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思考が読める(ゴリラ限定)

二つ目です。

今日はコメディーを書いてみました。

俺は、他人にはない能力を持っている。


なんと相手の思考を読むことができるのだ。


それだけ聞くと、大半の人が羨むかもしれない。


しかし、この能力には制限があった。









相手の思考を読むことができる――ただし、相手はゴリラに限る。





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「さて、自由時間だがどうする?」


自由時間っつっても、なんで修学旅行に動物園見学が入ってんだよ。

小学生じゃねーんだから。


「まぁ、高校生にもなって、とは俺も思う。

 って言ってもしゃーねーから、ゴリラのとこ行こうぜ。

 お前の真の魅力を発揮させる数少ない機会を逃す手はねーしな」


やっぱりか……。

いいぜ、さっさと行こう。


「あら?反論ないのな。

 いつものツッコミを期待してたのに」


プログラムに動物園入ってる時点でお前にそれ言われてからかわれると思ってたし。

何年の付き合いだと思ってんだ。もうゴリラ関連言われ慣れたわ。

俺は成長するんだ、ゴリラとは違う。


「ちぇ、まぁいい。

 じゃ、さっそく行くか」





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「ところでよ?」


ん? どうした?


「いつものウホッホー音頭はどうした?」


唐突にどうした? じゃねぇ!

今まで生きてきてそんな音頭一回も歌ったことねーよ!


「でも、実際ウホ放題じゃねーの?」


ウホ放題ってなんだよ!

ウホウホ何回言ったってお得にはならねーから!


「おかしーな。週刊ゴリラ・ゴリラ・べリンゲイには音頭の歌詞書いてあったけどな」


そんな雑誌あるわけねーだろ!

雑誌名、マウンテンゴリラの学名じゃねーか!

ゴリラの種族ごとに雑誌あんのかよ!

あと、毎週出すほどのものじゃねーから!


「さすが日本一ゴリラの事を把握してる男だな。

 ゴリラを擁護するために顔真っ赤だ」

 

うまいこと言ったつもりかもしれんが、全然うまくねぇよ!

ゴリラ全然顔赤くねーから!

めっちゃ黒いから!





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「バカなこと言ってる間に着いたな、霊長類コーナー」


バカなこと言ってたの、お前だからね。


「ゴリラは……もうすぐだな。

 この辺からもう聞こえるのか? ゴリラの叫びが」

 

いや、まだ全然聞こえんな。

ちょっと遠い上に、手前に見えるチンパンジーがうるさいから。


「ああ、あいつな。

 でも、俺にあのチンパンジーの思考は聞こえないが、何考えてるか推測できるぜ」


…なんて考えてんだ?


「すっげー興奮してる」


いや、それ誰でも分かるから。


「すっげー興奮してる自分に興奮してる」


永久機関か!

つーか、自分に興奮するのかよ!

なんかすげー性癖だな!


「すっげー興奮してる自分に興奮してる自分を演じることで興奮している」


いや、もう訳わからんから!




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「ようやく、ゴリラとご対面だな」


ああ、そうだな。


「しかし、俺にはウホウホ言ってて何言ってるか全然わかんねーな」


「あのさ……」


「ん?」


「やっぱ俺って似てるよな」


「あだ名を受け入れちゃうくらいにはね」


この小説を読んだという奇特な方へ


感想・異論反論・誤字脱字の指摘 などなど

送ってくださると喜びます。


よろしくお願いいたします。

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