12
「マリアいい加減にしなさーーーい‼」ミラは続けて
「あなた反省してるのよね?全然そうは思えないんだけれど。ふざけてない?今日ほど感情を抑えられない日はないわ。いくら殿下がお許してくださっても私が許さないわ。禁断の恋禁止‼本も回収します‼」
「そんなぁ、ミラお願い、お願いします。そこをなんとか、私の生きがいなのよ。ねっ、ねぇってば。まだ読んでないものもあるのよ。そんな事言わないで。」
「ダメです。あなたのお父様にも言いますから。」
「それだけはやめて。お父様怒ると怖いの知ってるじゃないの。ミラが理由もなく大量の本を持ち出すなんてあり得ない事だから、何があったか聞かれるわ。そしたら殿下の事も話さないといけなくなるし。」
「もちろん話すわ。殿下がいくらお許しになっても、私、やっぱり自分が許せないの。もちろんあなたの事もね。全く反省してないじゃないの!」
急に大声で怒りだしたミラに唖然としたカイルとノエル。二人の令嬢のやりとりを眺めていたカイルが我にかえって聞く。
「禁断の恋?本ってなんだ?」
よくぞ聞いてくれました、と言わんばかりにクルリと振り返りえる。こうなればどれだけ本が大切なのかカイルに分からせて味方になってもらおうと口を開く。
「それは私の趣味ですわ。沢山の恋愛のなかでも禁断って響き素敵ではありませんか。私から禁断の恋を取ったら何も残りませんわ。自慢ではありませんが毎日毎日物語に浸っておりますの。時には義母に虐げられるけれど最後は王子様が助けに来てくれる平民の娘に、そして時には愛しあっているのにいがみ合う国のせいで王子に会えない隣国の姫に、、妄想を膨らませ自分が主人公となるのです。殿下には、そうですね、王族物でしたら王子と平民の身分差、姫と庭師なんてものもおすすめですわ。騎士様とメイドの悲恋、王様がメイドに手を付けてしまい、あとはドロドロですわ。他には私はあまり好みませんが自国の王子と隣国の王子って物もありますのよ(ポッ)よかったらお貸ししますわ。一冊でしたら差し上げますから。それに本のおかげて広い視野や観察力を持つことができたと思うんですの。王宮のお庭でもこちらのお庭でも素晴らしいものを見せていただけましたし。実在する方達ですからなりきることはできませんでしたけど。本も素晴らしいですが実際に見るのも私にはいい勉強になりましたわ。私の体は本で出来ていると言っても過言ではございません。ですから私から本を取り上げないようミラに進言して頂けませんか!」
「・・・」
「?」
「・・・」
「分かって頂けました?」
「分かった。」
「そうですか、良かったですわ。でしたらミラに」
「勉強のために覗きか?」
「私のは覗きなんて下品なものではありませんわ。物語、、んー、演劇観賞のような。」
「ノエル、ミラ嬢、、、俺は帰る。」
「え、帰ってしまうのですか?ミラに、」
「歳はいくつだ?」
「?16になりましたわ。」
「もう会うこともないだろうから忠告してやる。16にもなってそんな事ばかりやっているやつはバカだ。いい加減現実を見ろ。じゃぁな。ノエル、馬車を。」
カイルの両手は固く握られてプルプル震えていた。これはただ事じゃないとノエルは思った。
「分かった。後の事は任せて。」
カイルは本当に帰って行った。
「紅茶が無駄になっちゃったね。」のノエルの発言で三人は無言で冷めた紅茶をすすりカップのお茶がなくなったところで庭でのお茶会はお開きとなった。
「なにあれ。ありえないだろ、、どんだけだよ、プッ、アハハハ、、我慢できない、、ハハッ、アー涙出てきた。本当のバカだよ、アハハハ、、」
馬車の中ではカイルが大笑いしていた。




