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俺がこのありきたりな異世界冒険をぶち壊してしまっている件  作者: でれるり
第1部 〝 異質者との冒険が始まってしまった件〟
12/13

11「いきなりオネエって何ですか?」

 





 ──美しい青空が広がり、真っ白で綿菓子のような雲が浮かんでいる。川のせせらぎ。透き通る鳥の声。そして、レンガで造られた沢山の家。人も少なく、車の数も少ない。

 そんな中、亜蓮は道のど真ん中で大の字で倒れていた。当たり前の事だが、住民達はそんな亜蓮の姿を窓から覗いて観察している。でも住民達は亜蓮を見た瞬間に窓を一瞬で閉じる。何故なら──


「⋯⋯な、ち、痴漢だ! 全裸の男がいるぞーー!!!!」


 そう。亜蓮は現在全裸なのである。何故こうなってしまったのかは亜蓮にも分からない。


「この男を殺しておいた方がいいんじゃないか? 起きたら全裸で何するか分からない」


 とある住民がそう言い、他の住民達も頷いて納得していたが、ある一人がその意見に反論した。


「⋯⋯いや殺しはしないわ。その男はわたしがあずかる。その男から離れなさい。わたしの家に連れていく」


 そう言って道の真ん中へ行き、全裸の亜蓮を持ってきていた毛布でくるんで肩に軽々と乗せた。住民達がザワつくが、真顔のままのそのそと歩く。




 






──しばらくして、亜蓮は目を覚ました。


「⋯⋯ん。ここは?」


 亜蓮は自分が寝ているということしか把握できる状態ではなかった。意識が朦朧(もうろう)として、脳が働いていない。

 ただ真っ白な天井が亜蓮の目線の先に広がっている。


 「⋯⋯俺の家の天井?」


 「んなわけないでしょう。そこは知らない天井だ、でしょ」


 亜蓮の視界に見知らぬ男の姿が映った。ぼんやりしていたのが段々と見えだしてきた。──が、見ない方が良かったと後悔したのが遅かった。


 「目が覚めたのねん。良かったわ!! 目覚めのキッス、いる?」


 「お、オネエぇぇ!? うぉええぇぇぇ」


 亜蓮はピントがあった瞬間、全力で叫んだ。起きた瞬間にオネエが目の前にいたら流石に発狂してしまう。

 そのオネエは厚化粧で唇は厚く、身長は百八十はあり、香水の香りが強烈である。


 「あら、どうしたの? そんなに発狂してぇ。あ、あなたまさか私の美貌さに思わず発狂しちゃったんでしょ?」


 「んなわけない」


 亜蓮は一刀両断した。美貌もクソもない気持ち悪さに話す言葉も見当たらない。


 「⋯⋯はぁん。せっかく助けてあげたのにそんな態度はないでしょう?」


 「ふっ⋯⋯。助けてくれたのが美少女ではなくてオネエだなんてな。⋯⋯ん? まてよ?」


 異世界冒険のありきたりな点として、美少女に救われるのが大体のお約束だが、オネエってのはまた新鮮だ。ありきたりな事が嫌いな俺は別にこれは悪くない。⋯⋯てかこいつ仲間にしよっかな。でもルーシアの事だから『オネエを仲間にするやつがどこにいるかぁぁ!!』とか言いそうだしなぁ。

 亜蓮は心の中で自分に語りかける。


 「どうかしたの??」


 すると亜蓮はベッドからスっと立ち上がり、天井を見上げてメガネに中指を当ててクイクイした。そして亜蓮の口から衝撃の言葉が発せられた。


 「──俺の仲間にならないか?」


 「いいわよ」


 「分かった」


 こうしてこのオネエは亜蓮の仲間となり、共に冒険し戦うことを誓った。多分歴代史上最速の仲間契約である。


 「急にどうしたのよ? 仲間になってほしいだなんて」


 「君の魅力に惹かれたのさ⋯⋯。その美貌に」


 「さっきは否定してたのにね。変なイケメンさん」


 ついにオネエが仲間になり、戦力がより一層増加した!? ⋯⋯とでも言っておこう。

 が、ここで亜蓮は一つ大事なことを思い出した。すっごい大事なことを。


 「あ、ルーシア」


 よくよく考えたらルーシアとはぐれたままだったことを忘れていたのだ。というより、ワンチャンまだ日本に残っている説もある。


 「はぁん⋯⋯。美貌に惹かれたとか言われちゃうと私⋯⋯、はぁ、あぁ、段々と興奮してきたぁ」


 「そういえば名前聞くの忘れてた。教えてくれ、美オネエよ」


 するとオネエは顔を赤らめながら小声で言った。


 「クリスティアンヌ・マヌリッタスよん。⋯⋯クリタンって呼んでねん」


 「ふっ⋯⋯。素晴らしい名前だ。よろしくな、クリタン」


 「!!!!」


 クリタンはさらに顔を赤くして両手で顔を覆い隠す。


 「素晴らしいだなんて、恥ずかしいじゃない!!!!」


 「恥じることはないさ。⋯⋯それと俺の名前は剛林 亜蓮だ。アレンと呼んでくれ」


 亜蓮は唇に自分の人差し指を当てて、イケボでクリタンに返答した。


 「もうだめ⋯⋯。イケメンすぎるぅ⋯⋯」


 そう言ってクリタンはぶっ倒れた。

 このオネエは一体何者なのか? というか本当にこんな奴を仲間にして大丈夫なのか? てかキャラ崩壊激しくないか? このオネエ最初からこんなに気持ち悪かったか?


 こうして二人は仲間同士⋯⋯いや、気持ち悪い者同士仲を深め合った。

 ルーシアの事を忘れて。







やっと異世界へと行くことが出来ました。一体何話かかったのやら⋯⋯。

ここからをスタート地点として異世界冒険日常が始まります。今後に期待してください。

なお、次回で多分PART1が終わると思います。ここからの亜蓮くんとオネエ、そしてルーシアちゃんの活躍に期待してください。

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