Q.血を奪う者-ヴァンパイア- 其の四
SHRが終わると担任とサラは一緒に出て行った。
優人の事で確認しておく事があるらしい。
「おう!梔子と言うたか?キサンが想月んトコの居候か?」
真っ先に話しかけてきたのは赤い方だった。
「そ、そうだけど……」
「そうかそうか。ま、仲良うしてくれや」
青い方もそれに加わる。
二人(?)は何故か、学校指定の制服はブレザーなのに学ランを着て、さらに何故か下駄を履いていた。
「う、うん……」
「そうか!じゃあ、杯でも交わそうか!」
「え」
「兄弟杯じゃ!」
「いや、俺未成年……というか高校生だろ、互いに」
「赤鬼!青鬼!困っとろうが!」
二人を叱り飛ばしたのは、後ろの席に居た女子生徒だった。
「あ、姐御……」
「す、すいやせん……」
「アネゴ……?」
女子生徒は角を持ち、刀を携えているが、白く長い髪が印象的な美人。
筋肉隆々の鬼がそんな女子にヘイコラと頭を下げているのは少々滑稽だった。
「すまんな、梔子。うちの子分共が迷惑をかけて」
「あ、いえ…………子分?」
「ああ、自己紹介を忘れとったの。アタシは月母尾で“鬼”の総元締めをしている鬼崎家。その跡取りとなる。鬼崎刹乃というもんじゃ」
「あ……よろしく、鬼崎さん」
「なんじゃ、よそよそしいの。うちと想月家んトコは代々親しくしておるんじゃ。居候とは言え、ぬしも想月家の人間みたいなもんじゃ。もっと気軽に刹乃様と呼べ」
「はぁ……えっと、せ、セツナさん?」
「はあ?」
「お、おい、キサン!姐御の名前は刹乃じゃ!」
「姐御は自分の名前を間違われるのが、一番怒るんじゃ!は、はよ、謝らんかい!」
「すみません、鬼崎さん」
鬼の三人組は目が点になった。
「……なんぞ、トボけた奴じゃの」
「はぁ……」
「まぁ、想月んトコの沙良もだからこそ、ぬしがええと思ったんかもな」
「え?」
「まぁ、ええわ。とりあえず、仲良うしてくれや、優人」
赤鬼と青鬼は優人の名前を呼んだ事で目を丸くした。
「あ、はい」
優人はそれに気付かず、刹乃と握手した。




