表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

光より早い男

作者: アァノルド

ベイビー、俺はあんたより何だって早かった。


飯を食うのも、眠るのも、仕事を辞めるのだって断然早かった。


冬の街角で迷子になった子猫ちゃんのようなその瞳を、

最初に明るくしたのも俺なんだ。


あんたが過去を見る時に、

移り行く木漏れ日すら呪う勢いで険しくなる瞳が、

いつか孫を見守る優しい婆さんのように慈しみで溢れるように、

俺はあんたの過去を作っていこうと決めたんだ。


一番最初にあんたを幸せにしたのは俺だ。


そうやって、ずっと、ずっと記憶の一番を走り続けるんだ。


そして最後に俺は

「やっぱり俺の方が早かった」って笑って言って、

大切なあんたの過去になりたいんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