表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

8

短いです。

 カイルは公爵家の庭でマリアを探していた。ふと気づく、あれ、俺、顔知らない。ドレスの色も聞いてなかった。「はぁ」さっきまでの勢いもなくなってくる。とりあえず一人で歩いてるか花を眺めてる女がマリアだ、と探し始めた。庭の奥の一角には綺麗な薔薇が咲いていた。こんなのを女は好きなはずだと思ったがいない。薔薇ゾーンをすぎると手入れはされているがあまり人気のない場所に出た。さすがにこんなところにいるわけないかと踵をかえそうとした時。


 (ブツブツ)


 何?何か聞こえる。誰かいるのか?カイルはそっと音のするほうへ足を進める。(この奥か、え?こんなところに人???え?いつかのデジャヴ、、、)ドレスを着ていることから女性で間違いないだろう。具合が悪くて蹲っているようにも見える。ただ場所が場所だけに怪しい。少しずつ近づいてみると、何か言っているようだ。話しかけようか迷ったが万が一この女性がマリアだとしたら危険だ。とりあえず植木を挟んで様子を見る。


 「なんで別れ話になっちゃうかなぁ、私ハッピーエンドが好きなのに。男性の浮気?」


 (おい、こいつは何を言っているんだ。別れ話?浮気?)

蹲る女性の更に奥に目をやると男女のカップルが別れ話の真っ最中だった。

(これってただの覗きじゃないか!)

 



 「カイル、マリア嬢いた?向こうにはいなかったからあとはこの辺かな」

 いきなり話しかけられたカイルは焦ったようにあわてて人差し指を立てて口許に当てるとノエルは興味深そうにカイルに近づいていく。「一体何?」小声で問うとカイルは「見ろよ」と植木を指差す。


 


 そこにはマリアがいた。


 「あれがマリア嬢だよ。一体何して」


 「やっぱり現実は本のようには上手くいかないものね。お似合いの二人なのに。それともあの彼女だけどノエル様を好きになってしまって別れ話とか?その逆でノエル様のほうがメイドに手を出した!これこそ禁断の恋!あるわね。」


 「ない!」いわれのない疑いをかけられ思わず姿を現してしまったノエル。


 さすがにノエルの大声にマリアも振り向き立ち上がる。その顔は真っ青。ドレスの裾に付いた汚れを落とすこともせずただノエルを見る(今の絶対に聞かれた。神様、ミラ様助けて。)すると、すぐに救世主が現れた。


 「初めまして。私はカイルと申します。今日はノエルの友人として伺いました。ミラ嬢には先ほどご挨拶したのですよ。あなたのお名前を伺っても?」

 (カイル?綺麗な顔。この顔どこかで、、、着てる服も華美だし、、、いいや、この際誰でも。この人と話してさっきのうやむやにならないかしら)


 「初めまして、ローリエ男爵家の長女マリアと申します。」

 

 「マリア嬢とお呼びしても?」


 「ええ、どうぞ。」


 「では、マリア嬢。先ほどからこちらで何を?」全然救世主じゃなかった。


 


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