Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の十一
「さて、次はシェフ辺りから話しを聞きたいが……」
優人の手元にはメイから教えて貰った使用人のスケジュールがある。
「優人様は平気なんですか?」
「ちょっと、神道さん!」
ミコの問いかけに優人はポカンとしていた。
「えっと……うん?」
「メイさんが口を濁したのは、失礼な事だからです。それを知って、優人様は何とも思わないんですか?」
「……は」
一瞬だったが、優人は自嘲げに笑った。
「全く気にしてない、という訳ではないけどね。彼女の言い分はわかる。道理も。そんな事に構ってられる程、潔癖じゃないんだよ」
「潔癖、ですか?」
「自分への批判を一切受け付けないのは潔癖だよ」
「謂れのないものでも、ですか?」
「道理が通っているのなら」
時間を見計らい、シェフを厨房から呼び出した。
「では、お名前からお願いします」
「はい……佐古田信二、見ての通りシェフをやらせて貰ってます」
その言葉通り、料理人特有の白衣に、髪が落ちないようコック帽を被っている。
「あ、そうか、昨日の夕食や今日の朝食、それに今日の夕食も佐古田さんが作ってくれてたんですね」
「ええ、それが仕事ですから」
「挨拶が遅れてすみません」
「い、いえ、自分も使用人ですので、挨拶など……」
「そういう……ものなんですか?」
優人はその辺りの事をよくわかっていなかった。
「え、ええ」
「それで、構いませんよ。優人様」
守もそう言ったので、優人はそれで納得する事にした。
「では、本題に入りますが……」




