生産職とクラスとパーティプレイ
次話までまた時間が空いてしまいます。申し訳ありません。
今後とも本作をお楽しみください。
また、番外編として本編には関係ありませんがその時期にあったテーマで話を投稿することも考えておりますのでリクエストなどがありましたらご意見くださると幸いです。
俺が売ると言ったことにより、黒精剣の商談をすることになった。
まずどのくらいで売るのかと聞かれ、1万Gというとまた一悶着があった。
……それから少したち、落ち着いたハタハタが、諭すように言い始めた。
「……それじゃあ最前線プレイヤーとしての検分を言わしてもらうぞ?…まずこの剣はステータス要求値だけで言うと、最前線の戦士系統クラスのプレイヤーなら、基本的に誰でも装備できるようになっている。しかしその要求値にしては属性の重ねがけ、それも三重という異常な効果がある。属性剣なら結構な数が流通しているが三重というのは無い。その上ATKが+30だ。私が使っているこの剣でも二重でATKは48と少し上回るが十分サブウエポンやボス戦なんかで使える性能だ。残念ながら特殊効果は無いが、私はこの剣の価値は20万Gは硬いと思う」
そんなことを言われ、そこまでは流石に……というとまた一悶着起こった。
そしてその時、俺は素晴らしいアイディアを思いついた。
「じゃあ、10万Gでいいから俺とパーティーを組んでボス級モンスターを討伐するのを手伝って下さい。掲示板などには情報がない奴がいたんです。僕はそれで十分ですから。」
「しかしっ」
とハタハタが口を開くとハル姉がパンパンと手を叩き、
「もうそういう問答はいいから。それにサクラは元から欲の少ない子なのよ。……だからこれ以上はなし。わかったわね?」
と、パーティーリーダーらしくまとめた。
そのあと、俺は古代帝霊 チャンネンの話をした。
調理スキルも取ったという話をしたことで素材をもらって料理を作ることになった。
作るのは鍋とスイーツたち。
材料提供はハル姉達。
それではクッキング、スタート!
まずは入れる野菜を食べやすいサイズに切ります。
そして鶏肉の代わりにファイアーバードの肉を同じように食べやすいサイズに切ります。
ツノ鰹のかつお節から出汁をとり、味を整えていきます。
出汁ができたら火にかけて野菜や肉を並べてっていい感じになるまで煮る。
〜〜約10分後〜〜
みんな大好き、鍋の完成!!
テーブルに乗せてハル姉達ががっついてる間にシステムメッセージが来ていたので見てみる。
・・・システムメッセージ・・・
生産系スキルが全て中級へと進化可能になりましたので、そのことによってクラス『クラフター』が取得可能になりました。
また、現在取得しているクラスが無いため、自動的に取得しました。
クラフターの効果は以下の通りです。
『クラフター』
・制作したアイテムに特殊効果がつきやすくなり、一部のアイテムは効力が少し上がる。
・自分で制作した武具は全て装備可能になる。
・戦闘技能が少し下がる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「へ〜クラフターの取得条件ってそうなんだ〜」
「……知らなかった」
「…………黒精剣は返さないからな!」
そんなコメントの後に三者三様の祝福の言葉?をもらってハル姉達とは別れた。
さーて何しようかなぁと思った時にまずは武器かな?と思い、工房を借りて早速ハタハタさんからもらった最前線の素材をしっかりとした武具を作るために使うことにした。
チャンネンを討伐するのはリアルでの次の土曜日に決まった。それまでは各自が必要とするものを準備することになってる。
残念ながら俺は成績のほうが目指してる大学の基準からすると若干危なめなので強化講座が終わった放課後にセカフリをすることとなった。......なお、受講者の過半数が欠席をしていた。
そんなわけでまずは武器だ。チャンネンは二つ名からしてアンデット系のモンスターだろう。だから表面にはミスリルを使い、洞窟の中なので風精石を使う。
今回はもらった魔鋼があるのでそれと風精石の合金(魔風合金という)を使い、日本刀っぽい感じに仕上げる。
心鉄として魔風合金を熱しては叩き、折ってまた熱しを繰り返していくこと十数分、今度は皮鉄として魔風合金とミスリルを合わせた魔風ミスリルを鍛える。
こっちは外側になるので心鉄よりもさらに入念に鍛え上げる。
そして心鉄をはさむようにして皮鉄を被せ、少し熱して叩いて溶接する。
柄は古宮の森で採れる黒朴を使い、その上にヒーラーディアーの皮を巻く。
鞘にも黒朴を使って少し唐草紋様の装飾を施す。
銘は『風鹿』。
評価は7で特殊効果は俊敏上昇小、重量減少極小で属性は風だ。
ATKは+40。素材のレアリティによってかなりの高性能になっている。
属性数は黒精剣に負けているが、それを補って十分お釣りがくるほどだ。……ただ一つ後悔があるとすれば作ってる時のハイテンションのままで銘をつけたので、また安直なネーミングになってしまったことだけだ。
もしかして自分にはネーミングセンスが無いのかな
ぁ〜なんて思いながら今度は大盾の制作に取り掛かる。
大盾は軽い木材の素材であるトレントの木材を使用する。
金属は薄い板にした上で緩衝材を挟んで使用することにした。
大きさは1mほどで俺の身長の3分の2ほどになる予定だ。
板と鉄板と緩衝材の大きさを揃えてその縁を釘で打ち付けてさらにをはめ込み取っ手をつけたら完成だ。
評価は5と簡単な作りのせいか低く成ってしまったが物理防御+30、魔法防御+20という性能になった。
