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18/23

決してこのご恩は忘れません!

 マデリンの素材屋を出てから六日。

 雪霧山が視界に入るようになった辺りから、気温が明らかに下がりはじめ、麓まで辿り着く頃には、凍えそうなほどの寒さを感じるようになった。


(まるで突然、春から真冬に飛ばされたようだな)


 鼻の頭を真っ赤にさせたヴァルブルガは、先ほどからくしょんくしょんとくしゃみをしている。

 ブラッドは無言で自分の荷物を漁ると、マフラーを取り出した。


「ほら、首に巻いておけ」

「……! わ、わかった!」


 驚きながら受け取ったヴァルブルガが、「うんしょ」と言いながらマフラーを巻こうとする。

 ヴァルブルガ本人はいたって真剣だが、マフラーは首ではなく顔全体を覆ってしまった。


「あれ……前見えない……」


 視界を覆われたヴァルブルガがよろよろとなる。


「何をやっているんだ……」


 ブラッドは呆れながら、渋々手を貸した。

 ぶらんと両手を垂らしたヴァルブルガは、されるがままの状態だ。


(風邪を引かれたら、足手まといに輪がかかる。だからそう、これは別に優しさなんかじゃない)


 心の中で自分への言い訳を呟きながら、ヴァルブルガをマフラーでぐるぐる巻きにする。


「これでいいだろ」

「わあ、あったかい……ふふっ。ブラッド、ありがと!」


 うれしそうにニコニコ笑っているヴァルブルガのことは見ないふりをし、お礼の言葉は聞こえないふりをする。


「先へ進むぞ」


 ブラッドがむすっとしたまま歩き出すと、子供の足音が慌てたようについてきた。

 ヴァルブルガには明らかに懐かれているし、ブラッド側もたびたび距離を見誤っている自覚があった。

 ヴァルブルガは復讐相手だ。

 それは揺るぎない。

 ただ、その自覚が旅を続けている間に、少しずつ薄らいでいっているような気がして、ブラッドは焦りを覚えた。


(これ以上、面倒な事態になる前に、さっさとヴァルブルガを元に戻さなければ……)


 ブラッドが物思いに耽っていると、いつの間にか視界の先に、雪霧山の麓に広がる小さな里が見えていた。

 ルッツという名のその里は、雪霧山に抱かれるようにひっそりと存在していた。

 ブラッドたちのいる丘からは、茅葺き屋根の小屋が点在しているのが見える。

 すべての家の煙突からは、細い煙が立ち昇っていた。

 春だというのに、暖炉を焚いているのだ。

 それも当然だと思いながら、ブラッドは聳え立つ雪霧山に視線を向けた。

 猛吹雪に襲われる雪山は、白く煙っている。


(まずは里の宿屋で暖を取ってから、山を調べに行くか)

