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一次創作物

自傷癖な自分。

作者: 蒼山詩乃

よろしくお願いします。

 駅のプラットホームというのは、なぜ真っ暗なんだろうか、と日々僕はイラついている。

 ほかに妥当な色があるかと言われれば無い、と答えてしまうのだけれど。

 ……彼女がこの街から消えてしまってから三年経つ。

 振り返って見れば、長かったような短かったようなよく分からない曖昧な感覚。

 惰性で生きてきた今現在の気持ちを言えば灰色。中途半端過ぎて笑える。

 まだ黒の方がいい。罪悪感を引きずっていればまだ幸せだ。何も考えずに済む。

 そんな中途半端な自分が嫌いで、目を背いているだけかもしれない。

 実は、彼女が行ってしまう数日前に些細なことで喧嘩をしたのだ。単純なことだった。もう内容は忘れてしまったのだけれど、僕がふざけて言ったことに対して、彼女が怒ったのだ。なぜ怒ったのかは今でもよく分からない。

 だから僕はその日から彼女とは会わずにずっと息を潜めて早く消えてしまえ、と思っていた。

 当時の僕には今の姿を想像出来なかっただけかもしれない。でもそれでもやはりバカなことをしたことには変わりはない。

 そして今、自分が立っている場所は、彼女が見知らぬ土地へ行くために別れの言葉を発した場所かもしれないと思うと余計に考えてしまう。

 後悔だけがのしかかる。ザクザクと何かが切られる音がした。切られたものの傷には痛みを感じさせるためにわざと途中までしか切られていない、と僕は思う。

 それからアナウンスから電車が来るとの連絡が来て、視線をとりあえず前に向ける。

 電車が着き、中から数人が出て、中に入ろうとしたときに、降りるのに遅れた人が僕にぶつかった。

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