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生きる骨
◇ ◇ ◇
男の死体は高柳医師の申し出により、土の中に埋めた。
真実を話しても警察は信じてくれないだろうし、そうすると私か高柳親子に容疑が掛かってしまう。
父が帰って来たのは、その翌日だった。
あの男が言っていた事は本当だったらしい。
首を絞められて殺されていた。
他には傷ひとつ無かった。
反魂香を使えば父は生き返るだろうか?
生き返っても
もし、あの化け物のようになったら?
母のようにすぐに消えてしまったら?
……それならそれでもかまわない。
何故なら、あの時。
あの、女の死体に喰われそうになった時。
あいつが一瞬躊躇したのは、私があいつと同族だったからでは?と言う気がしてならないのだ。
だとしたら私は、蘇生術の生きた証人だ。
それを考えたら悲しんでいる暇は無くなった。
いいじゃないか、親子揃って死体でも。
家の屋根の上で鴉が一羽、妙な声で鳴く。
残念ね。
父さんは私がきっと生き返らせて見せるから。
【完】




