episode25
シャルロッテとジークハルトの二人と分かれて教師に連れてこられたウェンは何かしたかなと不安になっていた。辿り着いたのは学園長室。教師に続いて入室すると、学園長からソファーに座るように促される。
「いきなり呼び出してすまなかったの。」
「い、いえ。...それで自分は何故呼ばれたのでしょうか...?」
「今日の召喚の儀、お主が召喚したのは闇属性のケルベロス。闇属性は光属性と同様、またはそれ以上に滅多に使い手の現れないものでな。」
「闇属性は悪いものなのでしょうか...?」
ウェンは不安になり学園長へと問いただす。
「いや、悪いものでは無い。あまりにも珍しいものではあるが...闇属性の使い手は黒髪黒目を生まれ持つという。まさにお主がそうなのだよ。」
「...それで自分は一体どうすればよいのですか?」
その言葉を待っていたかのように学園長は頷いた。
「闇属性は光属性以上に未知である。そこでだ、少し研究に付き合ってもらいたいのだが...」
「...そうすればシャルロッテ様の役に立つことが出来ますか?」
「もちろん。今日は君だけだが、光属性を持つシャルロッテ嬢とジークハルト王子殿下にも研究に参加してもらう事になる。」
「...そう言う事なら、わかりました。」
「話しは以上だ。研究は明日から行いたいと思っておる。よいかな?」
「...ハイ。」
「それでは戻ってよいぞ。」とその言葉でウェンは寮へと歩みを進めた。黒髪黒目は確かにこの世界ではとても珍しい存在で、この容姿でシャルロッテに出会うまで辛い目にあったこともあった。シャルロッテに出会ったおかげで今、自分が普通であると思っていた。...それなのに闇属性の使い手になってしまうとは...。けれどもこの力でシャルロッテを守ることができるのであれば、彼女の盾になる事が出来るのであれば...。ウェンは召喚石のペンダントを見つめた。その石は赤黒く光っている。彼は祈るようにペンダントへと口付けた。
「シャルロッテ様。...僕の最愛の人。...貴方のためになるのであれば、この力、惜しむことなく使います。」
ウェンはシャルロッテに対して抱いているあわい恋心をこのペンダントに秘めると誓いをたてるのであった。




