Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の三十五
ミコにサラと手配の準備を進めている間、当初の予定通り捜査を行う事にした。
今回はメイに確認を取り、メイド達のスケジュールを確認後、個別に優人の部屋で話を聞く事になった。
最初は前回と同じくメイだった。
優人の対面側の椅子を座るとメイは恐る恐ると言った風に切り出した。
「あの……優人様、今回はメイドだけと言うのは……」
「備海さんには伝えざるを得なかったですが、他の人達には漏れないようにして下さい。明日の食事会まででいいですから」
「それは尽力致しますが、優人様はメイドの中に吸血鬼がいると判断されたのですか?」
「……まぁ、備海さんには伝えておきましょう。ええ、その通りです」
「っ」
メイが息を飲む。
優人はその反応を気にも留めずに続けた。
「備海さんにはそれを踏まえうえで、もう一度この質問をぶつけましょう。誰が犯人だと思いますか?」
「!!」
「前回と同じように僕と答えるのは無しです。加えて、メイドの中でという前提で選んで下さい」
メイはハンカチを取り出し額に当てた。
「……わかりました。ですが、考えかたは前回と変わりません。私は私がよく知らない人間が犯人だと思います」
「成る程、では誰ですか、それは?」
「神道……神子です」
優人の傍らに居た守が息を飲んだ。
「そうですか」
想定の内だったのか、優人の声色は変わらなかった。
「それだけ聞ければ、十分です。ありがとうございました」
「詳しく理由を聞かないんですか?」
「詳しいも何も貴女が言った通りの理由でしょう?神道は名目上はメイドであっても本来の業務は退魔師としてのボディーガード、そして、探偵の助手役だ。貴女の管理が及ばない位置にいるから、神道だ……そういう事でしょう?」
「……ええ、そう思ったのは事実です。ですが、あくまで敢えて選ぶならという前提だという事を忘れないで下さい」
「……」
優人はメイを見据えた。
「っ」
メイは戸惑うように息を飲んだ。




