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Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の十六
優人が目を覚ますとサラが見つめていた。
「優人くん、うなされて、ましたよ?」
「……」
無意識に優人はサラの喉元へと手を伸ばし、その華奢な首を絞めた。
サラは一瞬驚いて目を見開いたが、抵抗せず、すぐに受け入れるように目を閉じた。
優人は感情のままにぎちぎちとサラの首を締め上げる。
サラはそんな優人の頭を愛おしいもののように撫でた。
「!」
我に返った優人は手を離した。
解放されたサラは優人から顔をそむけ、周囲に聞こえないよう耐えるように咳き込んだ。
「あ……あ?」
優人は自分の行為が信じられず、自らの手を見ていた。
「さ、サラ……僕は……」
「よろしい、のですか?私を解放して」
サラの声は苦しそうだった。
「え?」
「お気のすむまで、やって、いただいて、いいのですよ?」
「何を、言って……」
「優人くんが、望むのなら、受け入れ、ますよ」
「……死ぬ事もか」
「優人くんが、手を下してくれるのなら」
「……」
優人は起き上がり、周囲を見渡した。
学校の帰りの車内、窓からは夕焼けの赤が差し込んでいた。
「……膝枕してくれてたのか、ありがとう」
サラは嬉しそうに目を細めた。




