第2話 【剣との出会い】
眩しい光で意識を失った僕は、何故か寝た状態になっていた。
「ここは。なんじゃこりゃー!!」
夢の見すぎだっと思ったものが、まさか現実になるとは一切考えなかった。いや、夢かもしれない。頬をこれでもかっていうぐらいに強くつねる。
「い、いたい。」
夢じゃないのかよ。ここはどこだ。アニメの知識だと、明らかに異世界ではあるけど。異世界があるなんて考えられない。まだ、異世界と断定するのは早い。世界中を探せば、このような場所は見つかるかもしれない。
しかし、この考えも一瞬にして壊される。なんだ、あの空を飛ぶ生き物は。地球では、あり得ないような生き物がしっかりいいきている。
あたり全体原っぱだけどここだけ、木陰がある。俺は、木陰で寝ていたのか。あたりを見回しても人の気配はない。人が作ったであろう道もない。少し遠くに森が広がっている。森に迷ったら、大変だけど魔物いるのなら冒険者とかいるのでは。と半分希望と、投げやりの感覚で、森に入り込むことにした。ただ歩いてもほとんど近づいてる気がしない。遠すぎる。歩いているだけで一日たちそうだ。気が遠くなる。水も飲んでいない。気温はそんなに高いわけでは無いが、太陽に近いなにかが常に日を出すから、体力をジリジリと奪っていく。足元もふらついてきた。なんでもいいから杖になるもの、それか、水がほしい。
「ゲフッ!」
何かに躓く。足がふらついていただけに盛大に転んだ。
「痛い、何に躓いたんだ?」
盛大にころんだのに案外冷静だった。異世界に飛ばされること以上に驚くことはないから。結構転んで吹き飛んだので、躓いたものを見に戻ると、鞘に収まっている剣が落ちていた。鞘は、驚くくらいに錆びていた。近くに人はいないし、誰の落とし物なんだ?錆び方から見て、だいぶ時間が経っているのがわかる。手に取ってみた。鞘から、剣を引き抜いてみた。剣が輝いた。鞘の錆び方から見たらおかしなくらい綺麗だった。見た目以上に軽い感じがする。
「うわ、なんだ!?きれいすぎる。」
剣を抜いてみて、しっかり見たら声が出ないほどに美しく光っていた。
「これ程のものなら、森に入って危険な生き物がいても対処できるな。だいぶ振りやすいし。」
ただ、本当にここはどこなんだ。改めて、剣が落ちているということは、日本では絶対にない。てかこんな広い場所を知らない。地球上にある場所なのか?。てか、夢じゃないよな、もう一度、自分で腕をつねったが普通に痛い。現実だ。やっぱり異世界なのか。本当にそんなことあるのか。異世界ってことは、俺は、死んだのか!?
後輩が亡くなって二週間しない間に俺も亡くなったら、学校大混乱だろ。森まであとほんの少しだ。頑張って歩くしかないだろう。
頼むから冒険者いてくれ。冒険者じゃんくても、人がいてくれればいい。一人でいる時間を減らしたい。そろそろ、誰かと喋りたい。
何日間も歩いてようやく着いたと思ったら早速、めちゃくちゃでかい猪の化け物に襲われた。俺を見るなり思いっきり突っ込んできた。突っ込んでくる割には、遅い。体格があるから、遅いのはわかるけど。これで、人を殺せるのか?てか、生きていくことすらできるのかよ。
脚は俺より遅いなら。突き放して、返り討ちにしてやる。突っ込んでくるだけなので、急に止まり軽くステップを踏んだら、きれいに惑わされてよろめいていた。軽く避けながら、剣を地面に斜めに突き刺した。そしたら、猪が剣に足をかけながら転倒した。まさかのこれが、剣が猪の足を切った。猪が立ち上がろうとしたら、猪が一気に倒れた。しっかりと横になっている、おかけで首を狙いやすい状態になっていた。猪はもがいていたけど、これも自然の世界。弱肉強食だと考え、猪の首に苦しめぬよう、急所を狙って、剣を突き立てた。猪の動きが完全に止まった。
変な気分である。いくら、弱肉強食だと言っても自分の手で生き物を殺すのは、なかなかにしんどい。切り替えていくか。切り替えられるのか。今回たまたま、人でないだけでこれからもしかしたら人を殺すことになるかもしれないと考えると切り替え切れるか不安になってくる。しかし、ここが異世界なら多分これが現実だ。今は、取り敢えず友好的に接してくれる人を探すのが先であろう。気合を入れ直す。
「よし、森に入るか!」
意気込みを口にして森に向かった。口にすることで気持ちが入る。
猪以降、魔物?化け物は出てこない。興奮で忘れていたが、だいぶのどが渇いていること思いだした。取り敢えず耳を立てて、川がないか探してみた。耳を澄ませたら、水の流れる音がした。早急に水を取り入れるべきだと思い聞こえる方に歩いた。道という道じゃないから木を乗り越えたりしながらだけど、川に向かった。なんとか川に辿り着くことはできた。この水が安全かなんてことはわからないが、水を取らないと倒れる。数日ぶりの水はとてもおいしかった。ひんやりしていて、とてもおいしかった。水を十分なくらい取り込んだ。もしかしたら、もう一度ここに戻ってくるかもしれない。目印を残して、森の散策に出た。
森を彷徨う中、物音がした。気になった、それに、もしかしたら人がいるのかと思い、急いでそっちに向かうと、2人の少女が、さっきの猪と同じもの2匹と戦っていたが。見るからに劣勢であった。急いで猪に斬りつける。が、しかし避けられた。大振りすぎた。一応、少女たちの目の前に立つ。そして猪と目を合わせる。もう1匹もこちらを見ている。両方の攻撃に警戒して、剣を向ける。1匹が突進してきたが、やはり対して早くはなかった。軽く避けたが、すぐさまもう1匹が突進してきた。完全に視界の外で、ずらしてきたので避けきることができなかった。避けきることはできなかったが、なんとか剣で反応することができて攻撃をもろに喰らわなくてすんだ。けど、やはり腕にはダメージが入っていて、だいぶしびれた。それに、軽く吹き飛ばされてもいる。耐えきれたが2発目はまだしも3、4発目と続くと流石に耐えられるか怪しい。守りながらだとなおさらに。早急にかたをつけるべきである。守りの体制から、攻めの体制に変えた。集中すれば、勝てる!
体制を考えて一つ一つの動作をよく確認した。さっきみたいな、運に任せたような戦いではだめだ。確実に勝てるように。剣の型を知っているわけではない。当てずっぽうだけど、それらしい、行動ができるように考えながら体を動かした。攻撃は簡単な、上から下に下げる攻撃。下から上にかけて振り上げる攻撃。右から左に流れるような攻撃。この3つを駆使して、2匹の猪の攻撃を捌きながら、隙がないかを確認し続けた。やはり、人でないから隙だらけである。隙が見えてもすぐに隠される。2匹もいると攻撃を躱しきれない。躱しきれても、攻撃をするタイミングが無い。2匹を同時に相手にするのは、流石に無謀だったのか。
いや!諦めたらそこで終わり!諦めたら、もしかしたら死ぬ世界。それに、いま、俺がここで諦めたら、あの2人の女の子たちに攻撃が向く。明らかに消耗仕切っている2人に攻撃が行ったら、ほぼ確実に2人がやられる。そうなったら、絶対に後悔する。こういう、後悔は絶対に一生ついてくる。後悔はしたくない。諦めたくない。負けたくない。生きて、元の世界に帰りたい。この2人を守りきりたい。後悔したくない。人として、自分としてここは、正々堂々戦って勝つしかないだろう!