「おい、ヴァルブルガ」


 ヴァルブルガにも一応声を掛けておこうとした時――。

 ブラッドは、自分たちに気づいた里人が、一目散に集まってくるのに気づいた。

 毎度ながら、人見知りをしたヴァルブルガが、ブラッドの足の間にサッと隠れる。

 近づいてきた里人たちは、一様に不安そうな表情を浮かべていた。

 ブラッドが訝しげに眉を寄せると、先頭にいた五十がらみの男が、切羽詰まった態度で話しかけてきた。


「ギルド派遣の冒険者様でいらっしゃいますね……! お待ちしておりました……!! どうか我が里をお救いください……!!」


 男が叫ぶのと同時に、里人たちがガバッと頭を下げる。

 ブラッドは、素材収集家のサンダースが言っていた内容を思い出した。


『雪霧山の麓にあるルッツ里が、ギルドを通して冒険者に何度も調査を依頼したんだが、自然現象ではないという事実以外、原因はわからずじまいでなぁ……』


 里人たちが誤解していると気づいたブラッドは、素っ気ない態度で否定した。


「俺たちはギルドとまったく関係ない」

「あっ。そ、そうでしたか……」


 里人たちはわかりやすく肩を落とした。


「里長、やっぱりうちの里は、国やギルドから見捨てられてしまったんじゃ……」

「うむ……残念ながらその可能性が高そうだ。緊急依頼に対する返事の催促だって、もう何度出したかわからん。それなのに音沙汰はないままだしな……」


 ルッツの里は、雪霧山で得られる素材で生計を立てているとサンダースが言っていた。

 山に入れない状況が続けば、生活だって困窮するだろう。

 ギルドに見放されれば、里人たちにとっては死活問題となってくる。

 里長をはじめとする里人たちが、絶望するのも無理はない。


(彼らが困っていようが俺には関係ないが)


 ブラッドが一歩引いた目で、そんな考えを抱いた直後だった。


「ね、ね! ブラッドに助けてもらえばいいよ。だってブラッドとってもつよいもん!」


 ブラッドの足の間から顔を覗かせたヴァルブルガが、とんでもないことを言い出した。

 慌ててヴァルブルガの口を覆って、後ろに引き下げたが後の祭り。


「とってもお強い……!?」


 そう叫んだ里長を筆頭に、しょぼくれていた里人たちが、瞳を輝かせてにじり寄ってくる。


「どうか力をお貸しください……! 見捨てられたこの里にあなた方が現れたのも、何かの縁のはず! どうか、どうか……!」


 下手をしたら縋りついてきそうな勢いだ。

 ブラッドは里人を救うために麓を訪れたのではない。

 とはいえ猛吹雪の原因を突き止め、雪霧山に入って素材集めをしたいというブラッドと、里人たちの目的はほぼ一致していた。


(ひとまず情報収集しておくか)


 里人の話を聞こうと思った理由はそれだけだ。


(断じてヴァルブルガが手助けを求めたからではないからな)


 ヴァルブルガと関わるようになってから、自分へ幼稚な言いわけをする機会が増えた気がする。

 ブラッドはその事実を忌々しく思いながら、里長に視線を向けた。


「過剰に期待されても困るが、話だけは聞かせてもらう」

「ああ! ありがとうございます! ありがとうございます!!」

「だから過剰に反応しないでくれ」

「は、はい……!」

「雪霧山が猛吹雪で閉ざされた原因に心当たりはあるのか?」

「ええ。雪霧山は今、山の主のお怒りによって閉ざされてしまったのです……。私たち里人ではどうすることもできません」

「山の主?」


 突然突拍子もない話が出てきたと思いながら、尋ね返す。


「雪霧山の頂上には、数百年前から氷竜フリギアが巣を設けており、主として雪霧山を守り続けてくれていたのです」


 氷竜フリギアが一鳴きすると、山に冬が訪れ、二鳴きすると春がやってくる。

 そうやってフリギアは、雪霧山の季節の移り変わりを管理してくれていたのだという。


「ところが今年の冬、フリギアの悲痛な鳴き声が止まない夜がありました。その晩からひどい猛吹雪がはじまり……。以来、天候は荒れたままなのです。何かが山で起きて、フリギアの怒りに触れたとしか思えません」

「ギルドに氷竜の件は話したのか?」

「もちろんです。……でも逆効果だったようです。ギルドからは、『里側の主張は憶測の範囲を出ないが、もし本当に氷竜の仕業なら、Sランク以上の冒険者でないと対応はできない』と言われてしまい……」


