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 王の執務室にいるのはフリック、ルイス、カイル、ノエルの四名。王の手には例の報告書が握られている。



 「つまり最初の茶会にミラはマリアを代役に立て王宮へと送り込んだ。そこでお前はマリアと出会った。次の茶会を開催したいと言ったのはマリアを探すためで間違いないな。でも探していた理由は気に入ったからでないという。ただその日お前は茶会へ参加せず医務室で治療を受けていた。茶会へ参加せずマリアと知り合えるはずはない。じゃぁ、どこで会ったのだ。嘘、偽りなく正しく言ってみなさい。」


 「・・・」


 「・・・」


 「それは、」


 「それは?」


 もうどうにでもなれ!


 「そうですよ!私はマリア嬢を探していました。マリア嬢に会ったのは茶会前に庭を歩いているときでした。もう一度会いたいと思ったのは、、、私が医務室で治療を受ける事になった原因だからですよ!そうですそうです!マリア嬢、、、女にあんなところを蹴り上げられたなんで誰が恥ずかしくて言えるでしょうか!顔も見てないのでノエルと探して復讐、いや謝らせようとしました!これがすべてですよ!」


 「おま、お前蹴られたのか、、その、、、今は大丈夫なのか。」

 痛みが分かるのだろうフリックは多少青ざめた顔で聞く。


 「えぇえぇ、大丈夫ですよ。マリア嬢の事は終わった事ですし、まぁもう許しましたから。大事にはしないで下さい。以上です。」


 「そ、そうか、、ノエル、間違いないか。」


 「はい、殿下の言った事に間違いはございません。」

 

 静まり返る執務室。


 そんな空気に耐えられなくなったフリックはおそるおそる


 「じゃぁ、ミラ、マリア両名を婚約者にするつも」


 「するわけないでしょ!!いい加減にしてください!!」


 カイルは失礼!といって退室の許可も取らず執務室を出ていってしまった。



 そんなカイルだったが心中は

 (言ってしまった、あぁ恥ずかしい、、、あぁ最悪だ、、父上の前でこれからどんな顔すればいいのか、まさか母上にまで言ったり!威厳もなにもあったもんじゃない!それよりあの二人は大丈夫か?許したと言ったし大事にしないでとも言ったからな。何かあればなんとかしてやらないとな。)自分の事以上に二人を気にするカイルだった。



 執務室に残された三人はそれぞれ自分の持ち場へと戻っていった。


 フリックだけはキャシーへどのように伝えるべきか頭を悩ませていた。





~~~~~~~

 トントン


 「はぁい」


 「キャシー、失礼するよ。」


 「まぁフリック様が来るなんて珍しいわね。どうなさったの?」

 そんな事よりこれを見ろと大量のドレス生地を並べ始めた。


 「二人とも可愛らしいからカイルは選べないのよ。優柔不断は女性に嫌われるわ。フリック様からも何か言ってくださらない?それよりこの色どうです?ミラには淡い感じでマリアにはこちらの落ち着いた色味が合うと思いますの!」


 目の前にグイグイ押し付けられるドレス生地。そんなに近付けたら見えない。見たところでそんなに違いが分かるわけもない。いや、そんな事どうでもいい。言わなければ。口を開くと同時に


 「今度は三人でお茶しましょうってお手紙しましたのよ。とっても楽しみだわ。」


 オーマイガー!!



 「キャシー、頼む!私の話をちゃん最後まで聞いてくれ。」


 どうしましたの?と首をかしげるキャシー


 「カイルは今は婚約者を選ぶつもりはない。今は、と言ったがミラとマリアを選ぶ事は絶対にない。これはカイルがはっきり言った事だ。キャシー分かったね。二人に断りの連絡を入れなさい。」


 「なぜですの?二人は絶対にないとは?私の勘は当たるのよ。カイルは二人から婚約者を選ぶわ。フリック様、私を信じて。ねっ。」


 じゃ、そういう事で!とさっさと出ていけとばかりに部屋を追い出されたフリックは裏から手を回すしかない!とルイスの元へと急いだ。



 「二人は16だ。婚約者がいてもおかしくはない。」


 「そうですね。まずは両家に連絡を」


 「任せたぞ」



 


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