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4 夢見たもの


なだめてみたり 

すかしたり

おだててみたり

皮肉ったり

持ち上げてみては

嘲弄したり


君を相手に

ありとあらゆる

手練手管を 

駆使した10年


おかげで

退屈しなかった


いやいつも

違った手段で

まみえたからこそ


気取られるような

失態もなく

心ゆくまで

求愛できたという方が

むしろ当たって

いるかもしれん


必要とあらば

金に糸目は

つけなかった


世間は常に

俺の財産の

出所や多寡を

やり玉に挙げ

うさん臭いと

眉ひそめたが


俺にとっては

金儲けなど

相手や手段の善悪を

云々する気は

毛頭なかった


君に費やす

金に不足が

なければそれで

構わなかった


年月を要することも

まったく苦には

ならなかった

焦りもなかった


金や時間の

持てる限りを

費やしてでも

俺が喉から

手が出るほどに

欲しかったもの


それは

後にも先にも

ただ一つ


君の心 

君の精神 


何より

君の魂に

俺を選んで

ほしかった


同情や

成り行きや

止むにやまれぬ

事情がゆえの

しぶしぶながらの

選択でなく


人生を

とことん謳歌するための

相棒として

俺を選んでほしかった


聡明な君の

弾けんばかりの魂が

自ら望んで 

俺に寄り添って

くれる日を


俺は心底

夢見てた


だからあの

麗しのアシュレ君に

見とれて

はしゃいで

のぼせ上がって


俺の顔など

見ようものなら

いつだって

抜け殻でしか

なかった君の


そんな君の

体だけを

手に入れたいなど

これっぽっちも

思わなかった



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