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序文『布の切れ端』

始めまして。この度、記念すべき初投稿です。稚拙かつ駄文、プロット無しの完成度の低い代物ですが、よろしければお読みください。

更新が遅く不定期になるでしょうが、平にご容赦をお願いします。

 二〇二二年。とある学者が発表した一つの機械が世界に激震を与えた。

 名は、《DM・ギア》。正式名、五感情報干渉型仮想現実体感機械《The sennses infomation an inntervenntion virtual reality experiencemacine》と呼ばれるそれは、文字通り五感を支配してもう一つの世界を使用者に与える代物である。

 この技術は軍事、経済、医療を始めとして、世界のあらゆる分野に正負問わずあらゆる影響を与えた。

 その中でも最も影響を与えられたのがゲーム業界だ。

 まず、富裕層のゲーマーと重度の廃ゲーマーがその高度な機械から創り出される、本物と見紛うようなバーチャルリアリティに魅了された。

 その話は三日と立たずに日本全土、そして世界各地に浸透し、ひと月後にはDM・ギアがシェアのトップへと躍り出て、一年後には二次元のゲームは市場の隅へと追いやられる事となった。無論、この際に出遅れたゲーム企業は大打撃を受け、その半数以上が市場からの撤退を余儀なくされた。

 そのような革命的な発明による混乱は約五年続き、今では、テレビゲームはよほどコアなファンでなければ見向きもしないような代物だ。

 むろん、二千三十五年現在に生きる、俺こと神崎かんざき りょうも一般人大多数に漏れずDM・ギアの虜となった廃ゲーマーである。十歳の頃に親にねだって買ってもらってから、仮想世界に潜る事八年。仮想世界の魅力に取り憑かれ続けている。

 今現在、俺が嵌っているゲームのタイトルは《アルタベガル》と言う。

 基本的に王道の剣と魔法の世界だが、このゲームの面白い所は職業という縛りが存在していない事だ。

 まず、剣等近接スキルが各種武器それぞれに基礎千個があり、プレイヤーはそこから各人オリジナルモーションの設定を行い、サーバーが攻撃力等の各種ステータスを自動決定。これにより、いくつかの例外を除いて同じスキルを持つという事が無くなった。

 それは魔法も同じだ。基本となる魔法五千に加え、呪文の一部を変えたり、一新する事で威力の増減、または全く異なる魔法を生み出す事ができるようになっている。ただし、改造魔法というのはよく考えなければ簡単に魔力が枯渇してしまうので、お世辞にも使い勝手の良い技術とは言い難いが。

 そういった特殊性の中、最も特殊なのはこういったゲームに良くある職業という要素が無い事だろう。

 職業が無いという事は、それによって取得スキルに制限がかかる事も無いので、極めれば戦闘中に剣から槍、槍からナイフという風に武器を変えたり、単独で龍を始めとした最強種を殺す事も可能となる。

 まあ、さすがに複数の武器を戦闘中に切り替えられたり、単独で最強種とやり合えるような奇人はあまりいないが、そういった職業縛りの無さが、大槌使いの魔法使いや拳法使いの僧侶といった他のゲームに無いプレイスタイルを作り出している。

 ただ、俺や他の古参プレイヤーの一部は、アルタベガルの最大の特徴は別にあると知っている。

 アルタベガル最大の特徴とは、本来は武器ではない物を武器にできる事だ。

 先に述べたように、アルタベガルでは武器のモーションを登録する事で新しいスキルとする事ができるのだが、この際、システムの方である程度の修正を行ってくれる。それを利用して、本来武器ではない物を使用した武術を新たに生み出せるのだ。

 これによって、筋力値さえ許せば銅像であろうと丸太であろうと、果ては“人間”すらも武器にできる事が判明した。当初はこれが広まった事で、様々なネタスキルが発生する事になった。今でも、古参プレイヤーならネタスキルの一つや二つは持っているものである。

 今では、元々武器でない故に威力が無い。スキルの作成が普通の武器に比べて異常に難しい等の理由で表舞台から消えてしまったが、消えていなくてもネタ以外に使う人間はほとんどいなかっただろう。

 理由は、普通の武器と比べて異常にコストが高いからだ。

 他にスキル成長度が低い等も挙げられるが、最大の理由はこれ以外に無い。

 例えば、俺の知り合いのようにフライパンを武器とする(本人曰く、最強の主婦には必須技術)場合、ただの鉄だとゴブリン程度までしか相手にできず、鋼でオーク、鋼鉄でようやくトロルと、スキル次第ではあるが、初期ではほぼ雑魚しか相手にできない。

 これはMAX値の半分、千を超えるまで続き、そこに至るまで大半の者が心を折られて挫折する。当時も俺は最強のネタ武器使いを目指す等と言う輩が何十人と挫折させられた。

 それでありながら、いや、そうであるからこそ、挫折する事無く努力を重ねた場合の見返りは大きい。

 当時から諦めずに使い続けた頑固な連中は今では全員がトッププレイヤーに名を連ねているし、超高位素材を惜しみなく使用した武器は、最強種を相手取っても壊れる事は無い。新参プレイヤーの中には、特殊なクエストでしか手に入らない限定武器だと勘違いする者もいるような頑強さだ。

