生産職とイベント告知と新メンバー
コロナも未だ続く中、医療関係者の方々や各種職業の従事者の皆様大変だと思いますが皆さんの働きで社会が保たれています。
自信を持って体調に気をつけて頑張って下さい。
そしてこれからも不定期な投稿の本作をよろしくお願いします。
それはある日突然起こった。
俺がいつも通り調合でポーションを作っていると、いつのまにかクイがそばに来てチョンチョンと俺の足を突いてくる。
何をやっているのかなぁと思いつつも調合が失敗する可能性があったし、何より比率のデータを取っていたのであとでねと言ってから放置していた。
そしてひと段落した時、クイがまたチョンチョンと俺の足を突く。何かな?と見てみるとなんと!そこには!あったかそうなマフラーと部屋着一式と防具が置いてあった。
いったいどうしたのかと聞いてみるとなんとクイ達がが自分達で作ったものだった。
さらにクイが手招きをし、牧場の方へと俺を連れて行こうとするのでそれに従い行ってみるとそこでは俺のテイムモンスター達による生産が行われていた。
テイムモンスターや召喚で仲間にしたモンスターには個別でAIが発生するらしいがこんなことまでするのか……
そこでは、防具の生産が行なわれていた。
シェパルーとウサトがシェパルーのウロコを粉々に砕き、それをキャモンの糸と混ぜ合わせる。そしてその糸で布を作り、シェパルーのウロコで一番硬いところにホビィが開けた穴に糸を通しウロコがついた布と裏地になるクイ産の服をあわせて完成。
以前は俺が作業を指示しないといけなかったがまさかここまで能動的に成長するとは思わなかった。
そういやこないだ独り言で金がないって言ったの聞かれてたかな?
それにしてもありがたい。これを三層あたりに持ってけば結構な値段で売れそうだ。
……シェパルーのウロコ、結構在庫あるから手甲や足甲をウサトとホビィに作ってあげよかな。
シェパルーには新しい鞍もあげよ。それが終わったらみんな集めてお昼寝だ。
こののんびりスローライフのようなプレイスタイルも悪くない……そう思えてきた矢先、公式からのお知らせが届いた。
【第一回 NSO公式イベント開催決定】
『開催日は約2週間後。参加者は始まりの町、中央広場の噴水の周りに集まること。アップデートにより追加された五層以降のステージが舞台となっており、プレイヤー達は最大6人からなるチームを作りステージの様々なギミック、ダンジョンを攻略して手形を集めてその合計取得数で順位を決める。ランキング上位一桁に入れた場合追加で報酬が取得可能。ランキングは個人、パーティそれぞれ人数別でカウントされる。手形はイベント終了後にアイテムやSP、スキルに変換出来る』
おおまかにはこのような内容だった。
ここで一つ問題がある。
使役スキルは召喚と違いテイムモンスターがパーティメンバーとしてカウントされるのだ。
そのため一定以上の数を同時に連れることはできず新しいモンスターを出そうとすると既存のモンスターと入れ替えを行なわなければならない。
なのでその過剰分のモンスターを一時的に収納できる使役書という本を購入した。
もし誰かとパーティを組むので有れば絶対に溢れるからだ。
細かくルールを読むと「イベント中にSPを使用して取得するスキルはひとつだけ」というものがあった。
これはパーティに調理や鍛治などのスキルを持つ生産職がいなかった場合の救急措置だろう。
その上持っていくアイテムの量も制限されている。主に食料や素材などだ。
そこで今俺は食材を安定して供給できるモンスターを使役でテイムしようとしている。
そのモンスターの名はトレント。その中でもフルーツトレントというモンスターが定期的に身体の一部の枝に果実を実らせるという能力を持つ。
そしてミートカゲというMPを消費して尻尾を自切する能力を持つモンスターの二種類が現時点で確認されてる。
しかし自分の尻尾を素材アイテムになるとはいえ目の前で調理されるのはかわいそうだと思ってしまったのでフルーツトレントだけで我慢することにした。
ちなみにテイムする方法だがトレントが好む肥料を一定数与えればよいらしいが固体ごとに変わるという情報もあった。
