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綺麗なバラには棘がある  作者: 朱音小夏


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episode24

シャルロッテはジークハルトのエスコートにより、寮の玄関まで戻ってきた。寮は玄関は同じでも男女で部屋が左右に分かれていて、異性の部屋には入れない決まりとなっている。ジークハルトは中央庭園からここまでシャルロッテの手を離さないでいたが、寮に着いたため、名残惜しそうに彼女の手を離した。


「それじゃあロッテ、おやすみ。良い夢を。」


そう言って去ろうとするジークハルトをシャルロッテは制服の裾をつまみ、「ジークハルト様!」と声をかけた。ジークハルトは不思議に思い、シャルロッテに振り向くと、シャルロッテは背伸びをしてジークハルトの頬へ口付けを送った。


「い、いつもやられっぱなしなので仕返しです!おやすみなさいませ!」


そう捨てゼリフを吐きシャルロッテは女子寮へ走って姿を消した。ジークハルトは口付けられた頬に手を当てしばらく呆然としていたが、急に顔に熱が集まるのを感じた。


「ロッテ...可愛らしいことをしてくれるじゃないか...」


ジークハルトはそう言うと男子寮へと足を向けるのであった。




シャルロッテは自室にかけ足で戻るとドアに背を向けへたりこんでしまった。その様子を見ていたミサトは急いでシャルロッテに駆け寄り「大丈夫ですか?!」と声をかけた。シャルロッテは顔を真っ赤にしながら「大丈夫ですわ」と応え、「シャワーを浴びて来ますわね」と言いシャワー室へと入っていった。シャルロッテはシャワーを浴びるために制服を脱ごうとした時、左手の薬指に光る物があるのに気づき、中央庭園での出来事を思い出してしまった。シャルロッテは色んな思いが駆け巡ったが、ジークハルトの事を思って、指輪に口付けを落とした。


「指輪なんて...いつ用意したのでしょう...。」


シャルロッテは気恥ずかしくも嬉しさが勝っているのに気が付かないふりをした。シャルロッテは丁寧にシャワーを浴び終えると、ミサトがまだメイド部屋に戻っていないのに驚きミサトに声をかけた。


「ミサト?部屋に戻っても良かったのに...。どうかなさいましたか?」

「あ、あの!シャルロッテ様!お誕生日おめでとうございます!これは私とウェンさんからのプレゼントです!」


そう言うと可愛らしくラッピングされた小箱を差し出した。


「ありがとう、ミサト。明日ウェンにもお礼を言わなければなりませんね。開けてもいいかしら?」

「はい!是非!」


ラッピングをとき、小箱を開けると、バラがモチーフの髪飾りが入っていた。


「まぁ...素敵ですわ。毎日つけさせてもらいますね。」

「ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです!」

「もう夜も遅いですし、今日はもう眠りましょう。」

「かしこまりました。おやすみなさいませ、シャルロッテ様。」

「おやすみ、ミサト。」


そう言って月明かりの元、シャルロッテは眠りにつくのであった。

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