第4話 ここ何処だろう
目を開けると、そこは異世界・・・・・なのか?
今俺は、草原にいる。小高い丘のようになっていて、その周囲をぐるりと森に囲まれており周囲に人の居そうな場所はない。
「ともかく、ホントに異世界なのかを調べないとな」
そう思って思い出す。
あのうっかりものの神様がステータスを表示させていたことを。
すぐさま、鑑定!と言い自身のステータスが出るかどうかを確認する。
名前:リョウタ・ミカゲ
種族/歳:人間/15
職業:調教師
レベル:1
HP:160/160
MP:800/800
筋力:25
俊敏:40
耐久:15
魔力:80
運 :100
スキル:MP回復速度上昇(超) 算術 思考演算(上) テイム[ネコ目] 魔法の心得 ステータス操作 解析鑑定 言語習得 体術 偽装 生活魔法 幸運
称号:異邦人 異世界神の加護
「おお!出た出た。
ここって本当に異世界なんだ。」
確か、魔法も使えるようにしてくれたらしいし、やり方も何となくだが、理解できる。
ホントに使えるかどうか、試してみるか。
「ファイヤ!」
そう唱えると、手のひらの中に小石程の火球が出来ていた。
「うおお!!すげええ!!!
しかも熱くなし、どうなってんだ!?」
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どれぐらい時間が経っだろうか、体感で3時間程。
この3時間、俺は魔法やスキルであそ・・・、いや、検証していた。
これが実に楽しく、且つ、今までに体験したことのない現象だったのである。
検証したことについては、また今度話すとして、今重要なのは、日が少しずつ傾いてきているのである。
あともう、2時間もすればだんだん暗くなっていき、もう1時間で周りは真っ暗だろう。
えっと、まじか。
このままいくと野宿じゃん。
そんなことしたことねえーよ!
その前に、腹減ったよ!!
なんか狩って食え?こちらと服以外持ち物がねえーよ!!!
てか、街どこだよ!!
神様、せめて街が見えるとこに送ってくれよ!
やめよう。言ってもしょうがないし、なんか虚しくなってきた。不毛だ。
そもそもここに来たいと言ったのは自分なんだし(半強制だったが)神様に文句言っても、後の祭りだろう。
ここはもっと建設的に考えよう。
まず、今日中に街を見つけられるかだが、無理だろう。
ここが何処だか分からないのに無闇矢鱈と動くのは間違っている気がする。
とにかく、この森で夜を明かすんだから、寝床の確保が最優先だ。
やり方は分からないし、どこに作ればいいのかも分からないが、兎に角、やってみよう。
今の気温は少し暖かいくらいだが、夜いきなり冷える可能性もある。
だから、できるだけ風通しが悪いように場所を作ればいいだろう。
その次に、寝床だ。これは落ち葉大量に持ってくるか直で眠るしかしょうがないだろう。
また、火を焚く事も考慮に入れると薪を拾ったりしなければいけない。
面倒だがやらない訳にはいけないのだ。
その次に必要なのが水。だがこれは大丈夫。
《生活魔法》にウォーターがあった。このことと俺の魔力量により、水だけはどんだけガブ飲みしても心配なくなった。
そして三つ目は、食料の問題だ。
この問題は、今日明日中に街が見つかればいいんだが、見つからない場合、死活問題になるだろう。
だが、今日のところは大丈夫だろう。一応、キノコや食べられそうな物は今日も探すが、無くても災厄の場合、水を飲めばいいのだ。1日ならそれでなんとかなるだろう。
うん、こんなところかな。
我ながら、よく考えられたと思う。
では、行動開始。
そして、やってみて思ったが、魔法が便利すぎる。
場所作りにしても、俺個人が頑張ったのは恐らく最初の出来るだけ見つかりそうにないとこを探すことだけだ。
探したあとは、火の魔法で地面を焼き、土の魔法で腰ほども草木の根元の土を球上に固め、それを寝床の周囲に配置し、風の魔法で風を起こして大量の枝や葉っぱなどを集められた。
思った以上に時間が余ったので、周辺の食べ物を探してきた。
結果は、余り取れなかったが鑑定スキルが役に立った。
手当たり次第に鑑定スキルを使うと、たまに食べれるものを見つけることができた。
だが恐らくこの方法は、俺じゃないとできないだろうと思う。
火で地面を焼くのも、風で木の枝なんかを集めるのもそれなりに魔力を使った。
俺がピンピンしていられるのは、確実にMP回復上昇のおかげだろう。
なにはともあれ、なんとかなってよかった。
「とりあえず、これでなんとかなるかな。」
この時にはもう周囲は暗くなってきた。
俺は急いで寝床まで戻ってきた。
食えるもの食い思った。
水分補給も終えたし。
やることねーなー。
まあ今は夜だし、静かにするべきだと俺は思う。
そうしていると、今日起こったことを思い出す。
死んだらしいこと、神様に会ったこと、魔法使ったこと。
不可思議な体験ばかりだが、今のところうまくいっている。
これからのことは、全く分からないが不思議と何とかなるような気がする。
それよりもまず人だ。人間に会いたい。
だから街に行こうと思うが、どちらに行けばいいのか分からない。
早速不安になってきた。
この考えはやめよう。
俺には運の値が100もあるから大丈夫だそう思おう。
そう、いつの間にか運の値が100まで上昇していた。
ついでに、称号が付いていた。
異邦人と異世界神の加護だ。
ステータスにも《解析鑑定》が使えることが分かったんで、その二つにも使ってみた。
称号:異邦人
この世界とは別の世界から来た者。渡り人。
特性:限界突破が使用可能。
称号:異世界神の加護
異世界の神に加護を与えられし者。
特性:経験値上昇(中) 運10倍
と、なっていた。
まあ、異邦人ってのはまだ分かる。
加護ってのはなんだ?
俺あの神様の加護貰ってるの?
でもまあ実害ないわけだし、寧ろ、ありがたいんだが。
なんだろう、このモヤモヤは。
しかも、経験値上昇(中)と運10倍って!
無茶苦茶イイじゃねえか。
ここは、拝んでおこう。
神様アリガトウ、最後はしょりやがって!とか思ってごめんね。
これでいいだろう。
あの神様なら笑って許してくれるだろ。
まあ、そんなことはどうでもよく。
運が10倍になったからそれなりに何とかなる気がしてる。
そうとなったら早く寝よう。
寝る前に一言、言っておこう。
ホントにここ何処だろう。