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 カイルの顔に紅茶がたっぷりかかった頃、王宮では王妃がカイルを探していた。


 「カイルはどこに?」

 カイルの執務室で事務官へ訪ねる。


 「はっ、殿下はノエル様と会う予定になっております。」


 「そう、分かったわ。」(お茶会から時間が経ってしまったけど特定の令嬢の話も聞かないしどう考えているのかしら。)


 カイルの執務机の上に一通の手紙を見つける。開封され手紙がはみ出している。これは見てもいいですよって事だと勝手に解釈した王妃は見てしまう。ノエルからカイル宛の


 『明後日ミラ嬢とマリア嬢二人を呼んだ。こちらからは何も伝えていない。王宮で会うより家のほうが何かといい。今俺も忙しくてあまり王宮へ出入り出来ないので手紙で失礼する。無理な場合のみ連絡をくれ。』


 「カイルもすみにおけないわね。ところでマリアって誰かしら?マリアってあのマリアじゃない事は確かね。ミラは子爵家の。うーん。カイルとノエルと令嬢二人。急いでフリック様に知らせなきゃ!」王妃の暴走が始まる。



 バン!王の執務室の扉が勢いよく開かれた。

 

 「フリック様!とうとうカイルが決めるらしいわ。」


 「何をだい?」動じないフリック。


 「何ってこ・ん・や・く・し・ゃ・ですわ。私もとうとうおばぁちゃまになれるのね。フリック様もおじいちゃまですわ。婚約だけじゃ不安ですわ。早々に結婚させましょう。仕立屋も呼ばないといけませんわね。」


 「それで相手はどこの令嬢だい?」まだ動じない。


 「それが候補が二人もいるんですの。一人はピレネー子爵家のミラ、あとの一人が名前はマリアというんですの。マリアについてはまだ分かっていないんですけれど。」


 「それはカイルから聞いたのかい?」


 「いいえ。手紙を見たのです。日付からして今日ノエルの家で密会していますわ。」


 「えっ。本人からじゃなく手紙??」少し動揺。


 はいこれよ、と手渡された手紙を読むフリック。この内容だけじゃ、正直よく分からない。単純にお茶会開いた可能性もあるし、ノエルが自分の恋人をカイルに紹介するとも逆にカイルにノエルが令嬢を紹介するとも取れる。カイルがミラでノエルがマリアとか?その逆もあるか。


 「キャシー、まだこれだけじゃ分からないよ。カイルに聞いてみてからでも遅くないよ。」


 「いいえ、カイルがお茶会開いて欲しいと言ってきた時から私は分かっておりましたわ。娘とドレスを選ぶのも夢だったのです。楽しみですわ。」



とりあえずキャシーの暴走は止まらないだろうからカイルには一言言っておこうと思うフリックだった。




 

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