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【教訓&後書き】三匹の子ブタ

 教訓。『過ぎたるは猶及ばざるが如し』、無謀な挑戦は勿論(もちろん)身を滅ぼすが、慎重すぎる取り組みが(こう)(そう)すとは限らない。成功はリスク・失敗の向こう側にあり、見極めが肝心である。



 初めまして、最高神の下僕と申します。

 この度は稚著をお読みいただきまして誠にありがとうございます。


 このお話は概要に記載しました通り、星新一先生の『未来いそっぷ』というショートショート集に強い影響を受けて執筆しております。

 今から十数年ほど前に始めて『未来いそっぷ』を読んだ際に大変感銘を受けまして、いつかこの様なショートショートを書きたいと思っていました。『未来いそっぷ』が刊行されたのは昭和末期、その後平成、令和へと時代が移り変わって参りましたので世相を反映させた令和版未来いそっぷがあっても良いのではないか。そんな想いから今回筆を()らせていただきました。


 元々お金に関する考え方の違いからそれぞれ異なった結末になるというお話にするつもりだったのですが、後半が予想以上に証券会社の回し者のような内容になってしまい私自身戸惑っております...。

 そして下部の補足説明はより業者の回し者感が溢れております…。

 読者の皆様におかれましては、どうかお目溢しいただければ幸いでございます。


 令和二年水無月



【補足説明】

 本文でお金に関する文章がありましたが、伝わりにくいと思ったので補足説明します。

 三兄弟とも毎月20万円の手取りだと仮定して話を進めて参ります。

 ※一応注釈。「4割」、「40%」はそれぞれ「×0.4」という意味です。


 《長男ブタ》

 コロナ前:[収入]お給料20万円−[出費]生活費10万円−[出費]ローン・リボ返済3万円−[出費]ギャンブル7万円=差し引き0円

 コロナ後: [収入]失業手当8万円−[出費]生活費10万円−[出費]ローン・リボ返済3万円=差し引きマイナス5万円


 長男ブタはコロナの後にギャンブルをやめました。出費は7万円減ったのですが、収入が12万円も減ってしまいました。

 貯金が0円なのでどうすることもできません。

 また、返済しなければいけない借金やローンを返せなくなると自己破産することになります。


 《次男ブタ》

 コロナ前: [収入]お給料20万円−[出費]生活費10万円=差し引き10万円

 コロナ後:[収入]失業手当8万円−[出費]生活費10万円=差し引きマイナス2万円


 次男ブタはコロナの前、余ったお金を毎月10万円ずつ貯金していました。500万円まで貯金したということは50ヶ月間(約4年ちょっと)積み立てていたと考えられます。

 コロナの後、失業手当8万円では毎月2万円足りませんが、貯金したお金を毎月2万円ずつ切り崩して生活できます。

 500万円を2万円ずつ切り崩していくので、このまま失業手当8万円を貰い続ける生活をしていると250ヶ月後(20年ちょっと)に貯金は0円になってしまいます。


 《三男ブタ》

 コロナ前: [収入]お給料20万円−[出費]生活費10万円=差し引き10万円

 コロナ後:[収入]失業手当8万円−[出費]生活費10万円=差し引きマイナス2万円


 三男ブタの説明を資産運用の知識が全くない人にするのは少し難しいです。

 三男ブタは収入と出費は次男ブタと同額に見えます。

 しかし、余ったお金の使い方が重要なポイントです。


 三男ブタは毎月余ったお金10万円を5万円は貯金、残りの5万円は株式や投資信託などの『資産』購入に充てました。

 ギャンブルは参加者みんなから集めたお金を賭けに買った人へ分配する仕組みです。ギャンブルとは違って『資産』は「資(お金)を産み出す」もののこと。例えば、1億円で建てたマンションのオーナーは毎月住民から家賃を貰えます。1億円は出費ではなく資産運用したといえます。

 三男ブタが購入した株式や投資信託も家賃のように半年毎や3ヶ月毎、そして毎月などにお金を貰う権利が付いています。


 三男ブタはコロナ前、貯金が200万円でした。もう半分のお金を資産運用に使っていなければ本当は400万円貯金できていたことになります。毎月10万円ずつ貯金して400万円ということは40ヶ月分(約3年ちょっと)です。

 しかし、三男ブタは400万円貯金するのではなく、半分のお金を株式や投資信託に交換しています。つまり200万円の現金が200万円分の株式や投資信託(これらのことを金融商品といいます)に交換されたという意味です。

 金融商品からマンションの家賃のように三男ブタは配当金・分配金を貰えます。40ヶ月間、現金と金融商品を交換していましたが、その間にも三男ブタは毎月配当金を貰い続けました。配当金の累計は50万円です。

 三男ブタは配当金として貰った50万円も金融商品に交換しました。


 なので、貯金200万円と250万円分の金融商品を持っていることになります。

 しかし、ニュースなどで「今日の日経平均株価は・・・。」と聞いたことがあるように金融商品の値段は毎日変わります。

 コロナ前の時、250万円分の金融商品は300万円の価値がありましたが、コロナ直後の時、250万円分の金融商品の価値は100万円になってしまいました。

 コロナ直後の時に三男ブタは新たに50万円を金融商品に交換しています。そしてコロナの混乱が収まった時に日経平均株価はコロナの前と同じ値段に戻りました。

 100万円の価値になっていた250万円分の金融商品は300万円に戻りました。

 新しく交換した50万円分の金融商品は150万円になりました。


 金融商品は現金に再交換することができます。三男ブタがコロナ後に持っている財産は貯金の150万円と金融商品450万円で合計600万円となりました。

 また金融商品はコロナ後も分配金が発生しますので、三男ブタは失業手当8万円意外にもお金を貰えるということです。

 次男ブタが貯金を切り崩していたのに、三男ブタが貯金を切り崩さなくて済んだ理由は配当金が貰えたからです。


 お金持ちはお金に働いてもらう方法を考えて、どんな状況でも財産が減らないように工夫しているそうです。

 三男ブタは投資元本が少ないので、どんな状況でも財産が減らないという状態まではいっていませんが、作中のコロナショックでは資産は減らないどころか増えました。

 実社会では、AmazonやNECなどECサイトの運営会社や5G、リモートワークなどのIT通信関連企業などの業績がいいのでそれらの株式を持っている人は財産増やしているかも知れません。Amazonの筆頭株主は創業者なので、今年も長者番付で上位にランクインすることでしょう。



 最後にお断りします。三兄弟のお給料について勤続手当や残業手当、税金など多少の差が実社会ではあると思いますが、話の本筋ではない点、説明が余計にややこしくなる点の2点を理由に今作では無視しました。また、失業して収入が減ったんだったら生活費を減らせば良いではないかという意見も同様に本筋ではないので除外しています。

 フィクションなので実社会と異なる点が多々ありますのでご注意下さい。

 また、図解できればわかりやすいと思うのですが、文章なのでなかなか伝えにくい部分がありました。

 もし、資産運用にご興味を持った方はご自身で調べていただくか、証券会社・銀行等でもご相談いただけます。

 今回の話ではインカムゲインとキャピタルゲインなどの話も省いていますし、色々調べていただくともしかしたら資産運用に魅力を感じられるかも知れません。


続く?

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