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 王宮では王妃の暴走で仕立屋が呼ばれ、沢山のドレス生地が持ち込まれ始めた頃、カイルは紅茶まみれの顔を拭いてた。動揺しすぎて忘れていたのだろう、令嬢二人のドレスの汚れを払ったハンカチで。


 「すまない。驚いてしまって。これ使ってくれ。」ハンカチを差しだすノエル。そしてカイルがそれを受け取り改めて顔を拭く。カイルとノエルのヒソヒソ話が始まる。


 「襲われたってどういう事?カイル襲ったの?話が違うじゃないか。(小声)」


 「俺は襲ってない!こいつが勘違いしてるんだ!(小声)」


 「マリア嬢。どんな状況だったか詳しく話してくれないかい?もしそんな事が本当にあったとしたら王宮できちんと対処するべき事案だからね。ね、カイル。」あぁ、と頷くカイル。


 一瞬青ざめるマリアだったが、真剣なノエルの顔と、第一王子に言われては、、、と観念したらしい。お茶会の日のあの覗きの一部始終を。



 「なるほど。そこで肩に触れられて引き寄せられそうになったところ反撃したってわけだね。そして相手の顔を見なかったから誰かも分からないと。」カイルへと目をむけるノエルは続けて


 「だそうだけど?」


 「俺は勘違いであんな目にあったのかよ。もういい。」


 「勘違い、、って、、?」


 ミラがマリアに何か言おうとしたがカイルが手を軽く上げて止める。


 「マリア嬢。はっきり言わせてもらう。あの日王宮の庭で君が蹴りあげたのは私だ。」


 「ひっ!では私を襲おうとしたのは殿下なのですか‼」とんでも発言をするマリア。


 「いい加減にしろ!誰がお前なんか襲うか‼」とうとう王子の仮面が剥がれた。


 「・・・でも。」カイルをキレさせても何か言いそうなマリアにミラは慌てて


 「マリア、聞いて頂戴。私は男性にしつこくされたらする対処を教えたけれど今回はしてはいけなかったわ。殿下はあなたが具合が悪くて困っているんじゃないかと心配して何度も声をかけて下さっていたのよ。それを、、、その、、、覗き?に夢中になって気が付かなかっただけなのよ。そして返事がないから肩に触れたの。それを勘違いから蹴り」


 「もういい。そいつはどうしても私を犯罪者にしたいらしいからな。」



 (ミラのさっきのカイルへの謝罪は私が殿下を蹴ったからなの?お茶会へ私を身代わりに出した事が原因だから全部自分が悪いって私を庇ってくれたの?確かに周りが見えてないって良く叱られるけれど、、あの時はいいところを邪魔されてカッとなって、、‼じゃぁ本当に私の勘違い!?)

 椅子から立ち上がりまたカイルの前に膝をつくマリア。


 「そんな事はありません!何も知らなかったのです。知らないで済む問題ではないのは分かってます。殿下大変申し訳ありませんでした。なんとお詫びしたらよいのか、、何度でも謝ります、なんでもしますから、どうかお許しください。それにミラは関係ないんです!私が悪いんです!」


 やっと分かったのかよと呆れ顔のカイル。

「はぁ、もういい。許す。いいから立て。」



 「許して頂けるのですか。ありがとうございます!なにもせず許して頂けるなんて、なんて殿下は心が広いのでしょう。良かった。なんでもするとはいいましたが秘密の恋だけはやめられないのですわ。」


 「「「はぁ???」」」


 「マリアいい加減にしなさーーーい‼」ミラもまた貴族令嬢の仮面が剥がれた。


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