 それから何度問い合わせても、ギルドから返事がこなくなったのだという。

 Sランクといえば、冒険者の中でも一握りの存在だ。

 地方のギルドが斡旋するのは、かなり困難なはずだ。

 ギルドが意識的に里を見捨てたかどうかはわからないが、恐らく何度問い合わせたとて、助けはこないだろう。


「世界平和推進結社に助けを求めようという案も出てはいるのですが、伝手など一切なくて……」


 伝手があったところで、この辺鄙な里のために、世界平和推進結社が動くとは考えづらい。

 なにか彼らにとって特となる要素があるのならまだしも。

 とはいえわざわざ真実を教えて、里の人々を今以上に失望させる必要もない。

 ブラッドはさりげなく話の流れを変えた。


「里の考えとしては、氷竜フリギアの問題を解決させれば、猛吹雪が収まり、再び山で素材採集ができるようになるというわけか」

「恐らくは……!」


 竜は魔物の中でもかなり手強い存在で、竜討伐といえば、騎士団クラスの部隊を用意するのが普通だ。


(それでも戦い方次第では倒せなくもない)


 当初の予定通り宿屋で暖を取り、ヴァルブルガをある程度回復させてから、山へ向かおうと思った時――。


「誰か……!! 誰か来てーッッッ……!!」


 突然、助けを求める悲痛な声が里中に響き渡った。


「あれはフレイヤの声では?」

「まさかヨナスの奴、山に入ったんじゃ……!?」


 里長の発言を聞いた途端、里人たちは一斉に青ざめた。


「冒険者様、どうか我々と一緒に来て下さい……! あなたの協力が必要な問題かもしれんのです!」

「待て。俺は別に里の問題を引き受けるとは一言も――」


 断るより先に、里長たちは悲鳴がした民家へと向かってしまった。

 その後をついていこうとして、ヴァルブルガが駆け出す。


「こら、ヴァルブルガ!」


 呼び止めればピタッと止まって振り返る。

 しかしこちらを見上げてくる瞳は今にも泣き出しそうで、心配で仕方ないという気持ちが嫌というほど伝わってきた。

 相変わらずこのヴァルブルガは正義感が強く、困っている人を見捨てられないらしい。


「助けてほしいひとがいるみたい……」

「だからなんだ。俺たちには関係ないだろ」

「でもでも……うぅ……」

「……」


 ヴァルブルガの感情などどうでもいいはずなのに、ブラッドの口から舌打ちが零れ落ちる。


「ったく……。あくまでも山に入るための情報収集をするだけだ。面倒なごたごたに首を突っ込んだりはしないからな」


 真面目な顔でヴァルブルガがこくこくと頷く。


(本当にわかっているのか怪しいな……)


 そんなことを思いながら、再び走り出したヴァルブルガの後を追って、声が聞こえた民家へ向かう。

 ブラッドとヴァルブルガが遅れて辿り着くと、ちょうど家の中から、血相を変えた女性が飛び出してくるところだった。

 女性は里人たちの姿を見るなり、助けを求めて泣き出した。


「主人の姿が見当たらないんです……! 登山用の道具が一式なくなっていて……!」

「ヨナスめ、あれほど言って聞かせたのに山へ入ったのか……!」

「今日は朝からあの子の調子が悪くて……。だから、うちの人きっと……」

「くそ……。だとしても無謀すぎる……!」


 そう呟いた里長をはじめ、集まった人々が苦しげな表情を浮かべる。

 ブラッドの視線は、青ざめて涙を流す女性の肩越し、開け放たれたままの扉に自然と向いた。

 狭い部屋の中、小さなベッドに横たわる苦しげな子供の姿がちらっと見える。

 ブラッドの様子に気づいたのだろう。

 静かに隣にきた里長が、忍びなさそうに事情を説明してきた。


「ヨナスの幼い娘メイは肺の病に冒されているのですが、症状を緩和させる薬草が採集できるのは、近隣だと雪霧山だけなのです。雪霧山に入れないため、薬草の在庫は切れてしまいました。薬を飲めない日が続き、メイは日に日に弱っていっています。昨日もひどい発作を起こしたので、ヨナスも耐えきれなくなったのでしょう……」


