第8話 【ランクアップと魔法】
火をつけられた。着火剤ってどんな物があるのだろう街に戻ったら見せてもらおう。
火が手に入ったから、キラーラビットの肉をじっくりと炙る。火が小さすぎて焼くというよりも炙るという表現が正しいのだ。だけど、炙ったけど肉から落ちた脂によって火のサイズが一時的に大きくなったり小さくなったりしたおかげで、肉に火が通った。少し焦げたけど食べれそうなくらいである。
二人の分も同時に焼けていた。不安そうな顔でこっちお見てきた。思い切ってかぶりついた。食べれはした。しかし、あまり美味しくない。脂身落ちてしまっているから、旨味がない。味付けを少しでもできたらよっかた。少し食べたら、もういらなくなってしまった。けど、二人は足りなかったらしくまだ食べている。しばらくすると、キラーラビットの肉が全部なくなっていた。三人で火を見つめていたら、二人がほぼ同時にあくびをした。
「二人とも横になっていいよ。」
眠そうな顔で驚いていたが、二人が目を合わせて。
「じゃあ、横にさせてもらうわ。」
火の番をしながら、あたりの様子を見ていた。道沿いで横になったけど、人が通らない。人の気配もないが、魔物の気配もない。魔物の気配がないのが唯一の救いだな。
。。。何もしていなさ過ぎて、とてつもなく暇である。魔法の練習をしてみるか。異世界に来て特別な力みたいのがなんかあるわけではないが、魔法の適性があることがわかった。魔力を込めて、イメージする。魔力を込めることが難しい。魔力というものがどういうものかわからない。瞑想とかできる限りのことをやったが上手く行かない。
上手くいっても、黒い煙のかすみたいのが少しヒョロと出るくらいだった。無属性の魔法ってどうやんだろ、自己呪文って言ってたけど…なんもわからん。
練習を続けてたら、いつの間にか空が明るくなってた。全然眠くならなかったな。一睡もせずに朝が来てしまった。この二人一切起きそうにないな。野宿なのに。
日の出なんて見たの何年ぶりだろ。テスト前でも、徹夜なんてそうそうしていなかったかな。途中で寝落ちしてたし。
日が昇り始めて、影がなくなり始めた。影がなくなり、日に照らされて起きた。
「おはよぉーう」
めっちゃ気の抜けた感じで挨拶された。
「ん?日が昇ってる!」
気の抜けた感じから青ざめていく。焦り始めた。
「え!?私たち、一晩しっかり寝ちゃってた!?」
「うん、一切起きずに寝てたよ。」
あたふたし始めた。謝ってきてる。野宿であんなにぐっすり寝てたのだから、起こす訳にもいかないから寝かせてたけど、こんなことになるなら起こしといたほうが良かったかもしれない。
二人が多少の身支度が終わるのをまって、街に向かう。
街に向かう途中に何度か魔物に遭遇したけど、難なく討伐することができた。
街について早速ギルドに向かった。
依頼のものと、買取を行ってもらった。
ギルドに狩った魔物を報告して、点数を貰った。点数が上がるとランクが上がっていく。それでも、上位ランクは、ギルド内の3パーセントにも満たない。才能のないやつは、Aランクにもとどかないらしい。死んだわけではないから、生きてあっちの世界に帰りたい。方法探す。依頼の薬草を出した時に、山のようにあったからギルドで注目の的になってしまった。ギルド受付のお姉さんの目が点になってた。夢でもみているのでは、という間抜け面である。
顔を横に振り、
「でも、この中に毒草が混じっていたら罰金だからね。」
罰金の話は、知っていたから対して驚かない。それに、鑑定によって、毒草が混じってる可能性はない。でも、やっぱり取りすぎだったようだ。ギルド員が真剣に毒草がないか、丁寧に確認している間に、次の依頼を探していた。ギルド員のほとんどが付きっきりだったから、周りの目がすごく痛かった。1時間弱たった時にようやく呼ばれた。顔がすごく青くなっていた。
