episode20
その後、シャルロッテは「なんだか疲れた...」と思い自室へ帰る。部屋のドアを開け中に入ると、ミサトが笑顔で「お帰りなさいませ!シャルロッテ様!」と子犬の様に駆け寄ってきた。
「ただいま帰りましたわ、ミサト。」
「聞きました、シャルロッテ様。エリザベス公女殿下の事...」
...どうやらミサトの耳にまで届いていたようだ。ミサトはこれまた子犬の様な眼差しで「大丈夫ですか...?」と心配してきてくれた。そんなミサトに心が温かくなるのを感じながら、シャルロッテはミサトの頭を優しく撫でた。
「ありがとうございます、ミサト。私は大丈夫ですわ。」
「...でも...」
「エリザベス様も丸くなっていらしたので、今後の事で心配する事は何もありませんわ。」
「...そうなんですか?」
「えぇ。むしろ私の事を"姉"と慕ってくれる様になりましたわ。」
「..."姉"...?」
シャルロッテの言葉にミサトは"ピシャリ"と固まった。
「?ミサト?」
「が...が...」
「が?」
「害虫が!シャルロッテ様に近づく害虫が増えてしまいました!」
「ミ、ミサト?害虫だなんて...皇族の方ですよ?」
「でも!...でも!シャルロッテ様!」
「ミサト...落ち着いて?」
シャルロッテはそう言うと、ミサトを優しく抱きしめた。
「?!...シャルロッテ様...?」
「ミサト。落ち着いてくださいな。私の事を心配してくださるのは嬉しいけれど、暴走しないで?」
「ですけど...」
「それにね、ミサト?私、貴方とエリザベス様は良いお友達になれるのではないかと思っていますのよ?」
「...私がエリザベス皇女殿下と?」
「えぇ。ですから、今度一緒にエリザベス様のお茶会にお呼ばれいたしましょう?」
シャルロッテがそう言うとミサトは俯きながら、何やらブツブツと呟いていた。そんなミサトにシャルロッテは「それに...」と言葉を続けた。
「エリザベス様はあのジークハルト様に対してライバル発言をしたんですよ?」
「!!あのジークハルト王子殿下に?!だって、エリザベス皇女殿下はジークハルト王子殿下に言い寄っていたと聞いていますが?!」
「...まぁ、それに対しては私も驚いてはいるんですけどね...」
「ですから」とシャルロッテはミサトに目線を合わせ言葉を続けた。
「ミサトは何も心配する事無く、私の学園生活を支えてくださいな。」
「!...はい!!」
こうして、一先ずはミサトの機嫌を治す事に成功したシャルロッテなのであった。