 白く霞む雪霧山を振り返りながら、里長が重い息を吐く。

 病であれば、回復魔法ではどうすることもできない。

 薬が入手できず苦しむ我が子をただ見ているしかないなんて、親にとっては胸を抉られるほど辛いはずだ。


「ヨナスはただの木こりです。吹雪に備える魔法など一切習得していない。それで今の雪霧山に向かうのは自殺行為だ……」


 里長が絞り出すような声で言うと、ついにヨナスの妻は泣き崩れてしまった。

 里人たちの中にも、すすり泣く者が何人もいた。

 ヴァルブルガは先ほどからずっと、ブラッドの腕を両手でぐいぐいと引っ張っている。

 何を訴えかけているのかは尋ねずともわかった。


「冒険者様、どうか、この通りです……! 雪霧山へ向かってください……! そしてもしヨナスを見つけ出せたら、里へ戻るよう伝えてください……!」


 ブラッドはやれやれと首を振った。

 同情はするが、安請け合いはできない。


「ヨナスも助けろ。猛吹雪もなんとかしろ。あわよくば薬草も入手したい、と言いたいのか?」

「うっ……。欲張ったお願いをしているのは百も承知です……。ですが誇張でもなんでもなく、私たちにとって、あなたは最後の希望なのです……!」

「そもそもヨナスというその男。赤の他人が忠告して従うと思うのか?」

「それは……」

「親は子供のためなら、躊躇せず命をかける。誰かに止められるものではない」

「……」


 ブラッドの言葉が正論だったからこそ、里人たちはやるせなさそうに俯いた。

 けれど里長が黙り込んだ後も、ブラッドの手を揺さぶるヴァルブルガの力だけは変わらなかった。


◇◇◇


 予定通り酒場で小一時間ほど休憩を取った後、ブラッドはヴァルブルガとともに雪霧山の登山口へと向かった。

 里の人々は遠目から様子を眺めているが、さすがにもう強引に助けを求めてきたりはしなかった。


(ヨナスはすでに凍死しているかもしれない)


 希望を与えれば、裏切られた際に倍傷つく。

 だからブラッドは、里長の申し出を突っぱねたのだった。


(さてと、まずは探知魔法を使って、山の様子を調べてみるか)


 ブラッドは里の人々を無視し、自分のやるべきことだけに集中した。

 ブラッドが魔法を発動させると、彼を指針として、波動のように流れ出した魔法の霧が、みるみるうちに裾野へと広がっていった。

 そのまま数秒待っていると、霧がキラキラと光りだした。

 これは霧が魔力を感じ取っている証だ。

 かなり強力な魔力を。

 霧を通して、魔力の冷たく鋭い波動が跳ね返ってくる。

 これで確定した。

 季節外れの猛吹雪は、やはりただの自然現象ではない。

 しかも竜のように強大な力を持つ魔物でなければ、これほどの規模の魔法を長期間にわたって維持するなど不可能だった。

 詳しくは山に入ってみないとわからないが、やはり里長の推測は正しそうだ。

 この超常現象の背後には、氷竜フリギアの存在を強く感じた。


(となると、どうするべきか)


 素材を集めるためには、山中へ分け入っていかなければならない。

 とくに記憶の果実のようなレア素材は、崖の先端などで見つかる率が高い。

 猛吹雪の中で崖を下るのは、さすがに無理がある。

 そもそも猛吹雪による視界の狭さでは、素材探しなど到底できない。


(記憶の果実を探すには、まず氷竜フリギアを見つけ出し、猛吹雪をなんとかする必要があるな)


 氷竜フリギアが魔法で猛吹雪を起こしているのなら、氷竜フリギアを退治すれば問題は解決するはずだ。

 竜は山の頂きに巣を作る習性がある。ひとまずは頂上を目指そうと思った。

 ヴァルブルガのことは仕方なく抱きかかえている。

 魔法で防寒対策をしているとはいえ、視界の悪い猛吹雪の中だ。

 一瞬でもはぐれれば間違いなく見つけ出せないので、こうするしかなかった。

 ヴァルブルガの面倒を見るのは不本意だが、遭難したヴァルブルガを探す手間を考えれば、この方法を取るのがベストだ。

 しばらくは黙々と進んだ。

 雪霧山を半分ぐらいまで来た時だった。

 風の音の中に、か細い呻き声のようなものが聞こえた気がした。

 気のせいかもしれないが、念のため聴覚強化の魔法を発動させてみる。


「うぅ……くそぉ……」


 人の声だと理解した途端、出発前の出来事が脳裏を過った。


(例の父親か)