続いて防具だが、翁魚の素材を使用したものにする。
ホッキョク・ベアーのドロップであるくまさん印の胸当てをベースにして翁魚のウロコを取り付け、最後に錬金スキルで即死耐性と魔法防御小の特殊効果をつける。これで完成だな。
アイテム名は翁魚の胸当てに変わっていて、物理耐性40、魔法防御36、水属性耐性中になっている。
これは元々がモンスタードロップなので評価は出ない。
さてとここまで連続で紹介しているが、今日は木曜日。約束の日まで後2日しか残って無い。
というわけで昨日1日かけて素材集めとレベリングをして戦技、闘技共にレベルを上げて中級になっているのであとはポーションなどの消費アイテム系統だ。
薬草と蒸留水、活力草を刻んでいっしょにゆっくりと煮込んで行く。そして色が変わったら少しずつヒーラーディアーの肝を乾かしたものと削った角を鍋に入れてさらに赤黒い色がマゼンタ色に変わるまで混ぜる。そうして出来るのが『ヒーリングポーション』。これは初期に買えるポーション薬の上位版で既に市場に出回っているものだ。効果は一般的なものとは違い、HP回復量が5%増しで25%となっている。
これをとりあえず50本、MPポーションも同じ数だけ用意する。
次はアクセサリーだ。潜水スキルのレベルリングで翁魚がいた湖で何度も潜水を繰り返して底にある宝石や鉱物の原石を拾い集め、また、鑑定しないとわからない化石や遺物も集めた
聖獣の遺骨を削り、勾玉の形にして穴を開ける。同じものをあと3つ作る。ベニサンゴを勾玉と同じくらいの大きさにカットして糸を通す穴を開ける。最後に糸を通してネックレスの形にしたら完成だ。
アイテム名は『聖獣のネックレス』。
効果は幸運極小、防御小、***(条件達成により解放)の三つだ。まぁ実質二つなんだがな。
なお聖獣の遺骨は部位があり、もし全部揃えていたらかなりの値段になったという。……ショックだ。
まぁ当時は知らなかったんだから仕方ないっちゃあ仕方ないけどさぁ……。
これで近接武器、盾、防具、ポーション類、アクセサリーが完成した。残るは遠距離武器だけだ。
しかし俺は弓の上手い作り方はよく知らないのでとりあえず今買える一番性能がいいのをプレイヤーの露店で買った。作成者はロンレイという人物だそうだ。かなりいい見た目になっているので今後もよろしくお願いしたい。
さて、ついに約束の土曜日になった。流石にパーティを組んでいきなりボス戦というわけには行かないのでまずは春姉…ハル姉達にとっては雑魚なエリアボスで連携の練習を重ねるらしい。
そのエリアボスがいるのは街の北側。古宮の森の反対側になる。なお、古宮の森にはエリアボスが確認できなかったため、第2階層がないと思われているようだ。それにモンスターやアイテム的にも効率が悪いため人が一切来ないようだ。
さて、件のエリアボスの名は『ファンキーベア』でそのエリアは草原になっていてその名も旅立ちの草原。薬草がたくさん生えており、初心者生産職にとってはかなりいい場所だ。
そんなファンキーベアは火が弱点でその攻撃力もあまり高くない。ただかなりタフなので随分と手がかかるようだ。さらにHPが3割を切ると暴走状態になり、全てのステータスが上昇するそうだ。
「ヤッホー待った?」
「えっと、あの、お久しぶりです!皆さん方!」
さてと待ち合わせ場所で待ってたらハル姉達がやってきた。
その場でパーティーを組み、早速旅立ちの草原に向かう。やってくる敵を遠距離から魔法と弓で潰していく。ここの敵は近距離戦が得意なモンスターばかりなので簡単にボスのところまでついた。
「さてと……サクラ、確認しておくわよ?あいつは火に弱いし近接しか怖いのはないから遠距離から弓で攻撃していって。弱点は鼻と目。落ち着いてよく狙ってね。その間はハタハタがヘイトを稼いでくれるから。わかったわね?」
わかった!と威勢のいい返事をして早速ボスの探知範囲内に入り、戦闘を始める。
「ガルルルグギャアアア」
ファンキーベアはリーゼントにグラサンとカッコいい?見た目に対して......ものすごく臭かった。
俺は思わず鼻を押さえながら、
「は、ハル姉ぇ〜こんなの聞いてないんだけど!?」
と文句を言いながら振り返るとなんとハル姉たちはガスマスクのようなものをつけていた。
「え?言ってなかったっけ?じゃあ今言うねすっごく臭いよ、こいつ。」
......こいつ~自分は対策してるからって涼しい顔でさらっと言いやがって~
情報収集が大切なことだと悟っていると、
「お~いはやくしろよー」
と一足早くにファンキーベアとの戦闘し始めたハタハタやノノが話している俺たちに対して戦闘中であることを思い出させた。
その後は俺はボスとの戦闘になれるために攻撃を自分主体でもう一回、サポートに回って二回行った。
その後ハル姉たちに連れられて雑魚アンデットに対する戦闘方法を教わっていよいよ古代帝霊チャンネンとの戦闘に挑むことになった。
防具などの物理防御、魔法防御について。
武器のATKと物理防御の値が同じ場合、そのダメージを30%の確率で無効化することができます。
魔法防御についても同じようにお考えください。
~9月1日~
桜「おい木下、宿題は終わってんだろうな?今年は写させねえぞ」
木下「...写させてくださいお願いします!!」(土下座)
桜「はあ...これが最後だからな?」
木下「ありがとう心の友よ!」
放送「ぴんぽんぱんぽ~ん...ガチャッ『え~1年D組木下君、一年D組木下君。補講を行うので放課後教室に残るように。』ガチャッ」
桜「...まあ何だ......ドンマイ!」
木下「ちくしょう!!」orz