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思いつきで書いているのでかなり読みづらい仕上がりになってます。場面がガンガン飛びます。ご了承下さい。

     ~お茶会から三日後のカイルの自室~


 「めでたしめでたし?んな訳ないだろ!なんで俺がこんな目に会わなきゃならねぇんだよ。」ノエルに愚痴るカイル。

 「んで?どうしてこんな状況になったんだ?」ノエルはこの国の公爵家嫡男であり幼なじみ。年齢、学院のクラス、成績もほぼ一緒。良きライバルであり親友だ。

 「そんなのこっちが聞きてぇって。はぁ。」

 「災難だったな。でも見合いが無くなって良かったじゃないか。しばらくは無いんだろ?」

 「あぁ。しかしあいつ誰だったんだ?探すのは簡単だと思ったんだが、顔も何も見てないからな。ぜってぇ見つけ出してひどい目にあわせてやる!」

 「ぷっ。」吹き出すノエル。

 「なんだよ。」

 「いや、カイルが女に執着すんの初めてみたなと思って。」

 「はっ?これは執着じゃなく復讐だからな。あんな茂みで何やってたんだか。探すのお前も手伝えよ。」

 「なんで俺が「これは命令だ!」はいはい、了解。ぷっ。」

 

 

      ~男爵家マリアの自室~

 「この間はありがとう。とても助かったわ。これ、お礼よ。差し上げるわ。」


 「はぁ、素敵。なんて素敵なの。はぁ、んーこれよこれ!わたしが求めていたものは!ありがとうミラ。持つべきものは親友ね!」

 新刊の冊子を手に興奮気味のこの女性、男爵家令嬢、名はマリアという。冊子の題名は『令嬢と従者の隠れた恋』である。ミラの持ってきた「禁断の恋の主役はあなただ!!」というよく分からない本がきっかけで禁断の恋に目覚めた一風変わった令嬢である。禁断の恋に目覚めたといっても、自分が当事者ではなく、物語にはまっただけである。一方、ミラと呼ばれた女性のほうは子爵家令嬢でマリアとは幼なじみ。実は今回のお茶会、本来はミラが行くはずだった。しかし、ミラには婚約はしてないが婚約者候補で相思相愛なジェーソンがいた。ジェーソンはミラがお茶会に参加して万が一王子に選ばれでもしたらと王宮へ行くことに反対した。しかし、王宮からの招待は強制。泣く泣く送り出すしかないと諦めていた。ミラも乗り気ではなかったが両親に行きたくないなどと拒否は出来ない。そこでミラはマリアを生け贄にするためにささやいた。


 「王宮に行けば禁断の恋が沢山あるわ。実際に見放題よ。」

 「なんですって!行くわ!ぜひ行かせて頂戴!」

 と、こんな感じで本来招待状も持たないマリアはミラの代わりに王宮へと向かうこととなったのだった。もちろん互いの両親には内緒で。

 マリアはお茶会前日にミラの家へ泊まり、当日の朝、王宮へ行くついでに男爵家へ送り届けてもらうという事になっていた。これも計画のうち。ミラの侍女マリーは『ミラ様の為ならなんでもやります』な侍女なのでミラが本来着るはずのドレスを事前にマリア用に手直しし(主に胸の辺りが窮屈だったため)、当日はミラとマリアが乗る子爵家の馬車に同乗し、馬車の中でミラからマリアへドレスを着付け直した。二人は髪の色も違う為ミラの色に合わせたカツラもつける。ミラはダークブロンド、マリアはプラチナブロンドなのだ。そうしているうちに王宮へとたどり着いた。もちろん男爵家には寄らずに。招待状のおかげかすんなり王宮内へ通してもらえた。


 そして薔薇園に向かう途中で見つけてしまった。

 「きゃっ!騎士様とメイドがこんな場所で二人きりで、、、素敵。本物!きっと騎士様はゴニョゴニョ、、」とお茶会のことはすっかり忘れ自分の世界に入り込んだ。そして、そこに邪魔が入るというわけだ。マリアにしてみれば目的は『禁断の恋探し』であり、決して王子などではない。お茶会のこともすっかり忘れるほどなのだから。

 ミラには『禁断の恋探し』のほかに、王宮にはしつこく言い寄ってくる男もいるから気を付けるように言われていた。体に触れてきたら遠慮なく急所を狙いなさいとも。だからマリアはカイルにそうした。しつこく声を掛けてき、肩に触れた。一番の理由は『禁断の恋探し』を邪魔された事だったが。ミラもまさかマリアが心配して声を掛けてくれた王子を蹴り上げるとは思うまい。