なので俺は自分が使っているのを数種類用意し、どれが合うのか試してみる事にした。
結果、枯れた上質な薬草とその他数種類の草を混ぜたものが口に合ったようだ。
俺がテイムできたトレントはリンゴとブドウがなる個体だったのでリドウと名前をつけた。
他の全員でリドウのレベリングを行った結果、タンクとしても優秀だった。
リドウは突進してくるものに対しては自分の枝を伸ばして横から衝撃を与えることで転かしたり、攻撃を逸らしたりすることができる。
また、枝の細い部分やツタの部分を相手にまとわりつかせ、緩衝材として利用したりはたまたそのまま相手を拘束してしてしまうこともできた。
リドウによって今までは質量はシェパルーがその巨体を持って受け止めてきたが勢いを殺した状態で確実に止めることができるようになった。恐らくかなり格上のモンスターが相手でも大丈夫だろう。
イベントまでの期間が短い中、みんなで頑張ったおかげでなんとか準備が整った。
リドウはなんとか進化まで持っていくことができ、フルーツトレントからハイフルーツトレントに進化した。果物は味が良くなり、バフも付与されるものになった。
そして俺はみんなに装備を作ってやることができた。
まず、クイには頭と柔らかい腹を守るための鎧を。これはクイ自身の糸で編んだものを中核にしシェパルーのウロコを砕いた粉に各種属性石の粉を混ぜた塗料につけ、硬化させたものだ。属性石のおかげで魔法にもかなりの強度を誇る。
ホビィには足に纏う足甲と突進時に衝撃から守るため頭部から首、背中を覆う馬鎧の発展形のようなものをあげた。
足甲の方は風精石の上位素材の風結晶をはめ込んだもので攻撃力自体には影響が少ないが一瞬だけ空気を固めて足場とすることができるようになった。これを上手く活かして立体起動で縦横無尽に暴れるアタッカーが誕生した。
鎧の方は衝撃吸収のため表面は硬い甲殻のようなものだが内側にスライムゼリーを入れてあるので衝撃が逃げやすくなっているはずだ。スライムゼリーは強い衝撃が与えられると硬質化する性質がある。
ウサトは足甲とスカーフそして手甲だ。
足甲はウサトの機動力を削がないように軽く、それでいて蹴りの威力を上げるために硬くする。ただそれだけを考えて複数の金属の合金とシェパルーのウロコを混ぜ合わせたものの多層構造になった。
スカーフに関してはドロップアイテムで、『たなびくスカーフ』という名前だ。『たなびく』シリーズのひとつでスーツのヒーローやバッタのバイク乗りのロールプレイをしている人御用達の一品。風も無いのに勝手にたなびくスカーフはなんとも男心がくすぐられる。
効果は幸運、移動速度+1だけだ。
以前渡したのは腕に巻いている。結構気に入ってくれているようだ。
手甲に関しては殴るのではなく外側に刃が出るような形にして、ウサトの動きの多彩さに拍車をかけるものにする。
刃に関しては手甲の外側にはめ込み固定して後々取り外して交換、メンテナンスができるようにした。
形は手甲に沿わせだんだんと幅が広くなっていくようにした。これにより刀などの反りを再現し、切れ味が増したり、相手の攻撃を受け流すことも可能になる。
そしてシェパルーに関してはできることはほとんどなかった。元が優秀すぎるので下手に手を出すと逆効果になってしまいそうだった。結局作ったのは鞍のみ。
戦闘時に役に立つものではなくその巨体を活かした移動の為のものだ。
リドウに関しても同じく装備はなしだが、そもそもリドウに対して求める役割が戦闘ではないのでしょうがないと思う。
これであとは消費アイテム類を集めるだけになった。
もちろん俺の装備はあの『堕落の象徴』シリーズ一式でいく。召喚モンスターも忘れずに強化してあるのであとはイベント開始後に対応できるものは対応したら大丈夫だろう。
イベントが楽しみだ。
〜3月5日〜
桜「今年ももう終わりかぁ卒業式も終わったなぁ」
木下「そうだなぁ〜じゃあ俺ボタン残ってる先輩イジってくるわw」
桜「性格悪いな…でもあれでコミュ力お化けだから軽く怒られるので済んでるんだろうなぁ…」
先輩A「木下もどーせボタン残るんだよ!絶対いじってやる!!」W(`0`)W〈チクショー