Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の三十六
メイが部屋を出てすぐ、次のメイドがやって来た。
「滝宮遥香です」
ハルカは二十台前半の女性でリュクスショートに茶色の髪をしていた。
「座って下さい」
優人に言われ、ハルカは座った。
ハルカはどことなくおどおどしていた。
情報が言ってなくともこの時期に再度取り調べを受けるという事は自分が容疑者に含まれているのだろうと察しているのだろう。
「滝宮さんは確か通いですよね?」
「あ、はい」
「一人暮らしですか?」
「いえ、実家です」
「実家には誰と住んでますか?」
ハルカは不思議な顔をしていた。
こんな質問に何か意味があるのかと思っているのだろう。
「父と母です……」
「ご兄弟は?別れて住んでいたりしますか?」
「いえ、一人っ子ですので」
「成る程。では、最後に……仮に神道神子が吸血鬼だと言われたら、貴女は信じますか?」
「え!?」
ハルカは目に見えて戸惑っていた。
「これは断定ではありません。そうですね、誰が言い始めたか分からない噂話だとしたらどうですか?」
「…………信じられないと思います」
「それは何故?」
「神道さんは退魔師の家系ですし、今回のような騒ぎを起こすような人だとは思えません」
「そんな人だとは思えない?では貴女は神道とは仲が良い方なんですか?」
「あ、いえ、そういう訳では……立派な家の出だと聞いてますので」
「……そうですか、ありがとうございます」
優人は社交辞令として、笑顔を作った。