 「で、どうだったの?禁断の恋見つかったかしら?」

 「ええ!沢山あったわ。とっても有意義な時間を過ごせたわ。ありがとう、ミラ。」

 「こちらこそ助かったわ。で、どうだったのよ?」

 「この物語に出てくる騎士様そっくりの方がいらして、そこの庭園で、、、素敵なのよ!」「まぁ!それでそれで!」「だから、、、で、、」「きゃー!素敵!」彼女達の話は尽きない。


 盛り上がってきたところでマリアが急に不機嫌になった。

 「マリアどうかした?」

 「一度邪魔されたのよ。本当に失礼しちゃうわ。」一部始終を話すマリアに青くなるミラ。

 「ミラ?顔色が悪いわ。大丈夫?」

 「ええ、大丈夫よ。で、その男性はどなたなの?」

 「知らないわ。だって顔も見てないんですもの。何度も話し掛けてきて肩にまで触れたきたのよ。本当に失礼な奴。本当に王宮には不埒な人がいるのね。助かったわ、ミラ。」

 「え、ええ、いいのよ、、(ちょっと!これって大丈夫じゃないわよね?王宮にいる男性って貴族ばかりだし、探し出されて、、、でも顔を見てないって事は逆に見られてないって事よね。王宮に行く事なんてこれから何度もあるわけじゃないし、うんうん!きっと大丈夫よ!)」ミラは何もなかった事にした。



       ~カイルの自室~


 「えっ?お見合いだって??絶対嫌だね。なんでそんな事になるんだよ。」ノエルの提案に不機嫌な声で返すカイル。

 「話は最後まで聞けって。カイルは例の彼女を探したいんだろ?だったら簡単じゃないか。」

 「どう簡単なんだよ。顔も見てないんだけど。」

 「でも、ドレスと髪色は見た。」

 「だから?」

 「今度開く茶会に前回と同じドレスできてもらうのさ。それなら見つけやすいだろ?」

 「なるほど。でも茶会開くにしても王妃に決定権があるからな。それに王妃に茶会開きたいなんて言ってみろ、すぐ婚約者決定なんて事になるぞ。」

 「それは大丈夫だろ?ものは言い様だから。とりあえず茶会開いて令嬢達と交流持ってから何人か候補を決めるって言っとけよ。時間は稼げるだろ?例の彼女探しなんて言ったらそれこそ婚約者にされるぞ。」

 「納得はしてないが仕方ない、あの女を捕まえるためだ。王妃には近々その様に伝えておくよ。」



      ~王妃の自室~


 「フリック様。やっとカイルが結婚に前向きになってくれましたわ!この時をずっと待っていたのです。」フリックと呼ばれた男はこの国の王。名をフレドリック・カイザー。もちろんカイルの父親である。

 「そうか。もうそんな事を考える歳になったのだな。」

 「早速お茶会を開きたいと思うのですが、フリック様も参加なさいませんこと?」

 「キャシーがそんな事を言うとは珍しい。」

 「私、今回本気なのですわ。絶対にカイルに相応しい女性を見つけてあげたいのです。折角カイルがやる気を見せてくれたのですから、母親としてやれるだけの事はやってあげたいのです。」

 「そうか。では執務の間に顔を出してみよう。」

 「ありがとうございます。フリック様。楽しみですわ。」


 お茶会まであと20日。




      ~子爵家ミラの自室~


 (なんて事!またお茶会ですって??冗談じゃないわ!今回は両親も一緒に参加って、逃げられないじゃないのよ!)

 

 「分かりましたわ。お父様。ドレスは以前のものを着用とのことですね?ええ、ではその様に。早速準備に取り掛かりますわ。」と言い自室へと戻った。

 ミラは父親の執務室に呼び出されお茶会の日時や当日身につけるドレスの注意点などを伝えられたのだ。


 「マリー、申し訳ないんだけどオレンジのドレスのお直しお願い出来るかしら?」

 ミラは侍女へと声をかけた。

 「ミラ様、すぐにでも取りかかりますが、今度はどなたに合わせればよいのでしょうか?」

 「私よ。胸のあたりがあれだから、、、」

 「かしこまりました。」

 優秀な侍女マリーは、それ以上聞かずその日のうちにドレスのお直しを終えてくれた。

 ミラはお茶会に行きたくないという思いが強く、ジェーソンの事を想い、すっかり忘れていた。以前のお茶会で身代わりになったマリアが着ていたドレスの事も。マリアがした事も。



       

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