39/57
Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の二十九
日曜日、優人はミコを連れて図書館に出かける事にした。
今回の事件で関わりのありそうな妖怪について調べる事が目的だったが、結果として判明している事以上の事はわからなかった。
「まぁ、こういう事もあるか」
図書館と想月家はあまり離れていない事から今回は徒歩での行き来になった。
傍らで、ミコが日傘を指している。
相合傘のようで、しかもミコが頑なに持ち手を譲ろうとしなかった事で優人は内心恥かしかった。
「……優人さま、ひとつお伺いしたいのですが」
「なんだ?」
「優人様は犯人が一般的な吸血鬼、ヴァンパイアではないと考えているんですか?」
「……可能性の一つとして考えている」
「そうですか」
そうして暫く二人の間には沈黙が流れた。
そのまま想家と図書館の中間地点辺りに来たところで、思い出したようにミコが口を開いた。
「優人様、この辺りにあたしの実家があります。休んでいかれませんか?」
「それは有り難いが、ご家族に迷惑じゃないか?」
「大丈夫ですよ。それにあたしも実家に用事があったので」
「まぁ、それならお邪魔しようか」