「薬草数、5642本。毒草数、0本。よって、依頼達成と、報酬です。薬草10本で銅貨1枚なので銅貨4枚。銀貨6枚。金貨5枚です。依頼の達成報酬で、ギルドランクの昇格を認めましょう。通常ならGランクの次は、Fランクなのですが、依頼の量の数十倍を取ってきたので、特別にEランクへの昇格を認めると。ギルド長からの通達もここに。ギルドカードの色も変わった。」
青色のギルドカードになった。
まさか、Eランクになるとは思わなかったから、Fランクで受けれるのを探していたけど、せっかくだからEランクの依頼を引き受けようと思う。
ギルド内がすごくざわざわしていた。あちらこちらから
「おい、薬草依頼だけで、Eランクになってるぞ!」
「あの量の薬草の中に1本も毒草が混ざっていなかったのかよ。。。」
「ギルド登録2週間でEランクなんて見たことないぞ。」
と、色々と声が飛び交っていた。
Eランクだから初心者じゃなくなったわけか。
討伐依頼があるらしい。まだ、字が読めきれない。どうやら、キラーラビット討伐依頼があるらしい。キラーラビットなら倒せるから問題ない。
「えっと、キラーラビット討伐 依頼数18体。」
「なかなか多いいわね。」
18か〜。なかなかに多いいな。多分行けるだろう。
「これにしよっか。」
二人を見つめる。二人が首を縦に振ってくれた。
「1日で18体って訳でもないですしね。」
1週間もあるし、平気だろ。受け付けに出して、依頼を受ける。
ギルドから出て、どこ行こうか悩んでいたから、
「魔法の練習したいんだけど。」
二人がハッとした顔でこっちを見てくる。
(忘れられてた〜(ガーン))
「今から練習しましょ。」
時間あるしやるか。今ギルドを出たのに、すぐに裏庭に出た。
魔法の使い方をやったりするのは、ギルド近くの方がいいのだろう。ここなら、いざと言う時も何とかなるかもしれないから。
魔法は、イメージの具現化。詠唱なしは、イメージのみ。
(闇の玉、闇の玉。出ろぉー。右腕に力を入れる。右手から出るのをイメージする。)
魔力の元から右腕に血液が流れるように。流れをイメージする。心臓の鼓動もしっかりイメージして、呼吸をゆっくりして、
「ここ!」
目を開けると、目の前に闇の玉ができていた。これが動くように、素早すぎないように丁寧に。
「はっ!」
ぷかぷかと浮かぶ黒い玉。10秒くらいした後に、空中で分散した。
クソ弱かったが、一応魔法を放つこと後できた。
「魔法は、練習あるのみよ。」
と、励まされた。まだ、字も読めないのに。
闇魔法は、何となくわかってきたけど、無属性魔法は、自己呪文って言ってたから、自分に付与するようなイメージ?なのかな?
「無属性魔法ってどんなイメージしたらいいの?」
「無属性魔法は、できる魔法が基本的に決まってるのよ。」
できる魔法が決まってる?他人にできて、自分が出来ないってものもあるってことかな?
「私は、能力が上がる系の魔法が使えるくらいなの。具体的なイメージの仕方は、自分の力が強くなるイメージを強く持つ事ね。」
んー。難しい。決まってるって会ったから、強くなるものじゃないのかな?
「無属性魔法って他にどんなのあるの?」
自己呪文だと強化しか思いつかないけど。
「そのための魔法書よ。」
あー。なるほど。だから、魔法書を買ったのか。
「種類とかが、書いてあるので、それを参考にして魔法を習得するの。」
参考書?いや、資料集だな。
魔法書をペラペラとめくりながら見ていく。
生き物と仲良くなる魔法。力を強くする魔法。時間を巻き戻す魔法。癒し魔法。幻影魔法。封印魔法。探知魔法。
幻影魔法とか封印魔法って、闇魔法でもやれそうだけどな。少しずつ試して行くしかないかな。イメージをより鮮明にするように。転送魔法とかあったら楽そうだな。