Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の二十二
優人が想月家に戻るとすぐにサラとの食事になった。
「お疲れ、でしたでしょう。優人くん、今日はゆっくり休んで、下さい」
「いや、そうしたいのはやまやまだけど、調査した事についてある程度考えを纏めないと」
「明日も外に調査、でしょう?お身体の方は大丈夫、なのですか?」
「死にはしないさ」
探偵だしな、と優人は心の中で語尾に付け加えた。
「……何か私に出来ることは、ありませんか?」
「じゃあ、甘いものを用意してくれないか?」
「それは構、いませんが……優人くんは考え事をする際によく甘いものを食べ、られるんですね?」
「ああ、そりゃ考え事をすると脳が糖分を欲するって言うだろ?まぁ、実際はそこまで効果があるものじゃないそうなんだが、自己暗示なんだよ」
「自己暗示、ですか?」
「プラシーボ効果ってあるだろ?病気の薬ではなくても薬を飲んだ事で安心して病気の症状がよくなるってやつ。それと似たようなものだよ」
「糖分をとったから、頭の回転が早くなると思うことで、頭の回転を早くする、という事ですか?」
「そうだよ」
「…………」
サラは何かを考えて、うん、と頷いた。
「わかりました」
「うん?」
「いえ、用意させていただきますね」
サラは柔らかく微笑んだ。
優人はその笑みを見ながら、スープを口につけると、微妙に温くなっていた。




