表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/37

19.胡桃沢結華「魅了獣 ゼラチンマン」②

「はーっはっはっはっ! 貴様らはこのゼラチンマンに一撃も与えることなく終わる!」


 漆黒の淑女ブラックプリンセスのヤツ、チョー高笑いするじゃん!


 しっかし……


「うっひょーぃ♪ 今回の妖魔獣、チョー色白イケメンじゃね?」


 手足がバタバタしてしまうぅー!


「お前、目がハートになってるで」

「そりゃ、イケメンだからねー、ハートにもスペードにもなるって♪」


 ってか緑の拳士グリーンよ、マスクの下のアタシの目の状況、よくわかったねー。


「なるほど、そういうことか」

「ん? なになに?」


 青の槍士ブルーが、何かを発見した感じのコトを言ったから、もちろん興味津々々しんしんしん


 言い回しが『嘘つき妖怪ソプラノハゲだるま』みたいになってしまったよ!

 アタシ反省!


「敵がイケメンだから、桃の術士おまえは手を出せないってことだろう」

「え?」


 イケメン妖魔獣ゼラチンマンが爽やかな笑顔で、ゆっくりアタシに近づいてくる~♪

 やだよ~♪ 嬉しすぎるし♪


「ボクの魅力に参ってしまったようダネ」


 で、アタシに顎クイをしようとしてきたから、


 ボガッ!!


「ゼギャラッ!!!」(悲鳴)


 魅惑の杖シャルモント・ロッドで思い切り、顔を殴ってあげちゃった。


「「「え??」」」


 まあ、アタシの力じゃ、そんなに効いてないだろうけどね。

 おー! おー! 漆黒の淑女ブラックプリンセスも、目をぱちぱちくりくりさせてるぅー!


「お、お前、相手イケメンやのに、殴ってええんか??」


 緑の拳士グリーンが、不思議そうにアタシに訊ねてきたけど。


「は? 相手は妖魔獣だよ? 魔獣だよ? イケメンであろうが、金持ちであろうが……、魔獣とはセッ○スできないじゃん!!」


「「「ええぇーっ!」」」


「そ、そんな理由か! お前その理屈やったら、犬も猫も鳥も、極論、幼児も高齢者も虐待してええことになってまうぞ!」

緑の拳士アンタサイテー! 犬猫や妖魔獣を性の対象として見るなんて、ド変態!」

「見てるか! 見てへんから言うてんねや!」


「よ、よくも、ボクの美しい顔を殴ったネェ!」


 あれ? ゼラチンマン?

 怒っちゃった??


「お! 親父にも? 親父にも?」

「言わねえヨ!」


「ウケる!」


 赤の剣士レッドのフリ、スルーされてる! マジ、チョー、ウケるんですけど!


「だったら、こうダ!」


 ……ん?

 ゼラチンマンがドロドロ溶けて……

 

「アレ? アタシ、倒しちゃった?」

「いや、『だったらこうだ!』って言うた後に、死ぬヤツおらへんやろ」


 緑の拳士グリーン正解!!

 おお! 今度は、すっごい色白美女の姿になったー!!


 まあ、イケメンであろうと、美女であろうと、妖魔獣だからやっつけちゃうけどねー!

 って、魅惑の杖シャルモント・ロッドで殴り掛かったけど、今度は警戒されてたみたい。

 

 スカッ!!


 あっさりかわされちゃった。


 コイツ、意外と素早いんだね。


「「「か、かわいい……」」」


 でもって、男性レンジャー陣は、さっきのアタシみたいに、目がハートになってるし!


「おいおい、この程度の美女、いつもアタシで見慣れてるはずじゃんよー!」


「はーっはっはっはっ! 貴様らはこのゼラチンマンに一撃しか与えられずに終わる!」

「さっきとセリフ変わってるし!」


 しかも、ちょっと、顔引きつってるし! (口元しか見えないけどね)


 ゼラチンマン(色白美人)が、赤の剣士レッドにフルーレで連続攻撃を仕掛けてきたあ!

 風を切る音が、ヒュン! ヒュン! ヒュヒュン! 

 けど、赤の剣士レッドは避けて、避けて、避けて……、反撃しないし!!


「何やってんのーっ! 赤の剣士レッド! やり返しなさいっ!!」


「いやいや、こんな美人を殴れねえよ!」

「美人かどうかはともかく、女性に攻撃をするのは……」

「美女とカレーには弱いんだよなー」


 はあ……、こうなったら、アタシがガンバるしかないかー!


 ゴスンッ!!


 え? まだ、アタシなんにもしてないし!

 ゼラチンマン(色白美人)の顔はぐにゃりと歪んで、その場に倒れちゃった。


 攻撃したのは……、緑の拳士グリーンじゃん!


 ゼラチンマン(色白美人)をはじめ、漆黒の淑女ブラックプリンセスも、男レンジャー3人もポカンと口をひらいてる。


「……貴様ぁ! か弱い女性に手を出すなど、分別ある人間として許されると思っているのか!」


 漆黒の淑女ブラックプリンセスの言葉に、男レンジャー3人も「そうだ! そうだ!」って、声を上げてる。

 みんな、立ち位置わかってる?


「じゃかましわ! 男はなあ! 一番大切な女を守れたらそれでええんじゃ! それ以外の女は知ったこっちゃあらへん!」


 ちょ、ちょっと、キュンとしちゃったじゃん!!

 気持ち悪い! 今のキュン、返せ!


「なんで、アンタたちまでキュンキュンしてんのっ!!」


 男レンジャー3人も、胸の前で手を組んで、目がハートだわ。


「貴様のような男、弱小正義の味方の風上にも置けぬわ!」


 表参道交番の屋上に立って言い放つ漆黒の淑女ブラックプリンセスに向けて、緑の拳士グリーンがその場で繰り出したのは……


 真空拳!


 緑の拳士グリーンはどうやら、自分では弱いって思ってるみたい。

 だけど、ホントは強いんだよなー。

 もちろん、そんなコト本人には絶対言わないけどね。


 遠距離攻撃もできる真空拳が漆黒の淑女ブラックプリンセスの左頬に当たって、、、血が出ちゃった。

 ちょっと、可哀想……


「お前、さっきから高いトコでごちゃごちゃ言うとらんと、文句あるんやったら、下りてきて戦えや。言うとくけど、さっきみたいにはいかへんぞ」



 あ! アタシ、気付いちゃった! アタシ天才!

 コイツって、ゼラチンみたいに変形できるから、ゼラチンマンなんだね!


 てっきり、後半4文字は下ネタなんだと思ってたよ!

 ったく、紛らわしいったらありゃしない!


 ま、とにかく、コイツをアタシたち6人で倒して……ん?

 6人いる?


 ボウエイジャーって6人組だっけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