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君の視線を感じる

作者: 榊原しとぎ

(春夜)私が設定を唐突に送りつけたのにも関わらず、その友人は数日で書き上げてくれました。有り難いものです。

時間をかけて書いたわけではないらしいので、それを前提にお読みください…。(私は本文に修正を入れたりはしていません)

 二十一番。

 それが新しい私の席だった。

 クジ入りの箱を次の人に回して、黒板へ向かう。チョークで描かれた座席の図に、自分の名前を加えるのだ。

 えっと、二十一番は……あった。窓から三列目の、一番後ろ。

 人と関わるのが苦手な私でも、席替えではやっぱり周りのメンツが気になる。だけど、クジを引くのが早かったから、まだ空欄に囲まれていた。誰が来るだろう? 付き合いやすい人がいいなあ……。

 「ねえ、雨野さん!」

 ぼんやりと黒板を眺めていると、ふいに後ろから声を掛けられた。その、不本意ながら聞き慣れた響きに、思わず振り向き方がぎこちなくなる。

 「あ、天野くん……どうした、の?」

 喋り方までぎこちない。おまけに目線は床まっしぐら。端から見たら相当滑稽だと思う。

 でも天野くんは気を悪くした様子も無く、弾んだ調子で話を続ける。

 「ほら見て、今度は隣の席だっ「え!?」

 ばっと顔を上げて黒板を睨み付けると、さっきまで何も書かれていなかった私の右隣には、確かに「天野」の文字があった。

 「また、よろしくね」

 私が言葉を遮ってしまった筈なのに、それが事実かどうか疑わしくなるくらいには晴れやかな声に釣られて、向き直ったのがいけなかった。

 目が、合う。

 天野くんの、猫さえ殺しちゃいそうな好奇心と、ほんのり甘酸っぱい――私にとっては苦々しい――感情が入り混じった、目。

 頭が痛いふりをして瞼を閉じ、小さく「うん」と言うのが、精一杯だった。


(春夜)初めて読んだときは私が折角考えた設定があまり生かされていない、とか思いましたが、そんなことは自分で書かなかった私が悪いのでここでは伏せておこうと思います…。

いやしかし、人が考えたアイディアを使って小説を書くなんて、私自身は試したことありませんが、難しいと思います。それを二つ返事で受けてくれた私の友人はほんと優しいというか…。

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