 病の子供のため、薬草を収集しようとして、無謀にも猛吹雪の山に向かった男ヨナス。

 彼は半ば雪に埋もれた状態で、道の途中に倒れていた。

 防寒着を身に纏ってはいるが、この寒さでは効果はあまり期待できない。

 もしもブラッドが見捨てれば、ヨナスは間違いなく凍死するだろう。


「ブラッド! このひとカチコチ!」


 ヨナスの傍らにしゃがみこんだヴァルブルガが、必死な様子で振り返る。

 ブラッドは溜め息を吐いてから、回復魔法を発動させた。

 回復魔法の光に包まれたヨナスの顔に、少しずつ生気が戻っていく。

 寒さに震えていたヨナスの体が落ち着いていくのを見て、ヴァルブルガがホッと息を吐いた。


「もうだいじょぶだよね?」


 確かめるようにヴァルブルガが尋ねてくる。

 ブラッドは無言で頷き返した。

 しばらく見守っていると、ヨナスの瞼がゆっくりと開いた。


「私は一体……?」


 混乱しているヨナスが辺りを確認する。


「遭難して倒れているところを俺たちが見つけたんだよ。君はヨナスだな。嫁さんや里長たちが心配していたぞ」

「……! 確かに僕はヨナスですが、あなた方は……? ……いえ、それよりもまず、ありがとうございます……。あなた方が僕を助けてくださったんですよね……? あなた方は命の恩人だ……」


 いちいち恩を着せるつもりもないので、ブラッドは素っ気ない態度で聞き流した。


「そこまで感謝する必要はない。頂上を目指す道中に、君がたまたま倒れていただけだ」


 捜し出してまで救おうとしたわけではない。

 そう突き放したつもりだが、ヨナスはいっそう食いついてきた。


「頂上を目指す? でしたら、どうかお願いです! 僕も一緒に連れていってください……! 娘のため、薬草を手に入れなければ、里へ戻れないんです……!!」


 ブラッドは眉間に皺を寄せたまま、来た道を振り返った。

 猛吹雪の中、ヨナスが道に迷わず、一人で戻れるかはかなり怪しい。

 だからといってこの男に付き添って、来た道を戻る気にはなれない。

 間違いなくこの後、自分は氷竜フリギアと対峙することになるだろう。

 戦闘になればヨナスが足手まといになるのはわかりきっている。


(ただでさえヴァルブルガというお荷物を抱えているというのに)


 今更善人ぶって、たった一人の心優しき父親を救ったところでなんだというのだ。



『もう、ブラッド。あなたってばいつもそうやって悪い人のふりをするんだから。あなたの心の一番深い場所に、とても優しくて温かい気持ちが存在しているのを、私はちゃんと知っているのよ?』



 まるでブラッドの心の声に答えるかのように、ルクスがかつて伝えてくれた言葉が蘇ってくる。

 ブラッドは絶句したまま、ズキンと痛んだ胸の辺りに手を当てた。

 決して意図的に思い出そうとしたわけじゃない。

 むしろ踏み留まるきっかけなど、与えてくれないほうがよかった。

 しかしルクスの声が聞こえてしまった以上、彼女に否定されるような行動は選べなかった。

 どうやらヨナスは連れていくしかなさそうだ。


「ついてこい。ただし足手まといになるのなら、容赦なく置いていく」


 そう声をかけた途端、ヨナスの顔に安堵の表情が広がった。


「ありがとうございます……! 決してこのご恩は忘れません……!!」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
ぐるぐるまきヴァルかわよ うーん 処すのが難しくなっていくねぇ
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