episode11
王立学園の入学式は壮大であった。国一番の楽団による演奏。魔法による式を盛り上げる演出。ありとあらゆる術で入学式を祝った。そして式が終わり、新入生達は教師の案内の元、自分達のクラスへと入って行った。シャルロッテ、ジークハルト、ウェンの三人は特待生クラスとなつている。席は特に決まっていない様で三人はシャルロッテを中心に席へと着くのであった。
「素晴らしい式でしたわね。」
「そうですね。ロッテ様待望の合体魔法も見れましたしね。」
「ロッテは合体魔法に興味があるのかい?」
「えぇ、そうなんです。子供の頃から自分で合体魔法を使ってみたいと常々思っておりましたの。」
ジークハルトの問いかけにシャルロッテはうっとりした顔で応えた。
「そう言えば...式前に騒ぎを起こしたエリザベス皇女殿下はこの特待クラスでは無いのですね?」
シャルロッテは「皇族は特待クラス」と言うイメージがあったので、この場に居ないことに対し疑問を持ったのであった。その疑問に答えたのはジークハルトであった。
「あぁ、それはね...家柄は皇族だからだから本当は特待クラスに来るはずだったらしいんだけど、如何せん成績が悪かったらしくて、一般クラスへの入学となったらしいよ。」
ジークハルトの説明に二人は絶句した。
「歴代の皇族の方々は特待クラスで学んでいたと聞いていますが...」
「そうなんだよ。だから皇帝陛下からもクレームが来たらしいんだけど、学長直々に彼女が特待クラスの授業についていけない可能性を説いたらしいよ。」
「な、なるほど...」
三人には関係のない様で、関係のある話だったので頭が痛くなる。学内では出来る限りエリザベスに関わりたくないと、彼女に遭遇しない事を祈るばかりであった。
そんな雑談をしている内に教室に一人の教師が入ってきて、「静粛に!」と声をかけた。教室内が静寂したのを確認すると教師が話しを始めた。
「えぇ、皆さん本日はご入学おめでとうございます。これから三年間、学業や武術、魔法をまなび、この国を支えられる立派な紳士淑女になれるよう、邁進していってください。」
「それでは教本を配ります。」その声をかわきりに生徒達の机の上に数冊の教本が姿を現す。ジークハルトが「こんな魔法の使い方もあるんだね。」と感心し、シャルロッテとウェンもそれに同意する。
「この教本は三年間使う物なので大切に扱う様に。これにて本日の予定は終了となります。」
そう教師が言葉を残し教室から出て行くと、教室は賑やかさに包まれた。そして、いつの間にかシャルロッテ達三人の元には人集りが出来ていた。
「シャルロッテ嬢!武術も魔法も大人顔負けと聞きました!」
「ジークハルト王子殿下はどうしてこの国の学園に?」
「ウェン君って言ったよね!シャルロッテ様の付き人だなんて羨ましい!それに特待クラスに入れるなんて凄いよ!」
三人は数多くの質問や賛美に目が回る様な思いであった
しかし全ての質問に三人は丁寧に応えていてそんな様子に対し、クラスメイト達が三人に抱く株は急上昇するのであった。




