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オモイツキ  作者: 結城コウ
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Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の二十五

翌日の放課後は被害者の話を聞く事になっていた。

学校が終わると用意されていたタクシーに乗り、優人と守、ミコは被害者との待ち合わせ場所に向かった。


待ち合わせの喫茶店で優人は被害者と向かい合わせで座る。守とミコはその両サイドでメモを備えていた。

「余り思い出したくはないんですが……確か、背後から押さえつけられて、そのまま肘の辺りをガブリとやられた……そんな感じです」

アポを取れた被害者の一人、(ささ)(がき)知里(ちさと)は二十代の女性。

染めたらしい栗色の髪以外は特に特徴らしい特徴のない普通の女性だった。

「成る程……肘?」

優人は資料を見直すと事件当時に撮影した噛まれた箇所の写真には、右腕の写真が付属していた。

確かに噛まれた跡は肘の辺りに残っていた。

「そうですけど……えっと、何か?」

「あ、いえ、それでどうしたんですか?」

「それで抵抗する間もなく、血を吸われて……気を失いました」

短い時間で大量に血を失ったのだ、気絶するのも無理ではないだろう。

「それ以上の事は何も覚えてません。あんな怖い経験……思い出しただけでも……」

「そうですか、では犯人の手掛かりになりそうな事は……」

「……突き詰めれば、何かあるかも知れません。でも、あの出来事をこれ以上思い出す事は出来ません」

「それは申し訳ないです。ですが、もう一つ確認したいんですが」

「はぁ、なんでしょうか?」

「背後から押さえつけられた、とありますが、どんな風に押さえつけられたんですか?」

「え?えっと、犯人の事はわかりませんが、確か犯人が持ってたハンカチか何かと一緒に口を抑えられて、右腕を後ろに回された……と思います」

「……神道、守矢、やってみてくれるか?」

「はい」「わかりました」

被害者役のミコの口を背後から守が左手で押さえた。

「これは多分、悲鳴を上げられないようにですよね」

「恐らくは」

次に守はミコの右腕をミコの背中に回した。

「神道さん、少し痛いですよ」

「っ」

その恰好自体はたまに見る事がある。

護身術などで相手を抑えるやり方だ。

口許を抑えていなければ、刑事ドラマで犯人を確保する瞬間に見る構図に似ていた。

「こんな感じですか?」

「恐らくは……でも、これって……」

「大変参考になりました。ご協力感謝します」

「あの、私、記憶違いはあるかも知れませんが、嘘はついてません」

「わかってますよ。これが記憶違いでないなら、重大な意味を持ちます。そうである以上、他の被害者の方にも聞かないと」

「それって、どういう事ですか?」

「犯人は()()()()()()()()って事です」

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