 まあ、フライパンや巨大な本、奇抜なのではどう見ても道路標識にしか見えないような物を振り回していれば、そう思っても仕方が無いのかもしれない。

 

 閑話休題。

 

 そんな風に自由度が限りなく高い世界だが、世界設定は意外とまともだったりする。

 世界設定としては、基本的な種族によってそれぞれ治められている国と複数種族による多民族国家が存在しており、その数は十。

 オールラウンダーで弱点という弱点が無い代わりに突出した所の無い、唯一全ての特性を持つ事ができる人族の国、桜と麦の国《アヴァロン》

 精霊に愛されているために魔法特化で他者の追随を許さない代わりに物理攻撃に弱い、弓と魔法による遠距離攻撃が基本となるエルフ族の国、弓と精霊の国《ユグドラシル》

 物理攻撃特化で土に強く風に弱い、共通して鉱石採掘に補正が掛かり武器・防具・装飾品等、金属を扱う生産系スキルがステータスより一段上がるドワーフ族の国、槌と鉱石の国《オリュンポス》

 通常時は人族より強い程度だが、竜化時に物理特化の強力な能力を有し、天族より短いが空を飛べる上、各属性に個々で特化した竜人族の国、空と自由の国《ヌト》

 物理、魔法共に強力で、しかし総じて光に弱く、また、太陽の当たる場所ではステータスにマイナス補正が課せられる魔族の国、力と闇の国《ニヴルヘイム》

 光属性特化で強力な固有魔法を持ち、長時間の滞空が可能かつ飛行速度では獣人に迫る程に早い代わりに他は総じて低い天族の国、光と翼の国《ウラノス》

 速度特化で獣を従える事ができ、人型のままの半獣化、完全に獣と同じ姿になる獣化の特殊能力を持つが攻撃魔法に弱い獣人族の国、遊牧と傭兵の国《アステカ》

 闇属性特化で幽霊属なら物理無効でしかし光属性のみ魔法、物理共に高レベルでも最弱技で瀕死または即死し、妖鬼属ならば物理攻撃に補正が掛かり種族毎に特性があるが、代わりに光の他に水属性や銀製武器に弱い、レベルアップの遅い冥霊族の国、死者と修羅の国《タルタロス》

 巨大な漆黒の塔《バベル》を中心に発展し、塔の二階以降に展開されている高レベル専用ダンジョンやその地下にある巨大ダンジョン《エンドレス》の攻略を目的とした冒険者が集まって生まれた、塔と迷宮の都市国家《メソポタミア》

 何らかの理由で祖国にいられなくなった者達が集まり、生きるための協力機関―――現在のギルドの原型を生み出したギルド発祥国、議会と学究の国《アテナイ》

 この十の国はメソポタミアを中心に別れている。

 まず、最大の国土面積を誇るのが西のアヴァロン。

 北の山地には翼を持ち厳しい環境でも苦としないヌト。

 そこよりさらに北、広大な樹海に構えているのはニヴルヘイム。

 東北の高原地帯とそこに続く小さな森林地帯にはアステカ。

 東の荒野とその先にある島々にはアテナイ。

 南方に存在する世界樹《蘭桜らんおう》を中心に栄えるユグドラシル。

 西の巨大鉱山が集まった山脈、火山地帯に都市を置くオリュンポス。

 バベルを中心に円を描いて空を行く浮遊大陸アヴルヘイムに住み、中立を好むウラノス。

 バベル一階、羅門らもんと呼ばれる巨大な縦穴からのみ出入りできる地下に存在するタルタロス。

 これが、アルタベガル世界に存在する国の全てだ。それぞれの国には種族の特徴に合わせた壮大な都市がいくつも設置されていて、その数と完成度は見て歩くだけでも半年は掛かると言われる程だ。

 ここまで凝っていると、会社は傾かなかったのか、とも思うだろう。だが、傾くどころか、その精巧に過ぎる世界はDM・ギアのソフト群の中でも指折りの人気を誇っている。製作会社はホクホクだろう。

 

 

 これは、そんなゲームの世界で有数のトッププレイヤーであった俺の、迷走と闘争の物語だ。

とりあえず、名前は神話だのルーン文字だのと色々な所から取ってます。神様は基本ギリシャ神話と北欧神話のハイブリットです。ゲームの名前はぶっちゃけアルタイルとベガの混合ですね。織姫と彦星、お(義)父さん幸せに暮らして欲しいものです。

とりあえず色々と国や種族を出しましたが、実はまだまだ出ます。名前だけ出て終わる事もあるかもしれませんが、できるだけ全ての国、種族を物語りに絡ませて行きたいと考えていますので、もしよろしければ末永いお付き合いの程、どうかお願いいたします。

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