる。

 耳が無いのに聞こえているし、越名の下方向もわかるんだなぁと思いながら視線を落とすと、そこにはこっちをはっきりと見詰めるリンリン様の姿があった。

 視線が合った瞬間、リンリン様は『参りますのじゃ』と口にして、白い鳥居の方へ向き直ると、そのままくぐり抜けてく。

 ゆらりとリンリン様の後ろ姿が揺らめき、瞬く間に消え去った。

 直後、私が確認したモニターには、桃源郷に待機中のシャー君の視界が映し出されていて、無事通り抜けたリンリン様が姿を現わす。

 ここまでお膳立てをして貰って、踏み止まるのも情けないなと思った私は、覚悟を決めて、白い鳥居に向けて移動を開始した。

 球魂の状態で、瞼があるわけじゃ無いのに、目を閉じたいと考えると、すぐさま視界が黒一色に塗りつぶされる。

 その状態では視界情報が得られなくなるわけだけど、ちゃんと自分の身体が白いと良いrの方向に進んでいることは感じ取れていた。

 私は問題ないと判断してそのまま突き進む。

 身体を大きく揺さぶられるような感覚が全身に走った直後、地面に立つ感覚で私は状況が変わったことを感じ取った。

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