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私の唯一気になること

作者: kunio

チャーハンの作り方の順番、違うんじゃないの?

そう思った方、もっと純粋になってください。

すみません。ごめんなさい。

よろしくお願いします。

『私の唯一気になること』


私か好きなヨーロッパの映画


単館でしかやってないようなマニアックなもので


趣味の合う人なんていなかった


それなのにあなたは一緒に来てくれて


ポップコーンをひとしきり食べると


いつも途中から夢の中


つまらないならいいんだよ?


君といるのが幸せで幸せすぎて寝ちゃうんだ


子供みたいに笑ってた




子供みたいというならば


あなたは男の子たちが木登りしてたのを見て


俺も得意だと競争してた


危ないからやめてって


何度もいう私に


舌を出してバカにした


ほんとうにバカな人


私よりも五つも年上なくせして




バカなくせに記念日は


私よりもしっかり覚えてて


私の誕生日にはバラの花束を


クリスマスはサンタさんの格好で


自分の誕生日にまで私に手紙を書いてた




字は結構汚くて


雑な性格割りと出てた


サプライズなんて柄にもないって言うくせに


意外とサプライズしてたわよ




雑な性格は料理にも


とっておきの夕食食べさせるって


家に招待した日には


ざっくり切った野菜と


目分量の調味料


溶いた卵とご飯を大雑把に混ぜて


出来たの特製スペシャルチャーハン


適当って笑ったけど


食べたら意外にけっこういけた




辛いものが好きなくせに


甘いものにも飛び付いて


たらふくアイスを食べて


お腹を壊したことも何度も




甘い誘惑といえば女の子


可愛い子がいると目で追って


私の鉄拳落ちたことたくさん


男ってこんなものかしら


でも君が一番


そんな軽口乗らないわ


真っ青な顔して土下座して


それがあまりにおかしくって


結局最後は笑っちゃう




あなたはいつも私を笑わせてくれた


たまに無理してるの?って思うこと


あったのよ




誰よりも笑って


誰よりも楽しんで


誰よりも子供みたいで


誰よりも考えてて


そういえば誰よりも


海が好きだった




波風に揺られて


長い髪がそよぐ


色っぽいでしょ


波間でパシャパシャひとしきり


遊んで大きく伸びをして


片手で麦わら帽子を押さえたら


もうひとつの手をあなたの方に


ふわりと空を一回転


隣を向いたら砂場と空


いつから私の手は空をきってたっけ


年上好きな私なのに


あなたよりも年上になってしまったわよ


あなたは年上好きかしら


ただそれだけ


ただそれだけが気になるの



ご覧いただき、ありがとうございました。

今後も、どうぞご愛顧ください。

よろしくお願いします。

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