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放課後カミカクシ  作者: 雨音静香
第拾肆章 天姿無縫
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拾肆之拾伍 推理

 私と志緒ちゃんの視線が同時に向いたところで、舞花ちゃんは「リンちゃんだからだよ!」と言い切った。

 なんの説明にも鳴っていない。

 思わずツッコみそうになったのだけど、意外にも志緒ちゃんから出た言葉は「そうだね」だった。

「へ?」

 話の流れが上手く理解出来ずに戸惑った声を上げた私に、視線を向けた志緒ちゃんは「髪の色が変わる変化が起きたのは『リンちゃん』だったからと考えた方が……『リンちゃん』が特例と考えた方が多分状況に一番当てはまると思う」と言う。

「舞花や舞花のお人形、リンちゃんのお人形、髪の色が変わらないのが普通って事だよね?」

 志緒ちゃんの言わんとすることをしっかりと理解した上で、舞花ちゃんは問い掛けてきた。

 対して志緒ちゃんは「そうだね。間違いなく『リンちゃん』の方がおかしいと思う」と言い切る。

「お、おかしいって」

 あまりにもな断言に、訂正を求めようとしたのだけど、先に舞花ちゃんに「そうだよね。髪の毛のピロが変わるなんてやっぱりおかしいよね!」と追い打ちされてしまった。


「髪の色が変わるのは『リンちゃん』だからという結論で間違いないと思う」

 断言する志緒ちゃんは、何故か私の銀色になった髪を触りながら呟いた。

「普通に、髪の毛だし、元の黒い髪も無かったよね」

 同じく私の髪に触れながら舞花ちゃんが言う。

 髪の毛に直接触れることで、銀色の髪が本物かどうか確かめるといっていたのだけど、手触りが気に入ったのか二人とも話してくれる気配が無かった。

 とりあえず、髪を触られ続けるのが落ち着かないので、思い切って声を上げてみる。

「それで……髪の毛が本物かどうか、確かめられた?」

 私がそう聞いてみると、舞花ちゃんはすぐにその手を離してくれたのだけど、志緒ちゃんは左手の掌の上に載せた状態で、右手でなで始めた。

「志緒ちゃん?]

 思わず名前を呼ぶと、志緒ちゃんは予想外にも真面目な顔で「とりあえず、ウィッグの類いじゃ無いみたい」と切り返してくる。

「そ、そう?」

 頷いては見たものの、聞き慣れない言葉があったので、とりあえず「ウィッグって?」と聞いてみた。

 志緒ちゃんは目を丸くしてから「えっと、頭に被って、ヘアスタイルを変えたりする……」と珍しく説明に苦労している。

 一方、舞花ちゃんが「カツラのことだよ」とサラッと言い切った。

 私はその一言で納得してしまったので、何も考えず「カツラのことかぁ」と呟いてしまう。

 直後、舞花ちゃんは嬉しそうな表情を浮かべ、一生懸命説明しようとしてくれていた志緒ちゃんは頬を膨らませてしまった。


 会話の難しさを痛感しながらも、ともかく会話を続けて状況を打開s無ければと思った私は無理にでも話を振ることにした。

「えっと、カツ……ウィッグじゃなくて、私の髪そのものだったんだよね?」

「そうだよ!」

 ニコニコの舞花ちゃんの頷きに対し、志緒ちゃんの反応は渋い。

「そうだね」

 軽く頷くだけで、言葉も続かなかった。

 完全に機嫌を損ねてしまった事に動揺しながらも、更に質問を続ける。

「志緒ちゃん、髪の毛の色が変わるのは何でだと思う?」

 声を掛けられたのが予想外だったのであろう志緒ちゃんは瞬きを繰り返した。

 その反応から、もう一押ししたら流れが変わるのでは無いかと思った私は、更に声を掛ける。

「私には全然思い付かなくて……でも、志緒ちゃんなら、何か思い付くんじゃ無いかと思うんだけど……」

 どの言葉が効果的だったのかはわからないけど、志緒ちゃんの口元に笑みが浮かんだ。

「そもそも……お人形やゲーム機、いろんなものをリンちゃんは出現させられるでしょう?」

 急に始まった話に、多少反応が遅れたものの、どうにか「う、うん」と頷く。

「アレって、リンちゃんの『神格姿(カミカクシ)』の能力に由来していると思うんだよ」

「うん」

 今度はタイミング良く頷くことに成功した。

 実際に、コレまでいろいろと具現化してきた能力は、分身から始まっている。

 その認識があるお陰で、間を開けること無く頷くことが出来た。

「で、リンちゃんって変身出来るでしょ?」

 志緒ちゃんの新たな問いに、頷くものの、今度は多少ぎこちなくなってしまう。

 反応の仕方一つで何かを察する勘の良い志緒ちゃんだけに、何か違和感を与えてしまったのでは無いかと考えたところで、タイミング良く舞花ちゃんから横やりが入った。

「そう言えば、狐さんになれるよね、リンちゃん」

 舞花ちゃんの発言に「そ、そうだねぇ」と苦笑気味に答えると、志緒ちゃんは意外にも私の頷き方の違いは気にならなかったのか、考えの続きを口にする。

「私は今マイちゃんが言った変身能力の影響じゃ無いかと思うの」

「変身能力の影響ですか?」

 思わず聞き返した私に、志緒ちゃんは頷きながら「わかってる範囲で聞きたいんだけど……」と返してきた。

「なんですか?」

 私がそう返すと、志緒ちゃんは「リンちゃんは変身するときに、変身するものを思い浮かべるんでしょ?」と問うてくる。

 志緒ちゃんの質問の意図がわからなかったものの、とりあえず変身の時に何を考えていたのか記憶を辿ってから「……そうですね」と頷いた。

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