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第6話 考察してみよう

 意識が朦朧と覚醒する。

 そうすると、寝る前にはなかった感触が俺の背中から伝わってくる。

 暖かい、そう思い寝転がり触れようとする。


 う?なんだこれ?こんなモフモフは知らないぞ。


 目を擦りながら、モフモフの物体を確認した。

 今度こそ、意識は覚醒した。一瞬でだ。


「ワゥッ」


 その声を聞いて、安心した。

 そして、思い出した。こいつをテイムしたことを。


 そう思うと、少し余裕が出て来た。

 魔物をモフる。が、余り毛並みが良くない。

 まあ、仕方ないだろう。

 昨日までは、野良だったのだから多めにみよう。

 しかし、今日からはダメだ。

 俺のペットになるならば、せめて獣脂でベタつかないようにならないとな!

 そんな感じの念をこめて、ジト目で見ると、目をそらせて耳を伏せてキュゥンと鳴いた。

 カワイイな、こいつ。


 今日は、街まで行かないといけないので余り時間がない。

 だが、秘策もある。こいつだ。

 さっき、こいつのステータスを鑑定してみた。


 名前:―――

 種族:フォレストウルフ

 レベル:5  

           

 HP:124/124 

 MP:120/120 

 筋力:36 

 俊敏:55  

 耐久:21

 魔力:12

 運 :30


 スキル:咆哮 爪・牙強化 危険察知 



 スキル:危機察知

 周囲の危険を察知する。

 


 このスキルを頼って、周囲に魔物がいない道を選びつつ、こいつの鼻で人間の匂いを手繰って貰うのである。


 さて、昨日のこともあるし早めに行動しておこう。





 ―――――――――――――――――――――――――





 移動して彼此もう、2、3時間が経った。

 それなりに、魔物との繋がりも感じ、特に何の危険もなく森を進んでいた。

 そして、何の進展もしてない。

 ただ当てもなく、歩くのも結構大変だ。


 このままタラタラ歩くことしか、書かないのであれば、流石に顰蹙ものだ。

 今日は、このまま夜まで何もなさそうだし。

 なんで、昨日のことを考察してみようと思う。


 先ず、魔物事のことだ。

 コイツのことは、ウルと名付けた。

 はい、そこ。安直とか考えるな。

 大体、俺にネーミングセンスを求めることが無理がある。

 それにウルも気に入ってくれているようなので、問題ない。

 やはり、名前はシンプルが一番だな。


 ウルについて分かったことは、余りない。

 でも、俺のことを慕ってくれていると思う。

 いつの間にそんなことになったのやら。

 慕ってくれているのを無下にするつもりはないが。


 さて、前置きはこのくらいにしてウルがなぜ俺に懐いたかなんだが、恐らく調教師(テイマー)としてのスキルが関係しているだろう。

 いや、それ以外には考えられない。

 あの神様の加護のおかげで、俺の運の値は10倍になった。

 これは、人間にしてはかなり多いものだと思う。

 それでも昨日のことを、運だけで済ますのは違うはずだ。

 ヒトは死ぬときには死ぬものだ。

 あの状態から生き残れたのは、運ではなくスキルの力が大きいだろう。


 して、件のスキルだが俺は職業の調教師と、スキルのテイムはほとんど一緒だと思ってちゃんと見ていなかったのだ。

 今朝、森を探索しながらステータスを確認したら全く違うことが分かった。

 いや、調教師とテイムはほぼ同じだったのだが、一箇所だけ違うところがあったのだ。

 それはテイムの後ろにくっついていた[ネコ目]だったのだ。

 鑑定してみると



 スキル:テイム[ネコ目]

 動物・魔物を使役できる。

 相手を説得・屈服を用いて使い魔にすることが出来る。

 調教師(テイマー)の使用時、説得・屈服の成功率が上昇。

 ネコ目の遺伝子・因子を持つものを使い魔にする場合、成功率が大幅に上昇。

 また、ネコ目以外の動物・魔物の場合、成功率が減少。


 となっていた。

 

 一言、言っておきたい。



 神様、ホンッットにありがとう!!


 

 恐らく、このスキルでなかった場合考えたくない事態に陥っていただろう。

 結果として、生きてはいるがあの時魔物を見たときのような感情はもう感じたくはない。

 

 と、言って俺に出来ることなど、高が知れている。

 それに、今はウルがいる。

 野宿についてはウルを頼るのがいいだろう。

 では、俺に何ができるか。現状、俺は何も出来ない。

 今の俺はウルのヒモでしかないのか・・・・・。

 

 認めよう。ウルのヒモなのだと。俺にできることなどこの森の中では、ほぼないだろう。

 だがしかし、それに甘んじるのはよくない。

 なんで、これからはもっと自分の能力を知ろうと思う。

 今回の思考演算が暴走的な解に至ったもの、自分の出来ることを正確に把握していたなら変わっていたかもしてない。

 少なくとも、あれほどビビらずには居れただろう。

 今は、ウルのヒモとしているが、いずれ、俺がウルを養ってやる。

 まずは、ステータスの確認からだ。

 

 話が、大分それたが、ウルについてのことはこんな感じだろ。


 次は、俺のことだ。

 まずはステータスだ。



 名前:リョウタ・ミカゲ

 種族/歳:人間/15

 職業:調教師テイマー

 レベル:3


 HP:120/160 

 MP:800/800  

 筋力:25 

 俊敏:40  

 耐久:15

 魔力:80

 運 :100

 SP:10


 スキル:MP回復速度上昇(超) 算術 思考演算(上) テイム[ネコ目] ステータス操作 解析鑑定 言語習得 体術 偽装 生活魔法 幸運 

 称号:異邦人 異世界神の加護

 


 そうだ。レベルが上がったのだ。

 なんだろう、この気持ちは。

 意識しないと、すぐにニヤニヤしてしまいそうになる。

 いかん、ウルが不審そうに見ている。


 兎に角レベルが2上がった。

 これは恐らく、ウルのテイムに成功したためだろう。

 ホントにウル様々だ。

 

 そしてもう1つ。

 魔力値の下に新たな項目が出来ていた。

 早速、鑑定してみる。



 SP

 スキルポイントのこと。

 ステータス操作等のスキル保持者のみ使用可能。


 

 ならば、ステータス操作も鑑定。



 スキル:ステータス操作

 本来、筋力等パラメーターに振られるポイントを自身で振ることが出来る。

 また、スキル習得にも使用出来る。 

 


 また、地味ーなチートだ。

 無いよりは、あった方がいいが、無くても問題ないだろう。

 

 これで、SPがどういうものか分かった。ついでに、ステータス操作も。

 スキル習得はスゴイが、現状使えるものでもないので全て振ってしまおう。


 

 筋力:25 

 俊敏:42  

 耐久:23

 魔力:90

 運 :100

 SP:0

 


 俊敏に2。耐久に8。魔力に10。

 こういう形にした。

 筋力は必要ないだろうし、俊敏はそれなりに高かった。

 そして、耐久だ。

 流石は現代っ子だ。俺自身が一番びっくりした。

 体を作り変えてもらってもこれほど体力がないことを。

 体力なら、筋力だが恐らく耐久の方が効果がありそうなのでこちらを選んでみた。

 耐久をあげたあとは、探索も少しだが進んだ気がする。


 まあ、今日のところは、こんなところだろう。

 日もだいぶ傾いてきたので、俺は野宿の準備、ウルはその間に自分の飯を撮ってきて貰う事にした。

 

 今日の晩飯は昨日の残りと、ウルのお裾分けの魚を焼いて食った。

 全く、ホントにウル様々だ。

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