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放課後カミカクシ  作者: 雨音静香
第拾章 遊戯創造
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拾之参拾玖 アル・アップデート

 認定証が完成したので、今度はゲームをプレイしつつ、衣装カードの量産体制に入った。

 志緒さんと結花さんがメインでプレイして、自分だけでなく舞花さんや那美さんのカードにもポイントを溜めている。

 そもそも『アイドル認定証』自体は、プレイヤーのデータが入っているとはいえ、生体認証などあるわけ無いので、他の人がプレイしてポイントを溜めることが出来るのだ。

 効率を重視して、志緒さんと結花さんがメインでプレイしている間に、私は舞花さん、那美さんと二人をモデルにした人形と彼女たちのイメージの影響を受けた私の分身を仕上げることにする。

 早速、声を掛けると、那美さんは興味津々といった様子で、舞花さんは後ろ髪を引かれた様子でやってきてくれた。


「舞花さんは、ゲーム見てたい?」

 私の問い掛けに、舞花さんは「ん~~、ちょっと気になるけど、リンちゃんが用事なら、リンちゃん優先だよ!」と返してくれた。

 ただ、そうはいっても、目は結花さんや志緒さんの方に向くので、無理をしているように思えてしまう。

 やっぱり辞めようかと思ったところで、那美さんが「私たちの人形と、リンちゃんの人形を完成させるんでしょぉ~」と私のやろうとしていたことを言葉にしてくれた。

「あ、そうなの!? 私専用のリンちゃん人形欲しい!! すぐ作ろう!」

「へっ!?」

 思わず変な声が出る程の食いつきに、驚きつつも、舞花さんに「じゃあ、早速始めましょう」とい返すことには成功する。

 舞花さんは大きく頷きつつ、目をキラキラと輝かせて「どうしたらいいの?」と尋ねてきた。

「基本的にはヴァイアの時……ステラを出した時と一緒で、変えたいなって思った時に、私に触れながらイメージをしてくれれば大丈夫です」

「うん、わかった」

「それじゃあ、舞花さんの人形のベースは……」

「待った!」

 このまま人形作成に入ろうと思っていたところで、舞花さんにストップを掛けられた私は「えっ!」と思わず驚きの声が飛び出る。

 対して舞花さんは「先に、リンちゃんの人形を直したい。そしたらゲームできるし!」と要望を口にした。

「で、でも、舞花さんの人形は?」

「リンちゃんに任せる、可愛くしてくれるって信じてるよ!」

 無邪気な顔で言い切られた私は、プレッシャーに表情が強張ってしまう。

 すると、舞花さんは得意げな顔で「うん、その表情なら、間違いなく、可愛くなるね、舞花の人形! お姉ちゃんの人形と同じくらい可愛いのは許すけど、私の方が可愛くないのは駄目だからね!」と更なるプレッシャーをかけてきた。

「がんばり……ます」

「うん!」

 思わず素直に交わしてしまった私に、大仰に頷く舞花さんのやりとりはさぞ面白かったのだろう。

 視界の端にお腹を抱えて笑い転げる那美さんが見えた。


「じゃあ、いきます」

 伸ばした私の腕に手を添えながら舞花さんは「うん、調整は任せて!」と胸を張った。

 私は「お願いします」と告げて、目の前の私の』人形をアップデートするのに必要なエネルギーを集め始める。

 ゲーム用に加えるのは『謎の光』の機能だけなので、実は舞花さんの協力が無くても出来るのだけど、自分の人形も制服じゃなく、別の衣装にしたいと要望された結果、調整をして貰うことになったのだ。

 謎の光システムは、既に四例目なので、どの程度のエネルギーが必要かはわかっている。

 エネルギーを集めること自体は苦も無く、それで疲労を感じることはないのだけど、これを流し込む時の制御がともかく難しかった。

 とはいえ、今回は仕上げに衣装を替えるだけなので、新たな壁というか、調整をしなければいけない自体には陥らないだろう。

 そう思って挑んだのだけど、『謎の光』機能に必要なエネルギーを送り込んだ直後、必要なエネルギーが急激に増えるというデジャヴを感じざるを得ない状況に襲われた。


「舞花さん……何をしたんですか?」

 どうにかエネルギーの暴走を乗り越え、エネルギーを送り込むことに成功した私は、早速舞花さんにそう尋ねた。

 すると、あからさまに視線を逸らした舞花さんは、頬を指で掻きながら「まあ、ちょっとね」と言いつつ、新たな衣装……どこか見覚えのある制服に衣装の変わった舞花さんヴァージョンの私の人形『アル』に視線を向ける。

 舞花さんの視線を追うように、私が『アル』を見たタイミングで那美さんが「アルちゃんがきてるのは、ミルキィ・ウィッチの学校の制服かしらぁ?」と口にした。

 那美さんの言葉で、私の中でミルキィ・ウィッチに関する情報が呼び起こされたことで、一つの閃きが浮かび、思わず「あっ」と声が飛び出る。

 私の言葉に、舞花さんは肩をふるわせて、こちらを見る。

 視線がバッチリをあったところで、自分の表情が引きつったことを自覚しながら、私は舞花さんに問い掛けた。

「もしかして……ですけど、アルの着ているのって、月元蓮花の着ている制服ですよね?」

「う、うん……そ、そうだよ?」

 普段の舞花さんとは違う歯切れの悪い返答に、私の予測が正しかったことを確信する。

 何しろもの凄く不可が増えた以上、制服を再現した程度ではないことは間違いないのだ。

「……セレニィに変身できるんです……か?」

「え、えへへへ」

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