Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の十七
時刻は放課後を回り、想月家の自室に戻った優人は、ミコと守を呼び、椅子に座っていた。
「今後の方針なんだけど、何か意見はあるかい?」
「被害者をあたってみるのはどうですか?」
「被害者?資料には死亡者以外には聞き込みを行ったが、成果が出なかったとあるぜ?」
「それはそうですが、成果がないと言っても何もなかった訳ではないでしょう。詳しい内容を確認する意味でも必要ですし、時間を置いて何かを思い出した可能性もありますよ」
「……一理あるな」
そうは言いつつも徒労に終わりそうな予感を優人は感じていた。
とは言え、捜査とは可能性を一つづつ潰していく事だと優人は思っている。
そうである以上、まだ結論は出すべきではないと思っていた。
「でしたら、アポを取っておきます」
「ああ、頼むよ」
優人の返事を聞き、ミコは軽く頭を下げると、部屋を出ていった。
「……ふぅ」
「お疲れですか、優人様」
「……なぁ、守矢」
優人はそれには答えず、ふと思った事を口にする事にした。
「なんですか?」
「初めての事だから、勝手がわからないせいかも知れない。だけど、何かを違えている気がするんだ」
「それは……ただ、不安だって事ですか?それとも確信めいたものがありますか?」
「そんな事わからないよ。自分の感性だからって、詳細がわかる程、敏感でも頭よくもない」
「でしたら、ボクからは何も言えません」
「そうか……そう、だよな」
「ただ……優人様はその感覚をどう思いますか?」
「だから……」
「直感の話ですよ。思い出して下さい。優人様は探偵なんですよ」
「え……」
「ボクは詳しい事はわかりませんので、イメージの話ではありますが、探偵の直感は大抵正しい方向に働くものでしょう?」
「…………」
優人は拳を噛むように、口許に手を当てた。
「……少し考えてみる。守矢、悪いが、何か甘いものを持ってきてくれないか?」
「畏まりました」
守は頷くと部屋を出て行った。




