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 マリアがノエルの家に連れてこられた経緯。

 

 時は二度目のお茶会に遡る


 「それで?」カイルは医務室の椅子にミラを座らせ上から冷たい目で見下ろし、苛立ちを隠すことなく言う。


 「あの、、それでとは、、」


 「あれは君がやったのかって事。」


 「あれとは、、、?」


 「・・・オレの・・蹴っただろ(ボソッ)」


 「?」

 

 「カイル、それはお前の名誉の為に言わないほうがいい。ごめんね。驚かせたね。カイルは人を探しているんだ。前回のお茶会の時に会ったそうなんだけど、そう、君と同じ様な色のドレスを着て、同じ髪の色の子をね。ねぇ、知らない?」


 「しっ、知りません」(絶対に言えない。バレたらマリアも私も終わりだわ。)


 「そっか、知らないよね。だって君お茶会に出席してなかったもんね。」


 そうだ!そういう事にしよう。と、とっさにうそを並べる。

 「そっ、そうです。で、出てないので分かりません。お役に立てず申し訳ありません。そろそろ体調も良くなってきましたので」と席を立とうとする。


 「そう?なんかさっきより顔色悪いけど。無理はいけないよ。ここには優秀な医者が揃っているからすぐに対応してくれるから。それより、お茶会出てないって本当?おかしいな、招待状が受付に出てたはずだけど。ねぇ、カイル?」


 「そうだな。出席してないのに招待状が受付にあるってどういう事?君が出てないのなら誰か他のやつに渡して良からぬ事をしようとしたと考えられるな。ミラ嬢、これはマズイんじゃないか。第一王子として見過ごせないな。」


 今度は本当にヤバイかもしれないが、頭をひねらせ出した答えは

 「あ、あの、すみません。本当は一度来たのですが途中で体調が悪くなり退出させてもらったのです。」


 「なるほど。それであそこに蹲っていたわけだ。ただ私には成人男子に一撃を食らわすほど元気に見えたが。」(言っちゃってるし(ノエル))

 

 ビクッ!!(もう無理!マリアが蹴りあげたのが殿下だったなんて)


 「やっぱりお前か!」


 「違います!本当なんです!私じゃありません。信じてください。」


 「じゃ誰なの?怒らないから言って。」ノエルがミラへ促す。


 「・・・」


 何も答えないミラにカイルはますます苛立ち『王家に対する反逆の意あり』と子爵家取り潰しを匂わせた。ミラは真っ青を通り越し頭も顔も真っ白。

 ノエルは続けて言う。


 「大丈夫。今から言うこと聞いてくれたらそんな事にはならないから。ミラ嬢はカイルの探している人を知っているね?探しているからと言ってすぐに王宮に呼びつけることもしないし、カイルに会わせる事もない。まずは私が彼女の人となりを見たい。先入観を持ちたくはないから彼女について何も言わなくていいよ。ただし、別人を用意するとかは無しね。そんな事すればカイルの言った通りになっちゃうからね。あと逃げられても困るから何も言わず我が公爵家に連れてきてほしい。これはお願いじゃない。分かってるね?」最後にカイルに向かって「これでいい?」「わかった」と確認し合う。


 もうダメだ。ミラはマリアを捧げる事にした。ごめんなさい、罰を受ける時は私も一緒だから、、、。


 ミラは公爵家ノエルから手紙が届くまでマリアと連絡を取るのを控えた。(茶会へ行かせてしまった自分が悪くマリアに対する罪悪感と、なぜ殿下を!という何ともやるせない気持ちで)指定された日にマリアに場所も告げずにほぼ無理やり拐うようにして公爵家へと連れ去った。


 

 今回、ノエルがマリアについて分かった事は、男爵令嬢で名前がマリア、きちんと教育されているのか言葉使いは悪くないし、頭も悪くなさそうだ。ノエルにとっては見た目も可愛らしく見える。あとはノエルとミラを放置?し、庭に出れば何をしているのか分からないが軽く二時間は戻ってこない。こんなところだった。ミラにはマリアの事は「先入観なんたら~」と言った手前何も聞いてない。

 (カイルに会わせて茂みで何をしていたのか聞きたい、あなたが蹴りあげたのはこの国の第一王子ですよー!って言いたい!)ノエルは面白がっていた。


 

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