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月の声が聴きたくて ~恋心下暗し~  作者: 沢鴨弓摩
第二章

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第二十三話 狙われる二人、狙う二人

 本部への報告。

 帰宅後に行う作業の一つだ。

 着替えも後回しにしてソファーに座る。

 即座に携帯を手に取りコール。

 報告の中で、早貴について話し始めた。


「……ですので、チェックリストに入れて今後の調査対象に――」


『その人物についてだが、亮太君のターゲットだ』


「そうだったんですか。……開発について知らないとのことでしたが、何かしら握っている可能性はあると?」


『いや、君の報告で開発について知らない事は裏付けされたと考えて良いだろう。亮太君にお願いした狙いは違う』


「違う?」


『ああ。瀬田とそれなりに深い関係であることは分かっている。二人を引き離してもらうだけだ』


「付き合ってはいないとのことでしたが……」


『身近な人を剥がして動揺を誘う。情報源を絶つ。日常に関係している人が離れるのは精神面で効果が高い』


「趣味が悪いですね」


 一瞬強く携帯を握る。


「では、私はその子について調査は必要ないですか?」


『いや、亮太君への情報として役に立つことがあると思われる。何か分かれば連絡してあげてくれ。主にマークしているのは(しげる)君だが、瀬田側に入り込んでいる君にしか分からないことがあるはずだからな』


「彼も絡んでいるんですか」


『亮太君に関することには彼が欠かせないだろう。必然だよ』


 茂君というのは貝塚のこと。

 貝塚茂。

 ツートップの一人である貝塚の息子だ。


「そうでした。何も不思議なことはありませんね。先に知っていたらそちらもすぐに聞き出したのに」


『今回の様に偶然な情報の入手が難しくなる。意図して引き出すよりは情報の方から自然に流れ込んでくる方が中身が濃い』


「いずれ私がこの情報を手に入れると踏んでの事だったと?」


『そういうことだ。こちらの意図など考えなくていい。指示された案件だけを考えろ』


「了解しました」


 本部との通話が終わる。

 携帯をテーブルに置くとソファーの背もたれに体を預けた。


「付き合ってはいないけど気にはなっているのかしら。早貴、だっけ。その子に関わるモノは丁寧に扱われていたものね」


 普段の動きや考えを知るには基礎生活を知るのが有効だ。

 仕事に関することでなければ、隠していない事が多い。

 特に多駆郎は興味のあること以外は無頓着な性格だ。

 浜砂が家事をすることで多駆郎の人物像は容易に形成された。


「亮太君が楽になることだし、私も同じように動いてみるか。そうすれば禁則事項も引き出せるかもしれないわね」


 今後の動きについて少々悩んでいたところだ。

 攻め方を決められたことで落ち着いた表情になる。


「さてと。結構汚れたし、リセットしますか」


 気を抜いたプライベートな動きに変わる。

 家の中ではヨロヨロ、ふらふらと歩く。

 雑に服を脱いで浴室へと入っていった。


 一方の多駆郎は……。


「早貴ちゃんに連絡しないと。何の情報も伝えないんじゃマズいな。……何も解決していないけど」


 久しぶりに早貴について話をしたことで、忘れがちになっていた感覚が目を覚ましたようだ。


「早貴ちゃんも忙しいのかな。あっちからも連絡無いし。その辺も聞いてみるか」


 静かになった家に、一人階段を上る足音が響いていた。

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