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プロローグ

夜の街(ソンスゥ・ジチェ)


「今回、俺たちが受けた依頼はこの街で起きている失踪事件を解決することだ。」


「でも、私たちに探偵仕事は出来ませんよ?」


「今回の依頼者はシャドーマンの王、ジビメル・デトロンだ。どうやら犯人が出現するポイントが3つに絞れたらしく、そこに俺たちゼクセルトと、ブルームーン、猛虎伏草が待ち伏せを仕掛ける。」


街の至る所にランタンが置いてあり、暗闇を仄かに照らしていた。


ギルド:ゼクセルトの主力5名しかこの場にはいない。


「それで、リーダー。決行はいつなんですかい?」


「……3時間後だ。」


時間を聞き、リーダーと呼ばれた男を除いた全員の表情が驚愕に染まる。


「元々は2箇所だったらしいが、急にもう1つ怪しい箇所が出てきて、丁度この街に滞在していた俺たちに依頼が回ってきたんだ。急ですまないが、準備を整いておいてくれ。」



夜の街(ソンスゥ・ジチェ)では失踪事件が相次いでいた。失踪事件とは言うものの、シャドーマンは絶命すると影結晶(シャドウクリスタル)になるため、姿は残らないから失踪事件と言われているが、影結晶(シャドウクリスタル)を狙った殺人事件と言う者もいた。


「みんな、持ち場につけ。赤星はスキルでシャドーマンに変身して囮役を頼むぞ。」


「また囮役か〜。絶対助けてくださいね?」


囮役の赤星が襲われてもすぐ加勢出来るよう、残りの4人は建物の上で待機していた。


赤星が大通りから裏路地に入った時、ヤツは現れた。


赤星の正面からゆらゆらと動いている人影が近づいてくる。


遠目に見る限りでは、ボロを纏った酔っ払いに見えるが、近づいてくるうちにそれは間違いだったとわかる。


ゆらゆらと歩いているように見えていたそれは薄れた漆黒のローブが体を包み込むかのように発するオーラで、足取りはきちんとしたものだ。


「リーダー、あれが絶対犯人じゃない?、もうやりませんか?」


隣から小声で提案されるが万が一、犯人じゃなかったとすれば?俺たちが無関係の人を攻撃したことになってしまう。


せめて、攻撃の動作が見えてからじゃないと……。


そう思ったことを俺はすぐに後悔することになる。


赤星と謎の人物との距離が4メートルのときそれは起こった。


謎の男から黒いモヤが溢れ、赤星の周囲を覆ってしまった。


「黒いモヤに触れても危なくないのか」とふと頭によぎるが、黒いモヤに包まれてしまった赤星の安全を確保することが優先だ。


無事でいてくれっ!!


全力で黒いモヤに突っ込んだ俺の視界に映ったのは、ニタニタと薄気味の悪い含笑する男が上半身だけになった赤星を掲げているところだった。


「なんだ、人間じゃないか。」


人を殺しておいてどうして笑っていられるんだ!?


「よくも、赤星をおお!!」


「うん?欲しいのはお前たち(けいけんち)じゃないが……。」


完全装備の仲間たちが一瞬遅れて黒いモヤの中へ飛び込んでくるが、謎の男を見た瞬間怒りに任せて突撃を仕掛ける。


ギルド:ゼクセルトの主力である5名は平均40レベルとかなり高い。人は最大50レベルまでしか到達できないことを考えたら、この謎の男に待っているのは死、ただ1つであろう。


男は、赤星の死体を盾にして攻撃を防ぐと、「憑依覚醒」と唱えた瞬間、今までオーラを放っていた薄れた漆黒のローブからオーラが消えると、代わりに頭の上よりも高さがある大きな魔法陣が出現した。


「巨大な魔法陣を背負った魔法使い……もしかしてあの!?」


"背に背負った魔法陣から降り注ぐ攻撃は魔の巣窟(ダンジョン)を破壊した。"


"最も影響力のある巨大ギルド猛虎伏草を1人で出し抜いたやつがいる。"


"非道な数々の事件の犯人は同一犯である"


男はゼクセルトの面々を起動した魔法陣の力によって周囲の建物諸共焼き払った。


「結構な経験値入ったはずだが、やはりレベルは上がらないか。」


その場にただ1人生きている男は何事もなかったと言うかのように、来た時と同じく、軽い足取りでその場を後にした。

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