episode7
学園寮へと入ると、ウェンは男子寮へ。シャルロッテはジークハルトとミサトと共に女子寮へと通された。
シャルロッテ達三人が彼女の部屋へとたどり着くと、ミサトがドアを開け、シャルロッテとジークハルトを中へと促した。そうして部屋へと入っていこうとした時、メイドである三郷はとある人物に話しかけられた。
「貴方がシャルロッテ・オベール様のメイドでいらっしゃいますか?」
「...はい。そうでございます。」
「メイドはこれから、学園生活を送られる貴族の方々に快適に過ごして頂きますよう、"メイドの集い"が始まります。貴方もいらして下さい。」
「ですが...」
「いいですわ、ミサト。これから必要になる事なのですから、しっかり学んでいらして?」
「...ジークハルト王子殿下。決してシャルロッテ様に...」
「大丈夫だよ、ミサト。私がロッテに無礼をはたらくと思うかい?」
「思います。」
ジークハルトの言葉に食い気味に即答するミサトであった。
「心配しないで、ミサト。私が強いのは知っているでしょう?安心して行ってらして?」
「...かしこまりました。シャルロッテ様。」
ミサトは髪を引かれる想いで、声をかけてきた人物と共に部屋を去っていった。そして扉が閉じられた時、シャルロッテは「ロッテ。」とジークハルトに声をかけられ、彼へと振り向くと腕を強く引っ張られ、彼の胸へと抱かれた。
「ジークハルト様?!一体何を...」
「シャルロッテ。君が強いのはよく知っている。知ってはいるが私は心配なんだ。」
心無しか彼の声は震えているようであった。
そして身体を離し、シャルロッテの頬へそっと手を添え彼女の瞳を覗き込んだ。
「...ジークハルト様...?」
「誓っておくれ、シャルロッテ。もう決して無茶なことはしないと。」
「...はい。申し訳ありませんでした。」
ジークハルトの真剣な様子にシャルロッテは従うしか無かった。
そうして彼は彼女にそっと口づけを送った。
「!ジークハルト様!」
「フフッ。これは私を心配させた罰だよ?ロッテ。」
先程までの真剣な様子は何処へやら。ジークハルトはイタズラっ子の様な笑みを浮かべ、シャルロッテは顔を真っ赤に染めるのであった。
「さぁ、荷物も運び込んだ事だし、ウェンを迎えに行って学園内でも探索しようか。」
「...かしこまりましたわ。」
顔の熱が引かないシャルロッテは自分の中でのジークハルトの存在が少し変化したような気がして、何だか二人でいるのが気まずく感じるのであった。




